上 下
637 / 1,109
第二幕

自分に子供が生まれたのに、経験者であるはずの親に頼りたくないというのは、自分に対する自分の親の接し方に齟齬を感じてたという何よりの証拠じゃ

しおりを挟む
自分に子供が生まれたのに、経験者であるはずの親に頼りたくないというのは、自分に対する自分の親の接し方に齟齬を感じてたという何よりの証拠じゃないの? 真っ先に自分の親に頼るんじゃなくて、見ず知らずの赤の他人のアドバイスをもらいたいと考えるのなんて、普通に考えておかしいじゃん。

『他所の家に嫁に行ったんだから自分の親を頼るなんておかしい!』

って言うかもだけど、いやいや、

『嫁に行く』

っていう考えはもう時代遅れなんでしょ? だったら母親が自分の親を頼っても何もおかしくないじゃん。

それでもなお、

『頼るなら夫の親』

とか言うんだったらさあ、<夫の親>を頼ればいいんじゃないの? 何しろ、<愛する人を育ててくれた恩人>なんだし、何より経験者じゃん。それはそれは頼りになるはずでしょ? なのに実際には、夫の親どころか自分の親にさえ口出しして欲しくないって言う人が多いよね? しかも見ず知らずの赤の他人を頼ったりさえする。

なんでそんな風に他所様の手を煩わせようとするの? ましてや、それこそどこの誰かも分からない、どういう人間なのかさえ分からない、ネットの向こうの有象無象に相談しようと考えるとか、ありえないでしょ? で、案の定、袋叩きにされたりとかしてる。

悩みが解決するどころか、余計に嫌な思いしてるだけじゃん。

そんなんでも自分の親より夫の親より、どこの誰かも分からない、どういう人間かも分からない、<ネットの向こうの赤の他人>の方が頼りになりそうな気がするっていうのがもう、何よりの答でしょ。

『自分の子供とさえ良好な関係を築くことができなかった親だった』

っていうさ。

私がダンナのお母さんになら頼ってもよかったって思えるのは、一にも二にも、

<ダンナを育ててくれた方> 

だからだよ。ダンナの考え方や価値観や在り方の基本を作ってくれた方だから、信頼できると感じたんだ。

だけど残念ながら鬼籍に入っちゃっててもう話を聞くこともできないから、アドバイスを受けることもできないから、ダンナやさくらと一緒に手探りで、ダンナのお母さんの振る舞い方を思い出してもらいつつ、なんとか子供達を育ててきたんだよ。

自分の親はまったくあてにできないし、さくらの両親もうちの両親に比べればずっとマシだけどいろいろ事情があってこっちのことまでは構ってられないような状況だったから頼るわけにもいかないしで、けど、だからって、どこの誰かも分からないどういう人間かも分からないような赤の他人に頼ろうとはさすがに思わなかったよ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】私は悪い父と母の、娘だった。かつてのお人形は救われたのでしょうか?

BBやっこ
大衆娯楽
以前とガラっと変わった生活。 わたしは、パパとママの隠していたお人形を見た。 店の倉庫、奥の部屋。代わって祭事に出席してあげると、わたしは健康で過ごせるんだって。 お人形を投げて、倒すのもワザワイを払うためでパパとママがやってた。 秘密にしないといけないお人形。悪いものを代わってもらえて、わたしたちは幸せになる。 …そう教わったとおりではなかったと分かったのは成長してからだった。※序盤、むなくそ悪い展開注意

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

ぽっちゃりOLが幼馴染みにマッサージと称してエロいことをされる話

よしゆき
恋愛
純粋にマッサージをしてくれていると思っているぽっちゃりOLが、下心しかない幼馴染みにマッサージをしてもらう話。

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

処理中です...