626 / 1,109
第二幕
ところでさ、はっきり言うけど、出版社とかと契約している漫画家や作家にとっての読者は、<お客さん>じゃないんだよね。誰と契約しているかを考えて
しおりを挟む
ところでさ、はっきり言うけど、出版社とかと契約している漫画家や作家にとっての読者は、<お客さん>じゃないんだよね。
誰と契約しているかを考えてみれば分かるじゃん。出版社と契約している漫画家や作家が契約している相手は、あくまで出版社なんだよ? 別に、読者と売買契約を結んでるわけじゃないんだよ? 読者と売買契約を結んでるのは出版社だよね?
つまり、<読者がお客さん>なのは出版社であって、漫画家や作家にとって読者は<お客さん>じゃないんだよ。
てことはさ、
『読者は客なんだから、客の言うことに従うのは当たり前だ!』
ていう理屈に従うっていうのは、それ、騙されてるんだよ。
出版社と契約せずに直接読者と売買契約をしている場合は、なるほど<読者=お客さん>かもしれない。でもさ出版社と契約して出版社から依頼を受けて、出版者が望んでいるものを提供してる漫画家や作家にとってのお客さんは出版社であって、用意した原稿に出版社の方がOKを出したんなら、漫画家や作家はもうその時点で責任を果たしてるんだよね。
読者=お客さんのニーズを読み切れなかったんだとしたらそれは出版社の責任だよ。出版社が指示するものを出してそして出版社がOKを出したんだから、それが実際に売れるかどうかは漫画家や作家の知ったことじゃない。
それが本来だよね。なのに出版社が、『自分達は責任を負いたくないから』ということで、作品が売れないのを漫画家や作家のせいにしてるんだとしたら、これはもう完全にただの<卑怯>だよね。
だけど同時に、漫画家や作家の<矜持>として、出版社が求めてきたものを上回れる作品をお出しできなかったことに対して悔しいと思うのなら、それは立派な心掛けなんじゃないかな。
大体さぁ、出版社や編集者の言ってる通りのものをお出ししてそれに対して出版社で編集者がOKを出したのに売れなかったんならそれって結局出版社や編集者に見る目がなかったということじゃん。
それに同じ編集者がついてたのに大ヒットする作品とそうじゃない作品があるというのは、結局出版社や編集者が要求してきたの以上のものを漫画家や作家が作ってきたからじゃないの?
そういう意味では漫画家や作家の才能や能力が必要だということ自体は、まあ、変わらないんだろうな。だから私が大ヒットを飛ばせないというのは、なんだかんだ言ってもそういうことなわけだから、出版社や私の担当編集であるさくらのことを恨むつもりもないんだけどさ。
誰と契約しているかを考えてみれば分かるじゃん。出版社と契約している漫画家や作家が契約している相手は、あくまで出版社なんだよ? 別に、読者と売買契約を結んでるわけじゃないんだよ? 読者と売買契約を結んでるのは出版社だよね?
つまり、<読者がお客さん>なのは出版社であって、漫画家や作家にとって読者は<お客さん>じゃないんだよ。
てことはさ、
『読者は客なんだから、客の言うことに従うのは当たり前だ!』
ていう理屈に従うっていうのは、それ、騙されてるんだよ。
出版社と契約せずに直接読者と売買契約をしている場合は、なるほど<読者=お客さん>かもしれない。でもさ出版社と契約して出版社から依頼を受けて、出版者が望んでいるものを提供してる漫画家や作家にとってのお客さんは出版社であって、用意した原稿に出版社の方がOKを出したんなら、漫画家や作家はもうその時点で責任を果たしてるんだよね。
読者=お客さんのニーズを読み切れなかったんだとしたらそれは出版社の責任だよ。出版社が指示するものを出してそして出版社がOKを出したんだから、それが実際に売れるかどうかは漫画家や作家の知ったことじゃない。
それが本来だよね。なのに出版社が、『自分達は責任を負いたくないから』ということで、作品が売れないのを漫画家や作家のせいにしてるんだとしたら、これはもう完全にただの<卑怯>だよね。
だけど同時に、漫画家や作家の<矜持>として、出版社が求めてきたものを上回れる作品をお出しできなかったことに対して悔しいと思うのなら、それは立派な心掛けなんじゃないかな。
大体さぁ、出版社や編集者の言ってる通りのものをお出ししてそれに対して出版社で編集者がOKを出したのに売れなかったんならそれって結局出版社や編集者に見る目がなかったということじゃん。
それに同じ編集者がついてたのに大ヒットする作品とそうじゃない作品があるというのは、結局出版社や編集者が要求してきたの以上のものを漫画家や作家が作ってきたからじゃないの?
そういう意味では漫画家や作家の才能や能力が必要だということ自体は、まあ、変わらないんだろうな。だから私が大ヒットを飛ばせないというのは、なんだかんだ言ってもそういうことなわけだから、出版社や私の担当編集であるさくらのことを恨むつもりもないんだけどさ。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
【完結】私は悪い父と母の、娘だった。かつてのお人形は救われたのでしょうか?
BBやっこ
大衆娯楽
以前とガラっと変わった生活。
わたしは、パパとママの隠していたお人形を見た。
店の倉庫、奥の部屋。代わって祭事に出席してあげると、わたしは健康で過ごせるんだって。
お人形を投げて、倒すのもワザワイを払うためでパパとママがやってた。
秘密にしないといけないお人形。悪いものを代わってもらえて、わたしたちは幸せになる。
…そう教わったとおりではなかったと分かったのは成長してからだった。※序盤、むなくそ悪い展開注意
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる