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第二幕

これも何度も言うけどさ。人間はね、人間の親から生まれる限りは何をどう転んだって人間なんだよ。知能が高いとか低いとか関係ない。責任能力があると

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これも何度も言うけどさ。人間はね、人間の親から生まれる限りは何をどう転んだって人間なんだよ。知能が高いとか低いとか関係ない。責任能力があるとかないとか関係ない。人間は人間しか生まないんだよ。

当たり前じゃん。生まれたのが人間じゃなかったら、それは翻って、

『親が人間じゃなかった』

ってことでしかないんだよ。

冷静によ~く考えてみなよ。その利口な頭でさ。

『歴史上、人間はいつから人間だったのか?』

ねえ? いつから人間になったのさ? 石器時代? 土器時代? 法律って概念が生まれる前は人間は人間じゃなかったっての? 

ねえ? ねえ!?

『人間とは何か?』

ってのを論じるってんなら、そういうところから考えなきゃおかしいでしょ?

『法律上で人間かどうかってのを論じてるだけだ! 論点を逸らすな!』

って? はあ? 『法律上で人間かどうかってのを論じてるだけだ』って言うのなら、

『法律上で人権を保障されてる限りは人間です』

で終わっちゃう話じゃん。それが気に入らないのなら法律で人間かどうかを決めるわけじゃない国にでも移住したらどうなの? ってことになっちゃうじゃん。

『人間だって言うなら、権利だけじゃなく義務だって発生するはずだ!』

とか言うかもだけど、だからその理屈がもう根本的に成立しないっての。法律云々以前に人間は人間なんだから。

『権利を持ち義務を果たすからこそ人間だ』

なんて理屈は成立しないの。そんな風にして自分勝手な解釈で他所様の家族の命の価値を決めようとかするのがいるから<人権>ってのを法で保障して勝手に危害を加えられないようにしたのが、今の人間社会なの。最初に、

『人間は人間である』

っていう大前提があって、法律はそれを理屈の上で補足してるだけ。そうじゃなきゃ、法律が存在する以前は人間は人間じゃなかったってことになっちゃうでしょうが。

なんでそんな簡単なことも分からないの? 自分はお利口だって言うんならさ?

『責任能力がない奴が事件を起こして裁かれないのはおかしい!』

とか言うかもだけど、あのね? それ言っちゃあ、寝たきりでそもそも事件なんか起こしようのない人には、責任能力があるとかないとか、それこそ関係ないじゃん。

法律を盾にして詭弁を弄して自分にとって都合の悪い相手を貶めようとするような輩のために法律はあるんじゃないんだよ? なんでそんなことも分かんないのさ?

それにさ、責任能力がないってなったら当人は刑事責任は問われなくたって、民事で周囲の人間は監督責任を問われたりもするんだよ。

その辺りの不備を論じるってんならまだ分からないでもないけど、『何をもって人間とするか?』って話だったら、法律が生まれる以前から人間が人間だった以上は、法律は関係ないっての。

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