上 下
604 / 1,109
第二幕

人間はね、創作が好きなんだよ。神話なんてそれこそ大昔の創作じゃん。しかも神話とかで描かれるのって、たいていが陰惨な話だったよね? 殺し殺され

しおりを挟む
人間はね、創作が好きなんだよ。神話なんてそれこそ大昔の創作じゃん。しかも神話とかで描かれるのって、たいていが陰惨な話だったよね? 殺し殺され浮気も不倫も凌辱だってやりたい放題。それをやめろって? そんなの、

『宗教をすべて禁止しろ』

っていうぐらいに困難なことだと思うけどね。だって、<宗教>がもう、創作じゃん。そういう人らは創作がなくちゃ生きていけないレベルなんじゃないの? 自分達が信じてる創作のために命だって投げ出すような人達もいるんだよ? それをどうやって禁止するって?

しかも、

『神がそれを望まれるから』

って思えば簡単に人だって殺す。そんな人達相手に何ができるって? 

私にはできないし、やるつもりもない。したいとも思わない。私にできるのは、自分の子供達に、

『神様の所為にして誰かを傷付けるような人にはならないようにする』

ことだけだよ。私の子供達は、現実と創作の区別はついてる。創作を理由に誰かを傷付けようとは思わないし、そんなこと私が許さない。

俳優がドラマや映画で悪役や嫌われ役を演じたからって、汚らわしい役を演じたからって、それを理由に攻撃したりしないしさせない。

そんなことをしてる人達の親はどうしてそれをやめさせないの? 自分がこの世に送り出した子供がくだらない理由で誰かを攻撃してるのをやめさせないような親が、

<立派な親>

だっての? ちゃんちゃらおかしいよね。

どうしてそんな、現実と創作の区別もつけられないような人に育っちゃったんだろうね。

親が教えてくれなかったから?

そういう人らがもし、

『他人の所為にするな!』

『親の所為にするな!』

とか言ってたら、

『誰かが気に入らないことをした。とか、そんな風に他人の所為にするのはやめたら?』

『親が現実と創作の区別の付け方も教えてくれなかったんだとしても、親の所為になんてしてないで自分でわきまえられるようになったらどうなの?』

としか思わないけどな。

私は親だから、自分の子供がちゃんと現実と創作の区別が付けられるようにしなきゃと思ってたよ。そして実際、区別が付けられるようになった。

私みたいなダメな親でもできることができない親がいるっていうのは、どういうことなの?

って言ったら、キレる?

分かってるよ。自分ができるからって他の人も同じようにできるとは限らないってこともさ。でも、

『自分と他人は違う』

のを認めてもらいたいなら、他の人が自分とは別の人間だってことも認めなきゃダメなんだよ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【完結】私は悪い父と母の、娘だった。かつてのお人形は救われたのでしょうか?

BBやっこ
大衆娯楽
以前とガラっと変わった生活。 わたしは、パパとママの隠していたお人形を見た。 店の倉庫、奥の部屋。代わって祭事に出席してあげると、わたしは健康で過ごせるんだって。 お人形を投げて、倒すのもワザワイを払うためでパパとママがやってた。 秘密にしないといけないお人形。悪いものを代わってもらえて、わたしたちは幸せになる。 …そう教わったとおりではなかったと分かったのは成長してからだった。※序盤、むなくそ悪い展開注意

ぽっちゃりOLが幼馴染みにマッサージと称してエロいことをされる話

よしゆき
恋愛
純粋にマッサージをしてくれていると思っているぽっちゃりOLが、下心しかない幼馴染みにマッサージをしてもらう話。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

処理中です...