私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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さすがにまあ、『自分は他人を傷付けてもいいけど他人が自分を傷付けようとするのは許さない』なんて甘ったれたことが本気で通用するとは思わないよね

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さすがにまあ、

『自分は他人を傷付けてもいいけど他人が自分を傷付けようとするのは許さない』

なんて甘ったれたことが本気で通用するとは思わないよね? でも、本気で思ってそうなのもいるけどさ。

どう考えたってそんなことが成立するわけないと、論理的に考えたら分かりそうなのになあ。

思うだけなら勝手だけど、成立はしないでしょ。世界は自分のために存在してるわけじゃないんだし。

しかし、誰がそんな考え方を学ばせたんだろうね? <考え方>ってもの自体、学習しなきゃ身に付かないよ? 私やさくらの子供達なんて、覿面に、私とダンナ、さくらとさくらのダンナの考え方のミックスだしさ。

まあ、さくらのダンナはさすがにちょっとエキセントリックが過ぎるから、そっちの要素は薄めだけど、

『他人が何言ってたって我が道を貫こう』

って姿勢は、さくらのダンナの影響が強いと思う。

さくら自身も本質的にはそういうタイプなんだけど、なんだかんだ言ったって<調和型>だからね、彼女は。だから編集者なんてやってられるんだろうけど。

うちは、私が<我が道を行く型>で、ダンナが<調和型>かな。表面上は。

もっとも、深い部分での本質は逆かもしれないけどさ。なにしろダンナって、<鷹揚>を絵に描いたようなタイプだし。他人に何言われたって動じないし。

ま、そうじゃなきゃいけない事情もあるんだけどさ。

いずれにせよ、私はね、自分の子供達が他者を傷付けようとすることを容認しない。たとえどんな理由があろうとも。他者を傷付けようとすることは、結局、自分に返ってくるからさ。

他者を傷付けまくった挙句に反撃される前に『はいさよなら』といなくなれるのがどれだけいると思うの? そんな生き方が幸せだと本気で思うの? 本気でそんなこと思うなら、何のために生まれてきたの? <社会の敵>になるために生まれてきたっての?

他者を傷付けておいて、命まで奪っておいて、

『自分は悪くありません』

とか言い張ってるのがどんな風に思われてるのか、ものすごい分かりやすい事例が世の中には転がってるよね? そういう生き方が理想なの?

少なくとも私はそうは思わないし、私のダンナも、私の子供達も、さくらも、さくらの子供達もそうじゃないよ。

自分の大切な相手には幸せになってほしいと素直に思えるし、そのためなら努力したいとも思える。だから他人を傷付けて自分の大切な人が傷付けられるようなことはしたくないって思えるんだよ。

自分は傷付けるつもりはないけど結果的に傷付けてしまうことだってあるじゃん。それなのにさらにわざと傷付けるって、意味分からないよ。

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