私が異世界物を書く理由

なんて言うかさ、＜普通＞って言葉、私には＜呪い＞にしか思えないんだよね。よく、＜普通の親＞って言われるじゃん？ とんでもない事件を

なんて言うかさ、＜普通＞って言葉、私には＜呪い＞にしか思えないんだよね。

よく、＜普通の親＞って言われるじゃん？　とんでもない事件を起こした人の親について、

『親は普通の人なのに』

みたいにさ。

だけど、私はこの言い方に対して違和感しか覚えない。自分が親として子供達を見てると、自分の子供が他人の平気で傷付けられるような人間になってるのに気付かないとか、それが＜普通＞って言っちゃっていいの？　＜普通の親＞は、自分の子供がそんなのでも気付かないの？

それが＜普通＞なの？　じゃあやっぱり、＜普通＞なんて言葉、ロクなもんじゃないじゃん。自分の子供が他人を平気で傷付けられるようなのになっちゃってても放置しておくような親で＜普通＞になれるんならさ。

どうしてそれに気付かないのか、気付けないのか、私自身の経験からはまったくピンとこないよ。子供達が普段と違う表情とか声の調子だったら私は放っておかないし放っておけないよ。

それを放っておくとか、何のために子供をこの世に送り出したのか分からない。自分の子供を犯罪者として世に放って他人を不幸にするために生んだの？

そのレベルで意味不明だよ。

しかも、自分が放置してたからそうなったのに、

『子供が勝手にそんな人間になった』

って＜子供の所為＞にして被害者ぶるの？

私はそんなことしたくもないけどな。

とは言え、これも何度も言ってきたように、事件が起こってから加害者本人やその親を批判したって遅いんだよね。

『悪いことをした奴を叩くことで悪いことだって世の中に知らしめなきゃだめだ！』

とか言うかもしれないけど、いやいや、それを＜悪いこと＞だとそんな形で知らされなきゃ分からないとか、それ、おかしいよね？　そんなことも言われなきゃ分からないような人なの？　って話だよね？

もっとも、そんなことを言ってる私自身、自分の両親がいかにおかしいか、小説に出逢うまでは実は分かってなかったけどさ。

だけど私の子供達は、他人に言われるまでもなく分かってるよ？

それはつまり、やっぱり親がちゃんと教えてないってことだよね？

事件なんか起こしたら自分の親も不幸になることくらい分かるだろうに事件を起こすってことは、不幸になっても構わないような親だったってことだよね？

そういうことが分かるのに、自分が親としてちゃんとできてるかどうか考えもしない親が＜普通＞って、おかしくない？

そんな風に考えるとさ、＜普通＞って言葉、

＜怠慢を覆い隠すための詭弁＞

でもあるよね。