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人間ならそれを『酷い!!』と憤るところだろうけど、ロボットである彼女は、その事実を淡々と受け入れ、『その上で人間の幸福に資するには

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今、自分がいるのが<異世界>なんかじゃなくて惑星<ホーリィブライト>だと推測した彼女は、今度は<エンディガ>について詳細にデータを集め始めた。

そのためにも、積極的にエンディガと戦う。

<決死隊>のメンバーももちろん戦うんだけど、正直、彼女がいれば事足りた。それに<決死隊>の存在自体、国王が彼女につけた<監視役>だったしさ。戦力としては計算に入ってなかったんだよね。

彼女もそれは分かってて受け入れたんだ。

ただし、彼女を慕って志願した女の子二人は、それを知らなかった。どこまでも純粋に彼女の役に立ちたくて参加しただけだった。

そんな二人がいるからこそ、彼女は全力で戦った。だけど、人間を守りながら大型のエンディガの群れと戦うのはさすがに過酷で、結果、彼女は左腕を失う。

「ごめんなさい……ごめんなさい……!」

自分達が足手まといになったから彼女が左腕を失ったと感じた女の子達は謝るんだけど、

「左腕欠損による戦闘力の低下は、三パーセント未満です。大きな問題ではありません」

ロボットゆえに痛みを感じない上に、実際に戦闘で四肢が欠損したとしても作戦を遂行できるように作られている彼女にとっては、本当に大した問題じゃなかった。足も非常に起用に動き、手とそれほど変わらないくらいに使えるしね。

ただ、それでも、稼動限界までの時間の九割を使い果たした彼女は、いよいよ結果を出さないといけないと感じ始めてた。

そしてこれまでに集めたエンディガのデータから一つの推論を立てる。

『これは、惑星ホーリィブライトの入植者達の人口が増えすぎないように意図的に用意された<機構>の可能性が高いですね』

と。

そう。惑星ホーリィブライトに入植した人間達の中でも管理を行う立場の人間達が、かつて地球で起こった人口爆発を未然に防ぎ、

<人間らしい暮らし>

を守るための<調整機構>としてわざと用意したものだったんだ。かつ、倒したエンディガの体は食料や油といった<資源>にもなる。

人間ならそれを『酷い!!』と憤るところだろうけど、ロボットである彼女は、その事実を淡々と受け入れ、

『その上で人間の幸福に資するにはどうすればいいのか?』

というのを考えるんだ。

正直、今の人間の戦力では、どう足掻いても積極的に攻勢に出てエンディガを殲滅することは不可能。だからやはり、無理に今の世界を広げるのではなく、守りを固めて被害を減らしつつ<資源としてのエンディガ>を有効活用することを考えるんだよね。

結局それが、最も現実的な対処法だから。

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