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<現実>と向き合わずに自分の思い通りになるなんてのは、それこそ、『異世界に転生してチート能力をもらって何もかもが

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私は、ダンナと普段からいろんなことを話し合ってる。そうして共通認識を確立してる。

『子供は親とは別の人格を持つ独立した存在である』

とか、

『子供が親に対して『生んでください』とお願いしたという事実はない』

とか、

『生んだ子供を育てるのは親の義務である』

とかさ。私だけがそう思ってるんじゃなくて、ダンナもそう思ってるんだ。そう思うようなダンナだから、私は彼と一緒に生きることを選んだ。これがもし、私の両親と同じような考え方をしてたりしたら、絶対に結婚してない。

結局、そうなんだよね。『子供は親とは別の人格を持つ独立した存在である』。『子供が親に対して『生んでください』とお願いしたという事実はない』。『生んだ子供を育てるのは親の義務である』っていう<現実>と向き合わずに自分の思い通りになるなんてのは、それこそ、『異世界に転生してチート能力をもらって何もかもが主人公の都合よくことが運ぶ』ってくらいの<夢物語>なんだよ。

現実世界で実現するには、最初の一歩からしてもう破綻してるんだ。実際の親子の問題を紐解いても、だいたいどれかが原因になって揉めてるじゃん。

生まれてくるのは犬でも猫でもない。人間なんだ。人間としてどういう態度を取ったら相手から不評を買うか、信頼を失うか、分かるじゃん。あからさまに相手から反感買うやり方やっといて『自分はこんなに努力してるのになぜ!?』とか、もはやギャグだとしか思えないよ。

自分の上司がどんなのだったら嫌? どんなのだったら信頼できない? どんなのだったら『こいつ、早く死なねーかな』って思う? 

<生んでやった恩>とか<育ててやった恩>なんてのが幻想に過ぎないっていう現実を認めて、その上で、『自分の上司がどんなのだったら嫌? どんなのだったら信頼できない? どんなのだったら『こいつ、早く死なねーかな』って思う?』ってのを考えてみたら、親の普段のどんな態度が子供からの信頼を損ねてるか、分かるんじゃないの?

私はね、自分の両親のどこにムカついてたかを、徹底的に文章に書き起こしてきたんだ。それこそ、小学校の頃から。ノートにびっしり書いて、中学を卒業するまでには十冊くらいになってたと思う。

当時は、両親が歳を取ってから私に頼ってきた時に、

『これだけの理由があるから、私はあなた達の面倒なんか見ません!!』

って言って叩きつけてやろうと思って書いてたっていうのもあった。

でもさ、そんなことしたって実際には何の問題も解決しなかっただろうなっていうのが今なら分かるよ。

そんなことより、自分が両親と同じことをせずに済むように活かした方がずっと自分のためになると思ったんだ。

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