私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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元より、<感情>ってもんには、<素直に表に出していい感情>と、<素直に表に出しちゃいけない感情> があると思うんだ

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それでもなお、

『感情は抑えておけるもんじゃないだろ!?』

って言うのなら、それはもう、やらかさずにいられない人間のことを批判できないと思うよ。

あれってまさに、

<抑えておけない感情>

の発露だろうしさ。

元より、<感情>ってもんには、

<素直に表に出していい感情>

と、

<素直に表に出しちゃいけない感情>

があると思うんだ。

<他人を罵らずにいられない感情>

は、たぶん、後者に属するだろうね。

『どんな感情や衝動にでも素直になるべき』

とか言うんならさ、

りたいんだろ? 自分の気持ちに正直になれよ』

みたいに言われて正直になるのが正しいの?

ねえ? 正しいと思うの?

私は一ミリも正しいとは思わないから、

『他人を罵りたいという気持ちに正直になる』

ことも、正しいとは思わない。

それはどっちも、

<他者への攻撃>

だから。

<攻撃>すれば、当然、<反撃>もあるって思わなきゃおかしくない? リスクがあるって思わなきゃおかしくない? 自分だけが一方的に他人を攻撃して許されるとか、どこの、

<ご都合主義で出来上がった異世界>

だよ。

相手から反撃されず、誰からも批難されず、ただただ自分だけが一方的に好きに攻撃できるとか、有り得なくない?

相手が犯罪者とかだからって一方的に罵れると思うこと自体が、<卑怯>ってもんだと思うけど?

だって、自分が犯罪者だと思って滅茶苦茶に罵ってた相手が<無実>だったらどうすんの?

昔もあったよね? すごい有名な事件で、まるで容疑者のように報道されて世間からも袋叩きにあった人が、本当にただの被害者の一人だったってことが。

そこからなにも学んでないじゃん。

だけど、ここまで言ってもやめられない。

どうにかして自分を正当化して罵り続けようとする。

その姿勢そのものが、

『他人を罵ったところで暴走を止めることなんてできない』

っていう何よりの証拠なのにね。罵られた方も、とにかく謎の理論をこねくり回してでも自分を正当化して続けようとするだけって証拠じゃん?

だからさ、そんな無駄なことをしてる暇があるなら、自分の身近な人のことをちゃんと見てあげてほしいんだよね。

その方が確実に、<被害>を未然に防げる可能性がある。微々たる可能性だとしても。

見ず知らずの赤の他人を罵るだけで事件を未然に防げるって言うのなら、それこそ自分の身近な人を止めることができるはずじゃん?

むしろできなきゃおかしいじゃん?

翻って、自分の身内すら止められないのなら、他人を止められるはずがないじゃん。

ましてや、どこの誰かも分からない赤の他人なんてさ。

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