私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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そんなに自分の責任から逃れたいの?

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私はね、自分の子供達が他人をイジメるような人間にしないことに成功してるからこそ、親の影響を実感してるんだよ。親である自分の接し方で子供達の様子が変わるのを、赤ん坊の頃からずっと確認してきたんだ。

『人間は人間に大きな影響を与える』

そんなの、分かりきってることじゃん。

むしろそれを否定する意味が分からない。ましてや親が子供に影響を与えないはずないでしょうが。

なんでその現実から目を背けようとするんだろうね。そんなに自分の責任から逃れたいの?

そんな親を、子供は、どうやって尊敬したらいいの? 

自分の勝手でこの大変な世の中に送り出しておいて、その上、責任からも逃れたいとか、ほんっと意味が分からない。

親だって人間だから、上手くできるかどうかは分からないし、失敗することだって当然あるとは思う。でもさ、最初っから逃げる気満々ってのは、マジでどうなのよ?

私はそんなの、欠片も信用できないし尊敬もできないよ。

子供の様子をしっかりと見てれば分かるよ。親である自分の態度一つで、子供が攻撃的になったり穏やかになったりするのがさ。

中には、他人のそういう精神状態の変化を理解できない人もいたりするかもしれないけど、両親が揃って<他人の精神状態の変化を理解できない人>だとしても、だったら周囲の人を頼ってでも、周囲の人に代わりに見てもらってでも、確認するべきじゃないの? 

あと、忘れちゃいけないのは、子供が他人を攻撃するような人間になるかどうかに、<躾>は関係ないから。躾で何とかしようとしても、そんなの、子供の方が上辺を取り繕うだけでいくらでも誤魔化せるから。

だからこそ、何か事件があった時に、

『まさかあの人が』

とか、

『あんなにいい子だったのに』

とかいうコメントが出てくるんでしょ? 上辺だけでいい人ぶってた、いい子ぶってた、ってのができちゃうから。

上辺だけの態度や外面は、まったくあてにならないんだよ。

そんなの、普通に人生を送ってきたっていくらでも経験してきてるはずじゃん?

それこそ小学校の頃の同級生が、教師の前じゃいい子ぶってるのにその裏じゃ実は、なんてのも見てきてるんじゃないの? それを考えたら、子供が口煩い親の前じゃいい子ぶってあれこれ言われないようにするぐらいのことできるって分かるじゃん。

<躾>じゃ、子供の<裏の顔>まではどうにかできないんだよ。

むしろ、

『自分はちゃんと子供を躾けてる』

とか考えて子供の本性にまで目を配らない親なんてちょろいちょろい。

だから私は、子供の<上辺の顔>じゃなくて、ふとした拍子に透けて見える<子供の本音>を見ようと思うんだよ。そして同時に、

<他人を攻撃せずにいられない理由>

を作らないようにするんだ。

<他人を攻撃せずにいられない理由>を作らなきゃ、子供の裏の顔とか関係ないからね。

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