私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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スーパーヒーロー

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『主人公がたとえチート持ちでも異常に強くても、その強さに説得力があれば』

みたいなこともよく言われるけど、いやいや、フィクションみたいに途轍もないことをやってのける時点で、<リアルさ>なんかないよ。現実世界でそんなのいないじゃん。

<スーパーヒーロー>は、現実にはいないじゃん。

だから、フィクション内の主人公の強さとかに説得力があると感じるかどうかさえ、<個人の主観>でしかないんだよ。どの程度の描写があれば、どんな描写があれば、それに説得力を感じるかそのものが、読む側観る側の感性次第なんだよ。

だから、読む側観る側すべてが納得のいく描写なんて、描けやしないんだ。

結局、それをいい塩梅と感じる人にだけ受け入れてもらえればいいと、割り切るしかないんだよ。

それでも、商業として作品を送り出してる側は、なるべく多くの読者や視聴者に受け入れてもらえるものをと考える必要がある。<商品>が売れないことには商売にならないからね。

だけど今の世の中は、本当に<好み>が千差万別になってきて、

と言うか、娯楽の種類自体がものすごく増えてきたから、そういう意味でも好みが分散しちゃってるんだと思う。となると、それこそ<社会現象>的な売れ方をするものを狙って作るのはますます難しくなってるんだろうな。

作る側としては、当然、それを狙うけど、その狙いが当るかどうかは、半ば運次第という部分も大きいという印象がすごくある。

だってそうじゃん? めちゃくちゃ売れてる作品さえ、

『何が面白いのか分からない』

『ごり押しで売れただけだろ』

『案件だな』

みたいなことを言って貶すのが多いじゃん。現に売れてるのにさ。

自分の好みに合わないのが売れてるという現実を認めたがらないじゃん。

そんなに自分の感性が<グローバルスタンダード>的に世の中に認められるものだと思いたいの?

自分こそが<標準木>だと思いたいの?

それって、完全に<承認欲求>そのものだよね?

だけど私は、自分が面白いと思ったものは、他人がどう言おうが知ったこっちゃないんだよね。

百人中九十九人が『つまらない』と言ったところで、私にとって面白ければそれは『面白い』んだよ。

そういう<開き直り>と言うか、明確な<自我>があれば、他人が何を言ってても、

『我が道を行く』

を貫けるのにね。

そして、本当に『我が道を行く』のなら、他人の好みに対しても口出しなんかすることもないはずなんだ。

自分には関係ないことだから。

だけど、今回の主人公には、それができないんだよね。

結局、自分に対する他人の評価とか気にしちゃって、

『自分を評価しないものには価値がない!』

って考えるようになっていくんだ。

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