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人間なんだから完璧にはできない

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こう言うとさ、すぐに、

『親だって人間だから!』

って話にしようとするのがいるんだけど、それを言うなら、

『子供だって人間だから、何でもすぐに完璧にできるわけないじゃん。どうしてそれを認めないの?』

って話になるんだよね。

しかも子供は、経験が圧倒的に不足してるから、当然、大人と同じようにはできない。これも、人間だから当たり前のことじゃん。

自分は『人間なんだから完璧にはできない』って甘えるなら、子供が甘えるのを許さないのは、おかしいじゃん。

子供に完璧を求めるなら、子供より経験を積んできてる大人は、親は、それこそ完璧でなきゃおかしいじゃん。

なのに、実際には、『相手を敬う』ってことさえできない大人の多いこと。

セクハラやパワハラをはじめとした<ハラスメント>をする人は、相手を敬ってないからそんなことができるんだよね?

他人を汚い言葉で罵る人も、『他人を敬う』ってことができないからそんなことをするんだよね?

相手を敬う姿勢を持ってたら、たとえ批判する時でも、言葉を選ぶくらいのことはするんじゃないの? 蔑称を使って相手を貶めようとしたりしないんじゃないの?

だけど、私がこんな風に言ったって、他人を敬う姿勢を見せてこなかった人が急に考えを改めるわけないよね。

『綺麗事言うな!』

って反発されるのがオチだよね。

だから当然、親や大人に対する不信感を募らせた主人公も、魔法の才能を見出されたことで普通は貴族しか通えない学校に通うことになるんだけど、そこでもやっぱり、人間の好ましくない部分を目の当たりにすることになって、反発を強めていくんだよ。

いくら魔法の才能は飛び抜けていても平民である主人公は、周囲からの好奇の目や妬みや嫌悪を向けられることになって、ますます人間不信を募らせていくって形でね。

だって、学校でも教師達が、生徒に、正義礼節を説いているのに、実際にはほとんど誰もそれが身に付いてないんだもんね。

礼儀礼節をわきまえていたら、他人に露骨な好奇の目を向けたり妬んだり嫌悪を向けたりするわけないじゃん。教師達がいくら口先でそれを説いても、実際にはほとんど何も届いてないんだよ。

こういう時、主人公に対して、読者とかからも、

『教師は人としての道を教えてくれてるじゃん。それを、周囲の所為にして勝手に人間不信を拗らせる主人公が悪いんだろ!!』

みたいな意見が出るけどさ、教師の教えが届いてないのは主人公だけじゃないよね? 教師の教えを蔑ろにしてるのは、他の生徒も同じじゃん。そっちはどうしてスルーなの? 

主人公みたいな才能を持たない、他のモブ生徒の方に自分を投影しちゃうから?

自分に才能がないからって、才能を持つ者を露骨に妬んで嫌悪して嫌がらせするって、やっていいことなの?

自分に才能がないのは、自分自身の問題じゃん。それを、主人公が才能を持ってる所為に、<他人の所為>にして、一方的に八つ当たりするのは普通のことだから許される的なのは、おかしくない?

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