私が異世界物を書く理由

京衛武百十

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毅然とした態度

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他の生徒や職員を守るために、暴れる生徒を押さえ付けて制圧するのは、あくまで<緊急避難の一種>であって<罰>じゃないんだよ。

だからそれは<体罰>にはあたらない。

教師や教頭や果ては校長までそれを理解してなかったりもするみたいだけど、だから、

『体罰が禁止されたら毅然とした対応ができない』

とか思ってるみたいだけど、ちゃんと区別はされてるんだ。

もし、暴れてる生徒が、

『俺らに手を出してみろよ! 体罰されたって訴えてやるからな!』

とか言ってきたとしても、そんなのは、<脅し>として成立してないんだよ。

まあもっとも、教育委員会とかまでがちゃんと理解してなかったら、ごちゃごちゃ言われたりはするかもだけどさ。でもそれは、大人のクセに、専門家のクセに、制度を正しく理解してない教育関係者側の問題だよね。

制度を正しく確実に運用しているなら、それを理解してない人らから何言われたって突っぱねればいいだけじゃないの? そういうのこそを、

<毅然とした態度>

って言うんじゃないの?

体罰が使えないから毅然とした態度が取れないんじゃなくて、そもそも毅然とした態度が取れないから体罰に頼ろうとするんでしょ?

順序が逆なんだよ。

私はね、体罰にはまったく頼ってない。子供達に対して体罰でどうにかしようとは思ってない。

私は<親>なんだ。子供達より圧倒的な<強者>なんだよ。本来は。

仕事をして家庭を維持し、子供達を養うことができる。

もうそれだけで親は子供とは比べ物にならないくらいに立場が上なんだ。

たとえ、

『子供を一人の人間として敬う』

ことをしたって揺らがないくらいに親の方が強いんだよ。

<友達親子>って言葉が一時期流行ったみたいだけど、それは有り得ない。親子は<友達>じゃない。

だってそうでしょ? <友達>は相手を勝手にこの世に送り出したりしないし、一方的に責任を負うこともないし、養うこともしないじゃん。まあ、中には『友達を養ってる』っていう珍しい例もあったりするかもだけど、でもそんなのは一般的じゃない。そもそも養ってたらそれはもう<友達>じゃなくて<扶養者と被扶養者>じゃないの?

まあ、<内縁関係>に近いよね。

って、話が逸れちゃうな。これじゃ。

とにかく、他人に高圧的に接しないようにするのと、犯罪に対処できないのとは、別に一致しないんだよ。

だから、女の子を人質にして立てこもった主人公は制圧され逮捕され、司法によって裁かれることになるんだ。



なのに、何を怯えてるのか知らないけど、子供に対して強権をかざして高圧的に振る舞わないと負けるとか思ってる親もいるみたいだね。

『体罰が使えなきゃ毅然とした態度も取れない』

とか思い込んでる学校関係者と同じだよ。

情けない。

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