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プロ作家っていう肩書

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自分が面白いと思えるものを作れる人だけが業界に残ってくれたらいいとか思ってるのかもだけど、何度も言うように、人によって<面白いと感じるもの>は違うんだよ。

つまり、自分が面白いと感じるものを作ってくれる人に対しても、難癖付ける人は必ずいるってこと。

そうなると、当然、

『自分が面白いと思えるものを作れる人だけが業界に残る』

とは限らない。

『こんな奴は業界に置いてちゃいけない!!』

みたいな、いわゆる<義憤>のつもりでやってる人もいるかもだけど、それを正当化するなら、自分が面白いと思えるものを作ってくれる人をそういう風に叩く人がいるのも認めなきゃいけなくなるよ?

だから、

『自分が面白いと思えるものを作れる人だけが業界に残ってくれたらいい』

とか考えて叩いてたら、自分が面白いと思うものを作ってくれる人まで業界を去っちゃったりする可能性があるってこと。

こんなことでアニメや漫画や小説やゲームの質が上がると本気で思うの?

『たくさんの視聴者や読者やユーザーが『許せない!』と思うような奴はいなくなるのが当然だろ!』

とか言うかもだけど、なに? 多数決で決めるべきってこと? 

それだと、サッカーや野球やテニスとかメジャーなスポーツの関係者やファンが、

『アニメとか漫画や小説やゲームみたいなくだらないものに金を掛けるのは許せない! そんなところに掛ける金があるならスポーツの推進に回すべき!!』

とか言ったらそれを認めなきゃいけなくなるよ? 

実際、アニメや漫画や小説やゲームのファンの数より、まだまだメジャースポーツの方が世界全体で見たら市場規模も大きいだろうしさ。

それに、わざわざ潰そうとしなくても、辞めさせようとしなくても、面白いものが作れなくてちっとも稼ぎにならない人なんて、放っておいても干されるのが市場原理ってものでしょ?

私が残れてるのは、大当たりはしないけど固定ファンがついてくれてて計算できる売り上げが望めるからだし。

ま、たとえ出版社から見捨てられても同人作家に戻るだけだから別にいいけどね。

だってさあ、本音言うとさ、同人の方が実入りはいいんだよ。<取り分>が多いから。

プロでもそれなりの<大御所>クラスになってくれば原稿料だけでも相当貰えるかもだけど、私クラスだと、正直、そんな大した額じゃないんだよね。

で、印税にしたって、アニメ化されたりグッズが大量に売れたりってことでもない限り、作家が貰える割合って、バカバカしくなるレベルなんだよ?

よっぽどの大ヒット作でも持ってるのじゃない限り、

<プロ作家っていう肩書>

くらいしかメリットないんじゃないの? それに拘る人には魅力的だとしても、私、そこにはそんなに拘りないし。

私と同じように考えてる創作者さんだと、叩かれてまで無理にプロを続ける必要もないだろうね。

『プロなんだから叩かれても仕方ない!!』

って理屈を認めるなら、それは裏を返すと、

『プロじゃなければ叩かれる筋合いはない』

ってことだしさ。

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