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ま、冷静な時に適切にやれればだいたい上手くいくのよ。問題はそれから
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私とアウラクレアとバンクハンマは、彼の畑の一角に立っていた。その前にはここまでで用意できた堆肥がバケツに入って置かれてる。
「取り敢えずは単純に土に混ぜてみましょう、それによって作物の発育がどう変わるかを確認して、細かい使い方を検証します」
私がそう言うと、バンクハンマはまだどこか半信半疑という感じで作付前の畑に堆肥を撒き、私とアウラクレアも手伝って土に混ぜ込んだ。
幸い、ここではウンチを魔法で処理することが完全に定着していて、処理されたそれを不潔とか不快とか認識する感覚が非常に薄れていることがいいように作用したと思う。ここで、『ウンコを畑に撒くとかできるか!!』とか言われると話が進まないからね。
しっかり適切に堆肥化されたウンチは、殆ど臭いもしないし、それこそ肥えた土のようにしか見えないものだ。処理の段階で有害な細菌はほぼ死滅ないし不活性化することで強い毒性もない。科学的に見れば決して汚くなどない。とは言え、人間の目には細菌とかは見えないから、イメージだけで『汚い』と思ってしまうんだよなあ。そしてそれが大きなハードルなのだ。
だけど本来、作物が良く育つ土というのは、生き物の死骸や排泄物が微生物によって分解されたものが大量に混じってできている。人間とて、生き物の死骸や排泄物だったものを養分にして育った作物を食べて生きているんだ。それをどう捉えるかだけの話でしかない。
これはあくまで私個人の意見だけど、いわゆる<潔癖症>の人間なんて、生物としては致命的な欠陥だと思う。この世で生きていくことすらままならない程のね。私ですら『死んだ方がマシ!』と思う、リアルな中世ヨーロッパ辺りに放り出されたらそれこそどうなるのかって、ちょっと興味がある。『他人が触れた物は触れられない』とか言うような人じゃ、それこそ数分と生きられないんじゃないかしら。
でもね、そんな中でも人間は生きてたのよ。大したものだと思うわ。
なんてことを考えてるうちにも時間は経過して、堆肥を混ぜた畑を見てきたバンクハンマは「本当に信じられん!」と声を上げた。
堆肥を混ぜていない部分との成長の差が、とんでもないものだったから。
「これが、<堆肥>ってのを土に混ぜた結果だってのか!?」
掴みかからんばかりの勢いで彼は言う。
「そういうことね」
私が応えると、彼は、興奮が収まらない感じで、
「くそっ! そうと分かればこうしちゃいられない! もっともっと堆肥を用意してくれ!」
と言った。
だけど私は、あくまで冷静だった。
「もちろん、ここの畑全部に撒けるほどの量を確保するようには考えてるけど、勘違いしないで、大量に撒けばいいってものじゃないから」
「取り敢えずは単純に土に混ぜてみましょう、それによって作物の発育がどう変わるかを確認して、細かい使い方を検証します」
私がそう言うと、バンクハンマはまだどこか半信半疑という感じで作付前の畑に堆肥を撒き、私とアウラクレアも手伝って土に混ぜ込んだ。
幸い、ここではウンチを魔法で処理することが完全に定着していて、処理されたそれを不潔とか不快とか認識する感覚が非常に薄れていることがいいように作用したと思う。ここで、『ウンコを畑に撒くとかできるか!!』とか言われると話が進まないからね。
しっかり適切に堆肥化されたウンチは、殆ど臭いもしないし、それこそ肥えた土のようにしか見えないものだ。処理の段階で有害な細菌はほぼ死滅ないし不活性化することで強い毒性もない。科学的に見れば決して汚くなどない。とは言え、人間の目には細菌とかは見えないから、イメージだけで『汚い』と思ってしまうんだよなあ。そしてそれが大きなハードルなのだ。
だけど本来、作物が良く育つ土というのは、生き物の死骸や排泄物が微生物によって分解されたものが大量に混じってできている。人間とて、生き物の死骸や排泄物だったものを養分にして育った作物を食べて生きているんだ。それをどう捉えるかだけの話でしかない。
これはあくまで私個人の意見だけど、いわゆる<潔癖症>の人間なんて、生物としては致命的な欠陥だと思う。この世で生きていくことすらままならない程のね。私ですら『死んだ方がマシ!』と思う、リアルな中世ヨーロッパ辺りに放り出されたらそれこそどうなるのかって、ちょっと興味がある。『他人が触れた物は触れられない』とか言うような人じゃ、それこそ数分と生きられないんじゃないかしら。
でもね、そんな中でも人間は生きてたのよ。大したものだと思うわ。
なんてことを考えてるうちにも時間は経過して、堆肥を混ぜた畑を見てきたバンクハンマは「本当に信じられん!」と声を上げた。
堆肥を混ぜていない部分との成長の差が、とんでもないものだったから。
「これが、<堆肥>ってのを土に混ぜた結果だってのか!?」
掴みかからんばかりの勢いで彼は言う。
「そういうことね」
私が応えると、彼は、興奮が収まらない感じで、
「くそっ! そうと分かればこうしちゃいられない! もっともっと堆肥を用意してくれ!」
と言った。
だけど私は、あくまで冷静だった。
「もちろん、ここの畑全部に撒けるほどの量を確保するようには考えてるけど、勘違いしないで、大量に撒けばいいってものじゃないから」
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