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おかえりなさい、カリン
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「おかえりなさい、カリン」
「ただいま…クレア……」
カリン商会の本社兼私の家だったそれは、老朽化もあって取り壊されていた。だけどその家があった場所に、立派な<邸宅>が。カリン商会の収益で建て直された、社屋兼私の家だって。私がいつ帰ってきてもいいように、ガーラフェイルが手配してくれていたって。
そしてその門のところで、アウラクレアが待ってくれていたんだ。
私が帰ってくることをメロエリータから手紙で知らされて。
その彼女の腕には、一歳くらいの赤ん坊が抱かれてた。しかも隣には、ちょうどキリンと同じくらいの年頃の男の子の姿が。
「この子はネローシェシカ。こっちはサンククレイス。一歳と五歳よ」
ネローシェシカ…!? そうか<お祖母ちゃん>の名前を貰ったんだ……
アウラクレアが紹介してくれると、
「こんにちは♡」
キリンが挨拶する。するとサンククレイスと呼ばれた男の子は、照れくさそうにアウラクレアの後ろに隠れてしまった。
「ごめんなさい。この子、人見知りが激しくて」
少し困ったような笑顔でアウラクレアが言った。
「いいよいいよ、うちのキリンがお転婆だから丁度いい」
そうして子供達の挨拶が済むと、アウラクレアは、私とベントの後ろにいた人影に目を向けて、
「あなたがエマね?。初めまして」
と、エマに向かって挨拶をしてくれたんだ。以前は奴隷を嫌ってて、言葉も交わそうとしなかったアウラクレアが……
カリン商会に務める奴隷達の働きぶりを見て、少しずつ認識が改まっていったらしい。
良かった……本当に良かった。認めてもらえたんだな。
そうして<私の家>に帰ってきた私達のところには、帰還を祝おうと大勢の人が次々と尋ねてきた。
バンクレンチのお兄さんのバンクハンマがいの一番に駆けつけたのはもちろん、バンクハンマの幼馴染で彼に対抗心を燃やしてたクライレドネとそのお兄さんのクライベルケや、マイトバッハ町長、現在はトゥルカ商会ファルトバウゼン支社の支社長であるガーラフェイルと、技術主任のウォレンタルマ、メロエリータの実家であるシャフセンバルト家の使者、果てはブラドフォンセス王国からは代表も兼ねてツフセマティアス卿の使者まで。
そんな調子で連日のようにパーティーが開かれて。
でもその間に、私は、カリン商会で働いてた奴隷の子達とも顔を合わせた。
「ラミ、よく頑張ってくれたね……」
カリン商会では奴隷達全体のリーダーになってたラミにそう声を掛けると、彼女は上手く動かない右脚を折り曲げて膝をつこうとしたから、私は、
「ダメだよ。私に対してはそこまでする必要ないから。そう言ったでしょ」
と言わせてもらった。
その上で、
「私の家のことをしてくれる奴隷のエマ。私に言いにくいことも彼女に言ってくれたらいいから」
と、エマを紹介したのだった。
「ただいま…クレア……」
カリン商会の本社兼私の家だったそれは、老朽化もあって取り壊されていた。だけどその家があった場所に、立派な<邸宅>が。カリン商会の収益で建て直された、社屋兼私の家だって。私がいつ帰ってきてもいいように、ガーラフェイルが手配してくれていたって。
そしてその門のところで、アウラクレアが待ってくれていたんだ。
私が帰ってくることをメロエリータから手紙で知らされて。
その彼女の腕には、一歳くらいの赤ん坊が抱かれてた。しかも隣には、ちょうどキリンと同じくらいの年頃の男の子の姿が。
「この子はネローシェシカ。こっちはサンククレイス。一歳と五歳よ」
ネローシェシカ…!? そうか<お祖母ちゃん>の名前を貰ったんだ……
アウラクレアが紹介してくれると、
「こんにちは♡」
キリンが挨拶する。するとサンククレイスと呼ばれた男の子は、照れくさそうにアウラクレアの後ろに隠れてしまった。
「ごめんなさい。この子、人見知りが激しくて」
少し困ったような笑顔でアウラクレアが言った。
「いいよいいよ、うちのキリンがお転婆だから丁度いい」
そうして子供達の挨拶が済むと、アウラクレアは、私とベントの後ろにいた人影に目を向けて、
「あなたがエマね?。初めまして」
と、エマに向かって挨拶をしてくれたんだ。以前は奴隷を嫌ってて、言葉も交わそうとしなかったアウラクレアが……
カリン商会に務める奴隷達の働きぶりを見て、少しずつ認識が改まっていったらしい。
良かった……本当に良かった。認めてもらえたんだな。
そうして<私の家>に帰ってきた私達のところには、帰還を祝おうと大勢の人が次々と尋ねてきた。
バンクレンチのお兄さんのバンクハンマがいの一番に駆けつけたのはもちろん、バンクハンマの幼馴染で彼に対抗心を燃やしてたクライレドネとそのお兄さんのクライベルケや、マイトバッハ町長、現在はトゥルカ商会ファルトバウゼン支社の支社長であるガーラフェイルと、技術主任のウォレンタルマ、メロエリータの実家であるシャフセンバルト家の使者、果てはブラドフォンセス王国からは代表も兼ねてツフセマティアス卿の使者まで。
そんな調子で連日のようにパーティーが開かれて。
でもその間に、私は、カリン商会で働いてた奴隷の子達とも顔を合わせた。
「ラミ、よく頑張ってくれたね……」
カリン商会では奴隷達全体のリーダーになってたラミにそう声を掛けると、彼女は上手く動かない右脚を折り曲げて膝をつこうとしたから、私は、
「ダメだよ。私に対してはそこまでする必要ないから。そう言ったでしょ」
と言わせてもらった。
その上で、
「私の家のことをしてくれる奴隷のエマ。私に言いにくいことも彼女に言ってくれたらいいから」
と、エマを紹介したのだった。
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