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そうは言っても、いろいろ気になる部分はある

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そんなこんなで話としては結末を迎えたんだけど、そうは言っても、いろいろ気になる部分はある。

その一番が、ヘリーバンクレンがどうなったかということだ。

でもまあ、それについてはメロエリータが出張ってきたんだ。抜かりがあるはずがない。私と同程度のことができる魔法使いや技術者を何人も連れてきて手分けして対処したらあっという間だった。一人一人は完全に私と同じじゃなくても、それぞれに秀でた部分を合わせたら私じゃ敵わないくらいにはなったりする。

しかも、<都市作りの専門家>まで用意して、街の基盤そのものの更新も始めたそうだ。それも決してメロエリータが街を乗っ取るような形じゃなく、町長を責任者として、ヘリーバンクレンの人達主導で。

その結果、街は生まれ変わり、<ネズミ食い>はほぼほぼ駆逐されたらしい。

加えて、他の国々でも、ブラドフォンセス王国の魔法使い達が開発した<抗生物質>の量産化が始まり、<ネズミ食い>だけじゃなく多くの細菌を起源とする病気の対策が進んだ。

でもまあ、地球でもそうだったけど、これからは抗生物質が効かない耐性菌との闘いになっていくだろうな。その辺りの注意点を私から聞き出していたメロエリータがもちろんそれについても対処するけど、いくら言われても用法を守らない人っているからね。地球でも、こっちの世界でも。

あと、抗生物質は細菌にしか効果がないから。ウイルスはまた別だから。ウイルスについてはまだ、魔法使いによる<抗ウイルス魔法>でないと対処できない。だけどこれも、いずれは研究が進んで<抗ウイルス薬>が開発されるだろうな。実際、そのための研究が、ブラドフォンセス王国を中心にして行われているらしい。

ブラドフォンセス王国は、医科学的な分野を主導する立場になっていくみたいだ。

こうして<ネズミ食い>への対抗策が確立された上に、メロエリータによる諸国への工作もあり、<ヘリーバンクレン焼滅作戦>は中止が決定した。

その上で、トゥルカ商会を通じた各国との交流が始まったそうだ。そしてそれを管轄するヘリーバンクレン側のスタッフと言うか<商人>には、リオドレクも名を連ねているらしい。いやはや抜け目ない。しかもトカマクラさんの畑の生産量が数倍に跳ね上がったことで、余剰分を諸外国に輸出することにもなったそうだ。それまでは輸出を渋ってたトカマクラさんも、せっかく作った作物を腐らせるわけにはいかなくてOKしたみたいだね。

もっとも、聞くところによるとあの親子はいまだに犬猿の仲らしいけどさ。まあそれも、時間を掛けて解決していけばいい。

こうしてヘリーバンクレンとそこに暮らす人々はこれからも歴史を紡いでいくことができるようになったんだ。

本当に良かった……

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