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いいじゃん。これも一種の<ハッピーエンド>だよ
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精神論も根性論も、ただの害悪とは言わないよ。だけど、それで自分の命を蔑ろにしちゃ意味ないってだけでさ。しかも、メロエリータの言う通り、私はここの世界の人間じゃなくて、そして私以外にも同じことができる人はいるんだ。私だけが特別なんじゃない。
私はただ、方法を伝えるだけでよかったんだ。
だってさ、ファルトバウゼン王国のカリン商会は、ちゃーんとそれができてたんだよ。私がいなくても。
で、その、カリン商会については、レンガトレントにあった実質的な現本社の責任者であるガーラフェイルとウォレンタルマのところにメロエリータ自身が赴いて、従業員すべての新しい会社での採用と事業の完全な引き継ぎを条件に買収を認めさせたそうだ。
と言うか、メロエリータ本人が話を持っていったんじゃ、否も応もないよね。飲まないという選択肢がない。
でも、そうか……なくなっちゃったんだ。カリン商会……
寂しいのは事実だった。私とアウラクレアとメロエリータの三人で立ち上げた初めての会社。そこから全てが始まったんだ。それを思えばやっぱり残念だなとも思うよ。
だけど、どんなものでも永遠に存在し続けるということはない。国も、企業もね。
事業そのものも従業員も完全に引き継がれて、事実上、単なる看板の架け替えだけだったから、いや、実際にはさらに大きなネットワークと経営基盤を得てある意味じゃ<大企業>になれた訳だから、まあ、問題はあくまで私の感傷だけだったんだよね。
もちろん役員報酬もなくなったわけだけど、でも<収入>がまったくなくなったわけじゃなかった。
私の名前は<相談役>という形で改めてトルゥカ商会の役員の一席に並び、その報酬が支払われることになったんだ。額はこれまでとは比べ物にならない程度の微々たるものだとはいえ、家族四人で暮らすには十分すぎるくらいだった。
「さすがにお前の功績そのものを無かったことにもできんしな」
とは、メロエリータの弁。
別に、いっそ無かったことにしてくれてもよかったんだけどさ。興味もないし。
私には、キリンとベントとエマがいてくれればいい。
こうして私のこの世界での<活躍>は、幕を閉じたんだ。
『なんだよ、この尻切れトンボは!?』
って?
確かに<私を主人公とした物語>として見れば酷い結末だなと私も思う。だけど結果として誰も不幸になってないんだから、いいじゃん。これも一種の<ハッピーエンド>だよ。
それに、こう考えたらいいんじゃないかな。
『これは、この世界の人達に私の知識や技術を引き継ぐまでの話だった』
ってさ。
だとしたらこれでもう結果は出たってことだよ。結末を迎えたんだ。
それになにより、<この世界の主役>は私じゃない。<この世界で生きる人達>なんだ。
私はただ、方法を伝えるだけでよかったんだ。
だってさ、ファルトバウゼン王国のカリン商会は、ちゃーんとそれができてたんだよ。私がいなくても。
で、その、カリン商会については、レンガトレントにあった実質的な現本社の責任者であるガーラフェイルとウォレンタルマのところにメロエリータ自身が赴いて、従業員すべての新しい会社での採用と事業の完全な引き継ぎを条件に買収を認めさせたそうだ。
と言うか、メロエリータ本人が話を持っていったんじゃ、否も応もないよね。飲まないという選択肢がない。
でも、そうか……なくなっちゃったんだ。カリン商会……
寂しいのは事実だった。私とアウラクレアとメロエリータの三人で立ち上げた初めての会社。そこから全てが始まったんだ。それを思えばやっぱり残念だなとも思うよ。
だけど、どんなものでも永遠に存在し続けるということはない。国も、企業もね。
事業そのものも従業員も完全に引き継がれて、事実上、単なる看板の架け替えだけだったから、いや、実際にはさらに大きなネットワークと経営基盤を得てある意味じゃ<大企業>になれた訳だから、まあ、問題はあくまで私の感傷だけだったんだよね。
もちろん役員報酬もなくなったわけだけど、でも<収入>がまったくなくなったわけじゃなかった。
私の名前は<相談役>という形で改めてトルゥカ商会の役員の一席に並び、その報酬が支払われることになったんだ。額はこれまでとは比べ物にならない程度の微々たるものだとはいえ、家族四人で暮らすには十分すぎるくらいだった。
「さすがにお前の功績そのものを無かったことにもできんしな」
とは、メロエリータの弁。
別に、いっそ無かったことにしてくれてもよかったんだけどさ。興味もないし。
私には、キリンとベントとエマがいてくれればいい。
こうして私のこの世界での<活躍>は、幕を閉じたんだ。
『なんだよ、この尻切れトンボは!?』
って?
確かに<私を主人公とした物語>として見れば酷い結末だなと私も思う。だけど結果として誰も不幸になってないんだから、いいじゃん。これも一種の<ハッピーエンド>だよ。
それに、こう考えたらいいんじゃないかな。
『これは、この世界の人達に私の知識や技術を引き継ぐまでの話だった』
ってさ。
だとしたらこれでもう結果は出たってことだよ。結末を迎えたんだ。
それになにより、<この世界の主役>は私じゃない。<この世界で生きる人達>なんだ。
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