514 / 535
そこを横着すると疑念を持たれてかえって手間が増える
しおりを挟む
ここまでウンチ塗れだったら、当然、地下水も汚染されてるだろう。その辺りは、必ず煮沸してからでしか飲用も料理にも使わないことで何とかなってる。
それでも汚染された水を使うことは、現代日本に暮らしてる人にとっては抵抗があるだろうな。私もそうだ。
だけど、魔法使いである私には、水中にいる細菌そのものの存在を感じ取ることができる。
だから水が綺麗かどうかが感覚的に分かるんだ。
もっとも重金属や化学物質までは、そのままじゃ察知できないけどね。
だけどそれも、検出する方法はある。化学物質や重金属を取り込もうとするタイプの微生物をわざと放つと、その反応で分かるからさ。
その方法で水質検査したけど、基本的にはそのままでは飲用にできないレベルの大腸菌がいるだけで、まあ安心した。しっかり煮沸してやったら実際に菌がほぼ死滅したのも確認した。だからこれまで通りの利用方法で大丈夫だ。
ただし、堆肥をまとめて大量に放置してると今度はそれが汚染源になるし、堆肥による汚染は煮沸じゃ綺麗にならない。それどころか煮沸して水分が蒸発するとかえって濃度が高くなる。
だから扱いはより一層注意しないといけなくなる。堆肥化したものはなるべく早いうちに使ってしまわないと。
それと同時に、新しい堆肥の保管場場所を作らないとね。水を通さない。分厚い漆喰で固められた床を持つ、屋根のある保管場所が必要だ。
その工事を、街の大工に発注する。費用はもちろん私持ち。
持ってきた資金がたちまち底を突きかけたから、ヘリーバンクレンの街を包囲する軍隊の中でガルフフラブラ王国から来ている軍隊に随伴している役人を通じてファルトバウゼン王国の大使に連絡を取り、私に対して支払われた役員報酬を、軍の交代を利用して届けてもらった。
また、私がこうして街を包囲する軍隊と接触することでスパイの疑いをかけられないように、ヘリーバンクレンの街の役人にも同行してもらう。
その役人は、<ネズミ食い>に感染していないことを、軍医としてついてきている魔法使いにも確認してもらった。
こうやってそれぞれの立場の人間に何度も確認してもらうことで、潔白であることも担保する。
面倒だけど、面倒だからって手は抜けない。そこを横着すると疑念を持たれてかえって手間が増える。
『急がば回れ』
だよ。
資金も補充し、街に戻って役所の周辺のウンチを堆肥化し、それをまずは役所に仮設した堆肥保管場所へと運んでもらう。
すると、みるみる役所の周りが綺麗になっていった。
もちろんそこにまたウンチが捨てられるけど、同時に、役所の周囲に住む住人達一人一人に事情を説明し、協力を求めたのだった。
それでも汚染された水を使うことは、現代日本に暮らしてる人にとっては抵抗があるだろうな。私もそうだ。
だけど、魔法使いである私には、水中にいる細菌そのものの存在を感じ取ることができる。
だから水が綺麗かどうかが感覚的に分かるんだ。
もっとも重金属や化学物質までは、そのままじゃ察知できないけどね。
だけどそれも、検出する方法はある。化学物質や重金属を取り込もうとするタイプの微生物をわざと放つと、その反応で分かるからさ。
その方法で水質検査したけど、基本的にはそのままでは飲用にできないレベルの大腸菌がいるだけで、まあ安心した。しっかり煮沸してやったら実際に菌がほぼ死滅したのも確認した。だからこれまで通りの利用方法で大丈夫だ。
ただし、堆肥をまとめて大量に放置してると今度はそれが汚染源になるし、堆肥による汚染は煮沸じゃ綺麗にならない。それどころか煮沸して水分が蒸発するとかえって濃度が高くなる。
だから扱いはより一層注意しないといけなくなる。堆肥化したものはなるべく早いうちに使ってしまわないと。
それと同時に、新しい堆肥の保管場場所を作らないとね。水を通さない。分厚い漆喰で固められた床を持つ、屋根のある保管場所が必要だ。
その工事を、街の大工に発注する。費用はもちろん私持ち。
持ってきた資金がたちまち底を突きかけたから、ヘリーバンクレンの街を包囲する軍隊の中でガルフフラブラ王国から来ている軍隊に随伴している役人を通じてファルトバウゼン王国の大使に連絡を取り、私に対して支払われた役員報酬を、軍の交代を利用して届けてもらった。
また、私がこうして街を包囲する軍隊と接触することでスパイの疑いをかけられないように、ヘリーバンクレンの街の役人にも同行してもらう。
その役人は、<ネズミ食い>に感染していないことを、軍医としてついてきている魔法使いにも確認してもらった。
こうやってそれぞれの立場の人間に何度も確認してもらうことで、潔白であることも担保する。
面倒だけど、面倒だからって手は抜けない。そこを横着すると疑念を持たれてかえって手間が増える。
『急がば回れ』
だよ。
資金も補充し、街に戻って役所の周辺のウンチを堆肥化し、それをまずは役所に仮設した堆肥保管場所へと運んでもらう。
すると、みるみる役所の周りが綺麗になっていった。
もちろんそこにまたウンチが捨てられるけど、同時に、役所の周囲に住む住人達一人一人に事情を説明し、協力を求めたのだった。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】聖女ディアの処刑
大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。
枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。
「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」
聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。
そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。
ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが――
※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・)
※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・)
★追記
※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。
※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。
※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる