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ペストと言っても、私が勝手にそう呼んでるだけで
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ペストと言っても、私が勝手にそう呼んでるだけで、たぶん、地球のペストとは別物だとは思う。
ただ、これ自体はガルフフラブラ王国でも実は時々発生するんだ。多くは、ペスト菌に感染したネズミから血を吸った蚊がそのまま人間も刺すことで感染する。
そこからの症状とかがペストに似てることから私は<ペスト>と呼んでるんだ。
ちゃんと治療しないと致死率が非常に高い。地球のペストと同じで、主に線ペストと肺ペストと敗血症の三つに分類できて、そのどれもを、私は、ファルトバウゼン王国でもガルフフラブラ王国でも、ムッフクボルド共和国でも見たことがある、実は割と頻繁に見られる病気なんだ。
ただし、<抗細菌魔法>が有効だから、対処が早ければそれほど怖い病気でもない。抗生剤が発達した現代地球ではちゃんと治る病気だ。
ちなみに今回のそれは、肺にペスト菌が入って感染したことからくる<肺ペスト>だった。だから一般的な肺疾患の症状だったんだ。
でも、原因がペスト菌である以上、対処はできる。
私は、即、そのことを告げた。
「治療法はあります。私はそれを知っている。ファルトバウゼン王国、ガルフフラブラ王国では既にこの病に有効な魔法を伝授してきた。だから恐れる必要はありません」
と。
ムッフクボルド共和国に立ち入ったことについては公式には秘密にしてるので、それには触れない。でも、後でブルクバンクレンさんに手紙を出しておこう。彼を通じて、ムッフクボルド共和国にもその旨を伝えてもらう。
ヘリーバンクレンからはかなり離れてるから、すぐにどうこういうこともないだろうし、時間的な余裕はあるはずだ。
私が『治療法はある』と告げたことで、その場には「おお…!」というどよめきと共に安心感が広がった。
だけど、私はまだ安心はしない。系統は確かにペスト菌なんだけど、どうも若干違いがあるようだ。他と隔絶されたヘリーバンクレンで独自の進化をしたのかもしれない。
まずは通常の<抗細菌魔法>で、現在まだ息のある患者の中では最も重症だった人の治療を試みる。
『……効果が出るのに少し時間がかかってる……マズいな…これだともし大流行したら魔法使いの手が足りないぞ……』
私はこれまで、最も汎用性の高い<抗細菌魔法>を伝授してきた。だけど、細菌の種類によっては効果が薄いものある。ここまでまったく効果がないものは見付かってないけど、今後そういうのも出てくるかもしれないから、さらなる研究が必要だった。
それでも、今回のヘリーバンクレン由来の肺ペストについては、たぶん、何とか対処できる。
けれど、中世ヨーロッパでの大流行のようなレベルのパンデミックが起これば、およそどうにもならなくなるな……
ただ、これ自体はガルフフラブラ王国でも実は時々発生するんだ。多くは、ペスト菌に感染したネズミから血を吸った蚊がそのまま人間も刺すことで感染する。
そこからの症状とかがペストに似てることから私は<ペスト>と呼んでるんだ。
ちゃんと治療しないと致死率が非常に高い。地球のペストと同じで、主に線ペストと肺ペストと敗血症の三つに分類できて、そのどれもを、私は、ファルトバウゼン王国でもガルフフラブラ王国でも、ムッフクボルド共和国でも見たことがある、実は割と頻繁に見られる病気なんだ。
ただし、<抗細菌魔法>が有効だから、対処が早ければそれほど怖い病気でもない。抗生剤が発達した現代地球ではちゃんと治る病気だ。
ちなみに今回のそれは、肺にペスト菌が入って感染したことからくる<肺ペスト>だった。だから一般的な肺疾患の症状だったんだ。
でも、原因がペスト菌である以上、対処はできる。
私は、即、そのことを告げた。
「治療法はあります。私はそれを知っている。ファルトバウゼン王国、ガルフフラブラ王国では既にこの病に有効な魔法を伝授してきた。だから恐れる必要はありません」
と。
ムッフクボルド共和国に立ち入ったことについては公式には秘密にしてるので、それには触れない。でも、後でブルクバンクレンさんに手紙を出しておこう。彼を通じて、ムッフクボルド共和国にもその旨を伝えてもらう。
ヘリーバンクレンからはかなり離れてるから、すぐにどうこういうこともないだろうし、時間的な余裕はあるはずだ。
私が『治療法はある』と告げたことで、その場には「おお…!」というどよめきと共に安心感が広がった。
だけど、私はまだ安心はしない。系統は確かにペスト菌なんだけど、どうも若干違いがあるようだ。他と隔絶されたヘリーバンクレンで独自の進化をしたのかもしれない。
まずは通常の<抗細菌魔法>で、現在まだ息のある患者の中では最も重症だった人の治療を試みる。
『……効果が出るのに少し時間がかかってる……マズいな…これだともし大流行したら魔法使いの手が足りないぞ……』
私はこれまで、最も汎用性の高い<抗細菌魔法>を伝授してきた。だけど、細菌の種類によっては効果が薄いものある。ここまでまったく効果がないものは見付かってないけど、今後そういうのも出てくるかもしれないから、さらなる研究が必要だった。
それでも、今回のヘリーバンクレン由来の肺ペストについては、たぶん、何とか対処できる。
けれど、中世ヨーロッパでの大流行のようなレベルのパンデミックが起これば、およそどうにもならなくなるな……
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