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<形>に拘ってしまったりするのって
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私は敢えて、
『ヘリーバンクレンを救う』
という形にはしなかった。そういう話にすると、まるで同盟国側が悪者であるみたいに捉えられて反発を招く可能性があったからね。
やっぱ、そういう<形>に拘ってしまったりするのって人間の心理としてあるじゃん。国家としては体裁とか体面とかも大事だろうしさ。
地球でもあったよね。
『こうすれば上手くいく筈なんだけど、体裁とか面子とかがあって動くに動けない』
とかさ。なら、こっちとしても体裁とかよりも実利を取るよ。
『ヘリーバンクレンが救われる』
っていう実利をさ。
で、大使の口添えでまずはガルフフラブラ王国とファルトバウゼン王国との定例の会議に参加させてもらった。
いきなり全体会合の顔を出したりしたら、
『なんだお前は?』
って言われるのがオチだし。
そしたら、会議を行う王宮の部屋に大使と一緒に赴いた私の顔を一目見たガルフフラブラ王国側の担当の大臣が、
「こちらは、どなたですかな?」
だって。
まあね、確かに私、ここに来てからすぐに役所の方に行かされて、それから王宮へは区切り毎に進捗状況を担当の貴族を通して報告しに来るだけだから知らない人もいて当然なのかもしれないけど、
『仮にも自分達が呼び寄せてVIP待遇で仕事させてる人間の顔くらい知っておこうよ!?』
とは思ってしまったな。分かっちゃいたけどこの国の丸投げ体質は筋金入りだよ、ホント。
ただし、行政については役人に丸投げだったけど、軍事面についてはさすがにガチだった。
「あなたが我が国に多大なる貢献をしてくださっているのは分かりました。ですが、あなたは軍事については素人だと聞きます。そのあなたが何故このような席に?」
思いっ切り訝し気に私を睨みながら、大臣はそんな風に訊いてきた。まあ当然か。大臣の言う通り、私は軍事に関してはそれこそズブの素人だ。余計な口出しができるような立場じゃない。
「いえ、彼女は―――――」
大使が事情を説明しようとしてくれたけど、
「いえ、私の方から説明させてください」
と申し出させてもらった。私もいろいろ経験積んできたからか、度胸だけは付いたよ。その場で立ち上がり、大臣に一礼、それから恭しく話を切り出させてもらう。
「この度は突然押しかけてしまい、申し訳ございません。大臣のおっしゃるとおり、私は軍事に関しては素人にございます。しかしながら、此度のヘリーバンクレンの件につきましては、かの地に蔓延る疫病が事の発端と聞き及んでおります。疫病なれば、私ども魔法使いの領分でありますゆえ、何かお力になれればと思い、こうして馳せ参じた次第です」
『ヘリーバンクレンを救う』
という形にはしなかった。そういう話にすると、まるで同盟国側が悪者であるみたいに捉えられて反発を招く可能性があったからね。
やっぱ、そういう<形>に拘ってしまったりするのって人間の心理としてあるじゃん。国家としては体裁とか体面とかも大事だろうしさ。
地球でもあったよね。
『こうすれば上手くいく筈なんだけど、体裁とか面子とかがあって動くに動けない』
とかさ。なら、こっちとしても体裁とかよりも実利を取るよ。
『ヘリーバンクレンが救われる』
っていう実利をさ。
で、大使の口添えでまずはガルフフラブラ王国とファルトバウゼン王国との定例の会議に参加させてもらった。
いきなり全体会合の顔を出したりしたら、
『なんだお前は?』
って言われるのがオチだし。
そしたら、会議を行う王宮の部屋に大使と一緒に赴いた私の顔を一目見たガルフフラブラ王国側の担当の大臣が、
「こちらは、どなたですかな?」
だって。
まあね、確かに私、ここに来てからすぐに役所の方に行かされて、それから王宮へは区切り毎に進捗状況を担当の貴族を通して報告しに来るだけだから知らない人もいて当然なのかもしれないけど、
『仮にも自分達が呼び寄せてVIP待遇で仕事させてる人間の顔くらい知っておこうよ!?』
とは思ってしまったな。分かっちゃいたけどこの国の丸投げ体質は筋金入りだよ、ホント。
ただし、行政については役人に丸投げだったけど、軍事面についてはさすがにガチだった。
「あなたが我が国に多大なる貢献をしてくださっているのは分かりました。ですが、あなたは軍事については素人だと聞きます。そのあなたが何故このような席に?」
思いっ切り訝し気に私を睨みながら、大臣はそんな風に訊いてきた。まあ当然か。大臣の言う通り、私は軍事に関してはそれこそズブの素人だ。余計な口出しができるような立場じゃない。
「いえ、彼女は―――――」
大使が事情を説明しようとしてくれたけど、
「いえ、私の方から説明させてください」
と申し出させてもらった。私もいろいろ経験積んできたからか、度胸だけは付いたよ。その場で立ち上がり、大臣に一礼、それから恭しく話を切り出させてもらう。
「この度は突然押しかけてしまい、申し訳ございません。大臣のおっしゃるとおり、私は軍事に関しては素人にございます。しかしながら、此度のヘリーバンクレンの件につきましては、かの地に蔓延る疫病が事の発端と聞き及んでおります。疫病なれば、私ども魔法使いの領分でありますゆえ、何かお力になれればと思い、こうして馳せ参じた次第です」
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