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だから余計に彼女の反応が面白いみたい

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さすがにキリンの一歳の誕生日には、半日だけど仕事を休んで、家族みんなでお祝いした。

そしたら、近所の人達もあれこれ持ち寄って集まってくれて、結局、庭で盛大にパーティをすることになったけどね。

そこには、ブルイファリド、ティンクフルム、ティンクラウラの姿もあった。

ブルイファリドのことは、

「ブー!」

ティンクフルムのことは、

「フー!」

ティンクラウラのことは、

「ウー!」

って、キリンは呼ぶけどね。

「なんで!? なんでそこは『ラー』じゃないの!?」

と、ティンクラウラは不満そうだけど。

そしたらキリンはまた、

「ケケケケケ♡」

って笑うんだ。どうやら、ティンクラウラのことが好きみたいだね。だから余計に彼女の反応が面白いみたい。

ティンクラウラも、その辺りのことは分かってくれてる。分かってくれてるからちょっと大袈裟に反応してくれるんだ。

いいな。この感じ。



こうして誕生日パーティも終えられて、私はすっごく幸せだった。

だけどそんなある日、ファルトバウゼン王国の駐在大使が交代するということで、その引継ぎの席で私のことについても引き継いでくれるというので、列席することになった。

引継ぎ自体はスムーズに進んで、新しい大使がまた、カリン商会から私に支払われる筈だった役員報酬を届けてくれたのを受け取ったのはいいんだけど、その際に、

「実は、我が同盟国からの出兵の要請が来ておりまして」

って話が……

「出兵? それは穏やかじゃありませんね」

そんな話をわざわざ私にするということでもしかしたら私にも招聘に応じろということなのかと身構えてしまったけど、どうやらそういうことじゃなかったみたい。単に世間話みたいなものとして切り出したそうなんだけど、ただ、話の内容そのものは、私とはまったく繋がりのないものでもなくて……

「実は、このガルフフラブラ王国の東に、ボレス砂漠という不毛の荒野が広がっておるんですが、そこにヘリーバンクレンという、どこの国にも属していない街があるのです。まあそれ自体は、あの辺りは本当に不毛の地で何の役にも立たないが故にどこの国も欲しがらず勝手にさせていたのですが、どうやらそこで疫病が流行っておるようでしてな。しかもそこの連中が行商に出ることでその疫病が回りの国にも広がる恐れが出てきておるということで。そのようなことになっては一大事と、この度、同盟国で兵を出し合い、その街を住人もろとも焼き滅ぼしてしまおうという話が持ち上がっておりまして」

「街を…住人もろとも……?」

「ええ、ですが、そのようなことを進んでやりたいという国もなく、なかなか意見がまとまらない状態なのです。さりとて、このままにしておくわけにもいきません……」

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