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ごちゃごちゃ言わずに俺の言う通りにしてればいいんだ!!

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他人の話に耳を傾ける人、傾けない人の違いって、この頃にもう培われるのかもしれないと思ってしまった。

私も実は、本質的には他人の話に耳なんか傾けないタイプだったんだ。でもそれじゃ上手くいかないってのに気付いて意識して耳を傾けることを心掛けてるだけなんだ。そうじゃなきゃ、たぶん、もっと独善的で身勝手な人間になってたと思うよ。

『とにかく私の言う通りにしてればいいの!!』

って感じでただただ怒鳴りまくってね。

だけどそれじゃダメなんだ。人間相手じゃ上手くいかない。

昔の根性論を基にしたスパルタは、結局、その合理性とかを無視した非科学的なレベルの無茶なトレーニングでも体を壊さない特異な体質を持った選手を見付け出すだけのものでしかないと私は思ってる。

そしてその中でたまたま才能があった人が上位に行くんだ。

だけど実際には、無茶なトレーニングにはついていけないけど競技そのものに対しては非凡な才能を持った人もいる筈なんだよね。もしかしたら、無茶なトレーニングをしたことでそういう人を潰してたんじゃないの?

最近の、若い人達が世界で活躍してたりするのを見るとすごくそう思う。って、私が地球にいた頃の話だからそれ自体がもう何年も前だけどさ。でも、何十年も前のと比べたらね。

無茶なトレーニングでも潰れないっていう特異な体質を持つ人を選び出した上でさらに競技についても才能を持ってる人ってなったら、そりゃものすごく限られた人しか活躍できないんじゃないの?

だから昔は滅多に世界で活躍できる人がいなかったんじゃないの?

『ごちゃごちゃ言わずに俺の言う通りにしてればいいんだ!!』

的な指導方法についていける人。っていう時点で、<競技の才能>とは関係ないよね。

私はそれはしたくなかったし、これからもしない。

って、私が会社で人を雇う時に<指示待ち人間>を選んだのと同じじゃんって言われそうだけど、これは具体的に、

<やってもらっちゃ困ること>

があったからであって、別に話も聞かないってわけじゃないんだよね。

って言うか、以前にも言った通り、むしろ分からないことや疑問に思うことがあったら訊いてもらいたいんだよ。やってもらっちゃ困ることがあるから勝手なことをする人は弾くってのが大前提で、作業そのものは普段から農に携わってる人なら理解できるものだから、才能云々はほとんど関係ないし。

まあ、熱意や作物にかける想いみたいなものはあった方がいいのはいいんだけどさ。ただそれも、非合理的な方向に発揮されたら逆効果だったりするからなあ。

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