上 下
451 / 535

この子が嬉しそうなのは私も嬉しい

しおりを挟む
<クーイング>っていうのは、厳密には<喋ってる>のとは違うらしい。赤ちゃん本人も意識してそうしてると言うよりは、ただ何となく『そんな音が出てしまう』って感じなんだと何かで見た。

そうして自分が音を出してることを自覚して、それから意識して音を出すようになって、音の出し方を学習して、やがて『言葉を出す』ってことができるようになっていくんだって。

だから私は、積極的にキリンに話しかけた。

「あー、うー……」

ってキリンが言うと、

「うー、うー、あー」

って返して<会話>した。

そしたらキリンはすごくご機嫌になってくれるんだ。

『ママとお話ししてる!』

とか思ってくれてるのかな。

それがどうかは分からないにしても、この子が嬉しそうなのは私も嬉しい。心が満たされる。癒される。

愛してるよ、キリン。



ずっと一緒にいると変化ってあまり実感できないけど、キリンは毎日毎日成長してるんだね。

昨日できなかったことが今日はできるようになってたりするんだ。最初はひっきりなしだったおっぱいも、一回に飲む量が少しずつ増えてきて、寝てる時間が長くなってきて、それに合わせて私も一度に寝られる時間が少しずつ長くなっていった。

そうしてようやく、夜の間はほとんどずっと寝てるようになってくれて、私もホッとした。

すると今度は、何となく手足をバタバタさせてただけだったのが、脚をベッドに押し付けてずりずりと上に移動できるようになった。

それで、ベビーベッドの柵に頭をぶつけて「みゃーっ!」って泣くんだ。

だから、頭をぶつけても大丈夫なように薄手の毛布を柵に巻きつけてあげた。そしたら、頭がつかえてそれ以上先に進めないというのが気に入らなくて「びゃーっ!」ってやっぱり泣くんだ。

その様子が可愛いやらおかしいやらで、ニヤニヤが止まらない。

もしかしたら普通は順序が逆だったりするのかもしれないけど、キリンはそれができるようになってから自分で寝返りするようになった。

こうなるといつの間にか俯せになってたりして怖い。

わざと俯せ寝させたりすることもあるらしいけど、私はおっかなくてそれはできなかった。俯せになってたら仰向けに戻してあげる。でもしばらくしたらまた俯せになってたりする。

仰向けにしたからって別に泣いたりもしないから、俯せになりたくてなってたんじゃないんだろうな。寝返りを打ってる間になんとなくそうなってしまう感じなのかもしれない。

でもそれも、キリン自身が自分で頭を上げられるようになった頃には、あまり心配しなくなった。俯せの状態で寝てたら戻してあげるだけだ。

ああでも、可愛いなあ……♡

しおりを挟む

処理中です...