447 / 535
分からないことがあれば訊いてくれなきゃ困る
しおりを挟む
私は基本的に、現場に出る人間については<指示待ち人間>しか採用しなかった。それは、勝手な判断で余計なことをされたら困るから。
だけど、だからといって<イエスマン>が欲しいわけじゃない。むしろ、何か疑問があったり納得のいかないことがあればちゃんとこっちに確認を取ってくれるほうがありがたいんだ。
そうやってきちんと確かめて、その上で仕事をしてほしい。そしてその中から仕事のことをきちんと理解して、他の人に説明できる人が出てきてくれればそれでいいんだ。
で、それができるようになったら任せてしまう。
時間はかかるかもしれないけど、手間はかかるかもしれないけど、確実に仕事を引き継いでもらう為だ。
私もいずれ死ぬ。死ぬまでの間でも、ファルトバウゼン王国から追い出されたみたいにいつまでもいられない場合だってある。
だから仕事を引き継いでもらわなくちゃいけない。私がいなくなったら元の木阿弥じゃ何にも意味がないんだ。
だからこそ分からないことがあれば訊いてくれなきゃ困る。訊かずに勝手な判断でやられちゃ困る。
『何でもかんでも訊いてくるな』
なんてことを言うような上司は、自分が楽をしたいから言ってるだけだと思う。そんなのはむしろ無責任だ。仕事が確実に引き継がれることが大事だと思えばこそどんどん訊いてもらうべきだと私は思う。
<積極性>って、そういうところで発揮されたらいいと思うんだ。実はちゃんと分かってないのに訊くのを遠慮して勝手な解釈でやられるのが一番困る。そんなことしてたら滅茶苦茶になってしまう。
で、ちゃんと分かるまで教えてあげられれば、もう私がいなくても大丈夫になるんだよ。
自分以外の人間でも、自分と同じことができるようになる。同じことができるようになる人は現れる。
『自分しかできない』
なんて思い上がりだし、他人を馬鹿にしてるよ。
芸術家とかクリエイター関係だと、なるほど<その人にしか作れない作品>というのはあるかもしれなくても、技術系はね。その技術を受け継ぐ人を育てていかなきゃいけないんだ。
だけど、親子関係はそうはいかない。キリンの母親は私しかいないんだ。
と言うか、この子をこの世界に送り出したのは他でもない私だ。その私がこの子を見捨てたら、それは自分の責任のすべてを投げ出すのと同じじゃないかな。
仕事は私以外の人にも同じことができるようになってもらわなきゃ困るけど、この子をこの世に送り出した張本人は、他の誰でもない私だし、誰も代われないんだ。
それを思うとやっぱり私の場合は仕事の方が気が楽だなあ。
だけど、だからといって<イエスマン>が欲しいわけじゃない。むしろ、何か疑問があったり納得のいかないことがあればちゃんとこっちに確認を取ってくれるほうがありがたいんだ。
そうやってきちんと確かめて、その上で仕事をしてほしい。そしてその中から仕事のことをきちんと理解して、他の人に説明できる人が出てきてくれればそれでいいんだ。
で、それができるようになったら任せてしまう。
時間はかかるかもしれないけど、手間はかかるかもしれないけど、確実に仕事を引き継いでもらう為だ。
私もいずれ死ぬ。死ぬまでの間でも、ファルトバウゼン王国から追い出されたみたいにいつまでもいられない場合だってある。
だから仕事を引き継いでもらわなくちゃいけない。私がいなくなったら元の木阿弥じゃ何にも意味がないんだ。
だからこそ分からないことがあれば訊いてくれなきゃ困る。訊かずに勝手な判断でやられちゃ困る。
『何でもかんでも訊いてくるな』
なんてことを言うような上司は、自分が楽をしたいから言ってるだけだと思う。そんなのはむしろ無責任だ。仕事が確実に引き継がれることが大事だと思えばこそどんどん訊いてもらうべきだと私は思う。
<積極性>って、そういうところで発揮されたらいいと思うんだ。実はちゃんと分かってないのに訊くのを遠慮して勝手な解釈でやられるのが一番困る。そんなことしてたら滅茶苦茶になってしまう。
で、ちゃんと分かるまで教えてあげられれば、もう私がいなくても大丈夫になるんだよ。
自分以外の人間でも、自分と同じことができるようになる。同じことができるようになる人は現れる。
『自分しかできない』
なんて思い上がりだし、他人を馬鹿にしてるよ。
芸術家とかクリエイター関係だと、なるほど<その人にしか作れない作品>というのはあるかもしれなくても、技術系はね。その技術を受け継ぐ人を育てていかなきゃいけないんだ。
だけど、親子関係はそうはいかない。キリンの母親は私しかいないんだ。
と言うか、この子をこの世界に送り出したのは他でもない私だ。その私がこの子を見捨てたら、それは自分の責任のすべてを投げ出すのと同じじゃないかな。
仕事は私以外の人にも同じことができるようになってもらわなきゃ困るけど、この子をこの世に送り出した張本人は、他の誰でもない私だし、誰も代われないんだ。
それを思うとやっぱり私の場合は仕事の方が気が楽だなあ。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
お姉さまは酷いずるいと言い続け、王子様に引き取られた自称・妹なんて知らない
あとさん♪
ファンタジー
わたくしが卒業する年に妹(自称)が学園に編入して来ました。
久しぶりの再会、と思いきや、行き成りわたくしに暴言をぶつけ、泣きながら走り去るという暴挙。
いつの間にかわたくしの名誉は地に落ちていたわ。
ずるいずるい、謝罪を要求する、姉妹格差がどーたらこーたら。
わたくし一人が我慢すればいいかと、思っていたら、今度は自称・婚約者が現れて婚約破棄宣言?
もううんざり! 早く本当の立ち位置を理解させないと、あの子に騙される被害者は増える一方!
そんな時、王子殿下が彼女を引き取りたいと言いだして────
※この話は小説家になろうにも同時掲載しています。
※設定は相変わらずゆるんゆるん。
※シャティエル王国シリーズ4作目!
※過去の拙作
『相互理解は難しい(略)』の29年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の27年後、
『王女殿下のモラトリアム』の17年後の話になります。
上記と主人公が違います。未読でも話は分かるとは思いますが、知っているとなお面白いかと。
※『俺の心を掴んだ姫は笑わない~見ていいのは俺だけだから!~』シリーズ5作目、オリヴァーくんが主役です! こちらもよろしくお願いします<(_ _)>
※ちょくちょく修正します。誤字撲滅!
※全9話
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
もういらないと言われたので隣国で聖女やります。
ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる