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自分の身近な人が大変な思いをしてたら

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そうだ。自分にとってどんなに無価値で存在する意味なんてないように感じる人間でも、実は何かの役に立ってたりするっていうことは現にある。

だから<死んでいい人間>なんていないし、<死んだ方がいい人間>なんていないんだ。

それが現実なんだよ。その現実を認められない人間が人を殺す。

『こんな奴は生きてちゃいけない』

とか言ってね。

生きる為に戦うのはいい。そうすることでしか自分や自分の大切な人を守れない時にはそうするべきだと私も思う。だけどね、

『気に入らないから』

とか、

『許せないから』

とかいう理由で他人の死を願うのは、それは加害者の理屈だよ。死を願うまで行かなくても、殴ったりとかも、結局は同じだ。

だから私は、『許せない!』と思ってしまって誰かの死を願ってしまう自分を正当化しない。両親のことを憎んでいても、そんな自分を正当化しないように心掛けてる。

そうしないと、両親のことを言い訳にしてしまうから。それを言い訳にして、身勝手なことをしてしまうから。

あの両親が原因でなってしまった諸々のことは認めながらも、それを言い訳にはしない。あんな人達に育てられたからって、あの人達と同じ生き方はしないんだ。

そして、自分の子供を物のように扱ったりもしない。と言うか、できないよ。こんな可愛い子供をそんな風になんて。

キリン…ああ、キリン……私の愛しい娘……

私はあなたに逢うために生まれてきたんだって素直に思える。ベントと出逢ってあなたに逢うために、ね。



なんて思いつつも、その一方で大変なのは大変なんだよね。

キリンが、

『お腹へった!』

って泣けば飛び起きておっぱいをあげる。頭もぼさぼさ、手入れもしてないヒドイ顔のままで。

だけど、泣き方でお腹が減ってるのかおしめが汚れてるのか分かるようにもなった。

確かに泣き方が違うんだよ。お腹が減ってる時と不快な時とで泣き方が違うんだ。

説明しろって言われても上手く説明できないけど確かに違うんだ。

そのおかげで、

『なんで泣いてるの!?』

みたいなことで悩んでキレるようなことがないから助かってる。

でもやっぱり大変だ。

それを、ベントとエマが支えてくれる。力になってくれる。

だから母親一人に全部やらせようとする人間の気持ちが理解できない。なんでそんなことができるの? 要するに自分が楽したいだけでしょ? 面倒なことをしたくないだけでしょ?

自分の身近な人が大変な思いをしてたら何か手助けしたいと思うのはむしろ自然なことじゃないの?

そう思えないのならそれで構わないけど、『それは母親の仕事だ』とか言って自分が楽をしたいと思ってる言い訳をしないでもらいたいね。

現にベントやエマみたいに力になってくれる人もいるんだから。

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