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どうにも金銭がらみの部分でどういう人なのかを見抜くのは

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『お金が余ってるのなら寄付したらどう?』

って言う人もいるだろうけど、寄付したお金って実際にどう使われてるかのよく分からないところがあるからなあ。

それに、ただお金を渡して、

『はい、助けてあげました』

ってのもなんか違う気がするんだよ。ほら、地球でも発展途上国への寄付金とかって本当に役立ってんのかなっていう不信感がいつでもつきまとってたんだよね。

なんだか、

『善行を行っていい気分』

みたいなことのアリバイ作りっていう印象が拭えないし。

その点、労働なりなんなりの<対価>として支払う方が受け取る方も、

『一方的に恵んでもらってる』

感じが減って受け取りやすいだろうし、尊厳を守るという点でもアリかなって思うんだ。

それに、労働の対価としてもらう方が大事に使うだろうしさ。

もちろん、働いて稼いだお金を雑に使って散財する人も確かにいるよ? だけどそうじゃない人も多いだろうし、働いて稼いだお金をどう使おうがそれは本人の勝手だから、こっちとしても気にする必要もない気もする。

<恵んでやったお金>を無駄にされると、『なんだかなあ』って気分にもなりそうだしね。

ま、そんな訳で余ったお金の有効活用と、私の代わりに現場で指導できる人を増やして休日は休めるようにするっていう意味もあって会社を興したんだ。

でも、会社となると現場のことが分かる人ばかりじゃなくて事務担当の人とかも必要になるからそれを募集したら、困った人が紛れ込んでたんだよね。それが、

<運営費持ち逃げ事件>

の件。

しかし、捕まったら死罪だってありうるってのにそんなことするんだから、よっぽど切羽詰まってたのかなとも思う。

しかも、ちゃんとルールを守ってない私が持ち逃げ犯をあんまり悪し様に言うのも、

『どの口が言うんだ?』

って気分に自分がなっちゃうんだ。

それに、面接したのは他ならぬ私自身なわけで。

その辺りは、メロエリータが巧かったな。何気ない質問で相手の本音を引き出して、どういう人かっていうのを炙り出すんだ。

カリン商会を立ち上げた時には私も頑張って面接したけど、あの時はあくまでこっちの指示通りに動いてくれて勝手なことをしないっていう人を求めてただけで、割とこう、狙いがはっきりしてたし、実際今回も、現場に出て監督する役の人は、勝手な判断でやられちゃ困るから<指示待ち人間>を選ばせてもらったんだけど、事務処理とか財務処理とかは単に読み書きができて計算のできる、真面目そうな人ってことで選んだからなあ。

どうにも金銭がらみの部分でどういう人なのかを見抜くのは、私には難しいようだ。

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