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なんだったら今すぐ採掘場送りにしてもいいんだぞ!
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<モグラレンコン>という作物がこの世界にはある。
レンコンによく似た作物はいくつかあるんだけど、これはその中でも、イモに近い育ち方をするものだ。
普通のレンコンと違って完全な<泥>の中では上手く育たず、ある程度の固さがあって、でもたっぷりとした水分を含んだ土でないと大きく育たない作物だった。この国ではあまり作られてないけど、これも雪瓜と同じでちょっと加工するだけで保存が効くようになる、兵站として重宝されてる作物の一つでもあった。
しかもこのモグラレンコン、環境さえ合ってれば下手に手を掛けるよりも放っておくほうがよく育つんだよね。
ただ、その『環境さえ合ってれば』っていうのが曲者で、
『踏めば水が滲み出てくるくらいには水分が多いけど、足が沈み込むほど柔らかくちゃダメ』
だから、適した土地が限られるんだ。
でも、環境さえ適していれば年に何度も収穫できるようにもなる。さすがに作付けするには時期が早いけど、長く放置されてたこの畑の準備が整うまでにはそれなりに時間もかかるだろうから、甘イモの世話に忙しくなってくる前に準備をしてしまおう。
「というわけで、こっちの畑で新しい作物を試します。すぐには売り物にならないと思いますけど、逆に自分達が食べる為の食料としてならある程度は確保できるようになると思います。サイニにも合う作物ですよ」
「なんと……?」
私の言葉に、集まってた人達は互いに顔を見合わせて口々に話し始めた。
「食い扶持が確保できるってんなら…!」
「でも、そんな上手くいくのか…?」
「でもどうせ俺達には後はないんだ。ここは賭けてみるしかねえ…!」
等々。
だけどそんな私達に担当役人は、
「何を勝手なことを! あなたは甘イモとサトウキビの増産の為に来たはずだ! そんな余計なことをしてる暇はない!」
って怒ってた。
でもまあ、彼の言いたいことも分かる。と言うか、むしろそっちが道理だ。確かに私は、その為にここに来たんだから。
けれど、現場で働く人を蔑ろにしてていつまでもいい仕事ができるわけないんだよね。
現にこの人達は命を懸けてまで私のところに陳情に来た。ここでそれに報いなきゃ、彼らの不満はどこに向かう?
なにしろ彼らは、担当役人がそう言い放った瞬間、明らかに殺意のこもった目を向けたんだよ。それこそもう、『生きるか死ぬか』ってところまで追い詰められてる。
「なんだその目は! お上に逆らう気か!? なんだったら今すぐ採掘場送りにしてもいいんだぞ!」
それに対して担当役人は、バックに権力がついてるからって超強気なんだけど、それこそ<火に油>だよね。
レンコンによく似た作物はいくつかあるんだけど、これはその中でも、イモに近い育ち方をするものだ。
普通のレンコンと違って完全な<泥>の中では上手く育たず、ある程度の固さがあって、でもたっぷりとした水分を含んだ土でないと大きく育たない作物だった。この国ではあまり作られてないけど、これも雪瓜と同じでちょっと加工するだけで保存が効くようになる、兵站として重宝されてる作物の一つでもあった。
しかもこのモグラレンコン、環境さえ合ってれば下手に手を掛けるよりも放っておくほうがよく育つんだよね。
ただ、その『環境さえ合ってれば』っていうのが曲者で、
『踏めば水が滲み出てくるくらいには水分が多いけど、足が沈み込むほど柔らかくちゃダメ』
だから、適した土地が限られるんだ。
でも、環境さえ適していれば年に何度も収穫できるようにもなる。さすがに作付けするには時期が早いけど、長く放置されてたこの畑の準備が整うまでにはそれなりに時間もかかるだろうから、甘イモの世話に忙しくなってくる前に準備をしてしまおう。
「というわけで、こっちの畑で新しい作物を試します。すぐには売り物にならないと思いますけど、逆に自分達が食べる為の食料としてならある程度は確保できるようになると思います。サイニにも合う作物ですよ」
「なんと……?」
私の言葉に、集まってた人達は互いに顔を見合わせて口々に話し始めた。
「食い扶持が確保できるってんなら…!」
「でも、そんな上手くいくのか…?」
「でもどうせ俺達には後はないんだ。ここは賭けてみるしかねえ…!」
等々。
だけどそんな私達に担当役人は、
「何を勝手なことを! あなたは甘イモとサトウキビの増産の為に来たはずだ! そんな余計なことをしてる暇はない!」
って怒ってた。
でもまあ、彼の言いたいことも分かる。と言うか、むしろそっちが道理だ。確かに私は、その為にここに来たんだから。
けれど、現場で働く人を蔑ろにしてていつまでもいい仕事ができるわけないんだよね。
現にこの人達は命を懸けてまで私のところに陳情に来た。ここでそれに報いなきゃ、彼らの不満はどこに向かう?
なにしろ彼らは、担当役人がそう言い放った瞬間、明らかに殺意のこもった目を向けたんだよ。それこそもう、『生きるか死ぬか』ってところまで追い詰められてる。
「なんだその目は! お上に逆らう気か!? なんだったら今すぐ採掘場送りにしてもいいんだぞ!」
それに対して担当役人は、バックに権力がついてるからって超強気なんだけど、それこそ<火に油>だよね。
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