359 / 535
相手のせいじゃなくて、あくまで私の責任なんだよね
しおりを挟む
私がいた大学で、こんなことがあったな。
あるスポーツ系のクラブで、監督が、
「あの選手を潰せ」
って指示を出したらしいんだ。で、その指示を聞いた選手は相手チームの柱になってた選手にラフプレーを仕掛けて、怪我をさせて退場に追い込んだんだって。
でもそれが問題になって、大学側は選手が監督の指示を拡大解釈したことが原因だってことにして、ラフプレーを行った選手を謹慎処分にして、クラブからも除籍したんだ。
で、指示を出した監督の方は、
『自分の出した指示を選手の方が誤解した』
と弁明して、それが通ってしまったらしい。
ただ、誤解を招かない具体的な内容じゃなかったのはマズかったってことで厳重注意を受けたらしいけどさ。
それは、よくある話だって聞いた。表沙汰になるかならないかの違いだけで、特に相手の選手と直接ぶつかることもあるスポーツだと、普通にあることだとも聞いたな。
だけど私はそれを聞いて、不信感しか抱かなかった。
聞いた方がどうにでも解釈できる曖昧な指示を出して、それが問題になったら、
『誤解した方が悪い』
なんて、何のための<監督>なの? 選手を『管理監督する』のが仕事じゃないの? その、管理監督する側が曖昧な指示を出したことで問題になったのなら、それは監督の責任じゃないの?
<誤解を招かない的確な指示も出せない監督>なんて、監督としての資質があるって言えるの?
もちろん人間だから失敗だってするし間違いだって犯すよ。だけどさ、自分の失敗の責任を相手に擦り付けて自分は注意だけで済ますなんて、とてもまともな大人のすることとは思えない。
ましてや、万が一問題になった時に言い逃れができるようにわざと曖昧な指示を出したんだとしたら、それは卑怯者以外の何者でもないと思うんだ。
ああ、こんなこと言ったら、その監督と同じ立場だったり監督の主張に共感する人達に袋叩きにされるだろうな。
でも、それでも、いや、それだからこそ私の不信感はますます大きくなるんだよね。自分達の考えが果たして本当に正しいのかどうか常に客観的に見ることもできないような人達がそれなりの立場にいたりするっていうのがおぞましい。
確かに、私が聞いたその事例だって本当に選手の方が勝手な解釈をしただけなのかもしれない。
だけど、その曖昧な指示を出した監督が、自分の指示が曖昧だったことを反省し、それについて責任を取る姿勢を見せなかったという事実だけでも、
『あ~。この人は信用できないわあ……』
って思わせるんだよね。
信頼っていうのは、そういうところから崩れるんだよ。
私も人間だから完璧じゃない。何か、自分が意図してない失敗をしてそれが原因で信頼を失ったりするかもしれない。
でもそれは、相手のせいじゃなくて、あくまで私の責任なんだよね。
これを肝に銘じておきたいと思うんだ。
あるスポーツ系のクラブで、監督が、
「あの選手を潰せ」
って指示を出したらしいんだ。で、その指示を聞いた選手は相手チームの柱になってた選手にラフプレーを仕掛けて、怪我をさせて退場に追い込んだんだって。
でもそれが問題になって、大学側は選手が監督の指示を拡大解釈したことが原因だってことにして、ラフプレーを行った選手を謹慎処分にして、クラブからも除籍したんだ。
で、指示を出した監督の方は、
『自分の出した指示を選手の方が誤解した』
と弁明して、それが通ってしまったらしい。
ただ、誤解を招かない具体的な内容じゃなかったのはマズかったってことで厳重注意を受けたらしいけどさ。
それは、よくある話だって聞いた。表沙汰になるかならないかの違いだけで、特に相手の選手と直接ぶつかることもあるスポーツだと、普通にあることだとも聞いたな。
だけど私はそれを聞いて、不信感しか抱かなかった。
聞いた方がどうにでも解釈できる曖昧な指示を出して、それが問題になったら、
『誤解した方が悪い』
なんて、何のための<監督>なの? 選手を『管理監督する』のが仕事じゃないの? その、管理監督する側が曖昧な指示を出したことで問題になったのなら、それは監督の責任じゃないの?
<誤解を招かない的確な指示も出せない監督>なんて、監督としての資質があるって言えるの?
もちろん人間だから失敗だってするし間違いだって犯すよ。だけどさ、自分の失敗の責任を相手に擦り付けて自分は注意だけで済ますなんて、とてもまともな大人のすることとは思えない。
ましてや、万が一問題になった時に言い逃れができるようにわざと曖昧な指示を出したんだとしたら、それは卑怯者以外の何者でもないと思うんだ。
ああ、こんなこと言ったら、その監督と同じ立場だったり監督の主張に共感する人達に袋叩きにされるだろうな。
でも、それでも、いや、それだからこそ私の不信感はますます大きくなるんだよね。自分達の考えが果たして本当に正しいのかどうか常に客観的に見ることもできないような人達がそれなりの立場にいたりするっていうのがおぞましい。
確かに、私が聞いたその事例だって本当に選手の方が勝手な解釈をしただけなのかもしれない。
だけど、その曖昧な指示を出した監督が、自分の指示が曖昧だったことを反省し、それについて責任を取る姿勢を見せなかったという事実だけでも、
『あ~。この人は信用できないわあ……』
って思わせるんだよね。
信頼っていうのは、そういうところから崩れるんだよ。
私も人間だから完璧じゃない。何か、自分が意図してない失敗をしてそれが原因で信頼を失ったりするかもしれない。
でもそれは、相手のせいじゃなくて、あくまで私の責任なんだよね。
これを肝に銘じておきたいと思うんだ。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
真実を知って反省しなさい
小雲乃のぼる
ファンタジー
悪役令嬢にざまぁ返しされ、罪人として牢に入れられてしまったヒロイン。それは一見、よくある転生悪役令嬢物の結末。しかし、牢を訪れた悪役令嬢が語る真相はーー
※注意!!※悲劇です。どん底です。救いなし、カタルシスなしです。本当に胸糞好きな方のみ、ご覧ください。
構想段階ではまっとうな転生悪役令嬢のヒドイン断罪物だったのに……なぜこうなった(-_-;)
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる