316 / 535
私にとってはそう思える相手の一人になってるってことだよ
しおりを挟む
吐いたらすっきりしたのか、アルカセリスはベントに背負われたまま眠ってしまった。そんな彼女に、ブルイファリドがショールを掛けてくれる。
彼女みたいに酔い潰れたのがいたら掛けてあげる為に、彼が元々用意してあったものだ。
一見しただけならどちらかと言えばイカツイ系のオジサンだけど、ブルイファリドは本質的には気遣いの人なんだなっていうのがそういうところからも伝わってくる。
だから部下からの信頼も厚く、詰所をまとめ上げていられるんだ。
そんな彼が仕事に協力してくれてるんだから、頑張らなくちゃと私も思う。
宿舎に着くと、そのままベントに彼女を部屋まで運んでもらってベッドに下ろして、そこからは私が彼女の服を脱がせて寝間着代わりのガウンを着せて、布団を掛けて寝かせた。
世話が焼けるけど、なんだかそれが可愛かった。妹と言うか、ううん、もっと言うと<娘>みたいな気がする。
ただ、そう思えるのは、彼女がいつも仕事を頑張ってくれてるからなんだろうなっていうのも正直あるけどさ。
それがなくてこうやって迷惑かけられると、さすがに『なんだかなあ』って気分にはなると思う。
そういう点からも、普段の行いっていうのは大事なんだって思うんだ。
これが普段からいい加減なことをしていたんなら、やっぱりいい気はしない。私自身、他人には迷惑掛けてるけど、少なくとも迷惑掛けないように努力はしたいと心掛けてはいる。
完璧な人間にはなれなくても、そこで努力もしないっていう態度をとってると、いくらなんでもっていうのもあるんじゃないかなって気はしてる。
その辺りの心掛けが、<可愛げ>ってものに繋がるのかもね。
『いつも頑張ってくれてるから、ちょっとくらいは大目に見よう』
って気分にもなれると思うんだ。
だから普段から真面目に頑張るっていうのは、ちゃんと意味があると思うんだよ。
地道に頑張ることを馬鹿にする人っているけど、そういう人って損してるんじゃないかなって感じてる。
ああでも、そういう人はきっと、
『損なんかしてるわけねーだろwwwww』
『負け犬の遠吠え乙wwwww』
とか言っちゃったりするんだろうなあ。
だけどさ、そんな風に他人を馬鹿にしてる人が困ってたりして、それを助けたいと思う?
私は、正直、思えないなあ。
なんて、前にも言ったことかな。
でもそうやってことあるごとに意識するっていうのも、自分を省みる為には必要なことだなって。
これも何度も言ってるか?
そんなことを思いつつ、
「おやすみ、セリス……」
と、額にキスをして彼女の部屋を後にした。
『ゲロった奴に、おでことはいえよくキスなんかできるな!?』
って言われるかもだけど、毎日のようにウンチと向き合ってる私からしたらそんなのどうってことないんだよね。
ただし、相手は限られるけどさ。
アルカセリスも、私にとってはそう思える相手の一人になってるってことだよ。
彼女みたいに酔い潰れたのがいたら掛けてあげる為に、彼が元々用意してあったものだ。
一見しただけならどちらかと言えばイカツイ系のオジサンだけど、ブルイファリドは本質的には気遣いの人なんだなっていうのがそういうところからも伝わってくる。
だから部下からの信頼も厚く、詰所をまとめ上げていられるんだ。
そんな彼が仕事に協力してくれてるんだから、頑張らなくちゃと私も思う。
宿舎に着くと、そのままベントに彼女を部屋まで運んでもらってベッドに下ろして、そこからは私が彼女の服を脱がせて寝間着代わりのガウンを着せて、布団を掛けて寝かせた。
世話が焼けるけど、なんだかそれが可愛かった。妹と言うか、ううん、もっと言うと<娘>みたいな気がする。
ただ、そう思えるのは、彼女がいつも仕事を頑張ってくれてるからなんだろうなっていうのも正直あるけどさ。
それがなくてこうやって迷惑かけられると、さすがに『なんだかなあ』って気分にはなると思う。
そういう点からも、普段の行いっていうのは大事なんだって思うんだ。
これが普段からいい加減なことをしていたんなら、やっぱりいい気はしない。私自身、他人には迷惑掛けてるけど、少なくとも迷惑掛けないように努力はしたいと心掛けてはいる。
完璧な人間にはなれなくても、そこで努力もしないっていう態度をとってると、いくらなんでもっていうのもあるんじゃないかなって気はしてる。
その辺りの心掛けが、<可愛げ>ってものに繋がるのかもね。
『いつも頑張ってくれてるから、ちょっとくらいは大目に見よう』
って気分にもなれると思うんだ。
だから普段から真面目に頑張るっていうのは、ちゃんと意味があると思うんだよ。
地道に頑張ることを馬鹿にする人っているけど、そういう人って損してるんじゃないかなって感じてる。
ああでも、そういう人はきっと、
『損なんかしてるわけねーだろwwwww』
『負け犬の遠吠え乙wwwww』
とか言っちゃったりするんだろうなあ。
だけどさ、そんな風に他人を馬鹿にしてる人が困ってたりして、それを助けたいと思う?
私は、正直、思えないなあ。
なんて、前にも言ったことかな。
でもそうやってことあるごとに意識するっていうのも、自分を省みる為には必要なことだなって。
これも何度も言ってるか?
そんなことを思いつつ、
「おやすみ、セリス……」
と、額にキスをして彼女の部屋を後にした。
『ゲロった奴に、おでことはいえよくキスなんかできるな!?』
って言われるかもだけど、毎日のようにウンチと向き合ってる私からしたらそんなのどうってことないんだよね。
ただし、相手は限られるけどさ。
アルカセリスも、私にとってはそう思える相手の一人になってるってことだよ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
72
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる