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ねーちゃん固いなあ! そんなんじゃ嫁の貰い手がないぜ!!
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その日は結局、十人くらいで飲みに行ったんだけど、なんか知らないうちに増えちゃって最終的には二十人くらいに膨れ上がってたな。
で、案の定、知らないオジサンがやったらティンクフルムに、
「小僧! もっとガンガン飲め! 酒なんてのは慣れだ慣れ!!」
などという謎理論を振りかざして強引に酒を勧めてきたりしたんだよね。
だから私も、
「こらこら! 私のカワイイ弟分に勝手にちょっかいかけるんじゃない! 店から叩き出すよ!」
とか言わせてもらった。
その酔っぱらいは、「ゲヘヘヘ!」って感じでどうにもこうにも少々言われたってこたえないタイプだったからね。
そしたらやっぱり、
「ねーちゃん固いなあ! そんなんじゃ嫁の貰い手がないぜ!!」
とか、まるでこたえてなかったね。
「はっはっはーっ! 残念でした! 私はもう人の妻ですぅ~!」
って応えさせてもらうと、ベントが、
「はい、私の妻です」
だって。
するとオジサンはバツが悪そうに、
「ありゃ~、こりゃ失敬」
なんて言いながら頭を掻いてたけど、本気で悪いなんて思ってないのがバレバレだっての。
このオジサンにとっては、こういうやり取り自体が<酒の肴>なんだろうな。
ただ、逆に、酒が入らないと他人とうまくコミュニケーションが取れないタイプと見た。
こういう人にとっては酒の席というのはきっと必要なんだろう。だから何でもかんでも、
『酒なんて百害あって一利なし!』
とまでは言うつもりもない。あくまで節度を持って楽しんでほしいというだけなんだ。
そして、誰もが自分と同じように酒を楽しめる訳じゃないっていうことも承知しててほしいってだけ。
それさえ守っててくれれば、余計な口出しはしないよ。
だけど、私の隣でアルカセリスは、
「カリンさん……好き……」
とか口走りながらしなだれ寄ってくる。
まったく、私のことは信仰の対象みたいに思ってるんじゃないの?って思うんだけど、まあその辺も、酒の力で無意識の部分が暴かれちゃって、まだ恋愛対象として諦めきれてないのが出てきちゃってるだけかな。
そんな様子がなんだか可愛くて、
「はいはい、よしよし」
って撫でてあげた。
すると彼女はまるで猫みたいに私の膝に横になって、
「ふう~ん♡」
と甘い吐息を漏らしたりもした。
「こら、セリス! 失礼だろう!」
見かねたブルイファリドが声を掛けるけど、私はそれは手をかざして制して、
「いいの。私の故郷ではこういうのは<無礼講>って言って、<酒の席での戯れ>として大目に見るってのが習わしだから」
とかなんとか。
まあ、<無礼講>なんて実際には言葉のアヤでしかなかったりってのが現実なんだろうけどさ。
だから、ブルイファリドにも、
「っていう建前なんだよ。だけど私はホントに今だけは好きにさせてあげたいと思ってるから」
と言わせてもらったのだった。
で、案の定、知らないオジサンがやったらティンクフルムに、
「小僧! もっとガンガン飲め! 酒なんてのは慣れだ慣れ!!」
などという謎理論を振りかざして強引に酒を勧めてきたりしたんだよね。
だから私も、
「こらこら! 私のカワイイ弟分に勝手にちょっかいかけるんじゃない! 店から叩き出すよ!」
とか言わせてもらった。
その酔っぱらいは、「ゲヘヘヘ!」って感じでどうにもこうにも少々言われたってこたえないタイプだったからね。
そしたらやっぱり、
「ねーちゃん固いなあ! そんなんじゃ嫁の貰い手がないぜ!!」
とか、まるでこたえてなかったね。
「はっはっはーっ! 残念でした! 私はもう人の妻ですぅ~!」
って応えさせてもらうと、ベントが、
「はい、私の妻です」
だって。
するとオジサンはバツが悪そうに、
「ありゃ~、こりゃ失敬」
なんて言いながら頭を掻いてたけど、本気で悪いなんて思ってないのがバレバレだっての。
このオジサンにとっては、こういうやり取り自体が<酒の肴>なんだろうな。
ただ、逆に、酒が入らないと他人とうまくコミュニケーションが取れないタイプと見た。
こういう人にとっては酒の席というのはきっと必要なんだろう。だから何でもかんでも、
『酒なんて百害あって一利なし!』
とまでは言うつもりもない。あくまで節度を持って楽しんでほしいというだけなんだ。
そして、誰もが自分と同じように酒を楽しめる訳じゃないっていうことも承知しててほしいってだけ。
それさえ守っててくれれば、余計な口出しはしないよ。
だけど、私の隣でアルカセリスは、
「カリンさん……好き……」
とか口走りながらしなだれ寄ってくる。
まったく、私のことは信仰の対象みたいに思ってるんじゃないの?って思うんだけど、まあその辺も、酒の力で無意識の部分が暴かれちゃって、まだ恋愛対象として諦めきれてないのが出てきちゃってるだけかな。
そんな様子がなんだか可愛くて、
「はいはい、よしよし」
って撫でてあげた。
すると彼女はまるで猫みたいに私の膝に横になって、
「ふう~ん♡」
と甘い吐息を漏らしたりもした。
「こら、セリス! 失礼だろう!」
見かねたブルイファリドが声を掛けるけど、私はそれは手をかざして制して、
「いいの。私の故郷ではこういうのは<無礼講>って言って、<酒の席での戯れ>として大目に見るってのが習わしだから」
とかなんとか。
まあ、<無礼講>なんて実際には言葉のアヤでしかなかったりってのが現実なんだろうけどさ。
だから、ブルイファリドにも、
「っていう建前なんだよ。だけど私はホントに今だけは好きにさせてあげたいと思ってるから」
と言わせてもらったのだった。
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