310 / 535
今日はもう予定もないし明日は休みだし、今からみんなで飲みに行く?
しおりを挟む
ベントはずっと一緒に仕事をしてきてるから、要領とかはすっかり心得たものだ。前にも言ったとおり、相手によっては私なんかよりよっぽどうまくやってくれる。
と言うか、どうしても『権威とかには弱い』ってタイプの人とか、『権威とかが後ろについてないと侮って掛かる』タイプの人っているからね。そういう人が相手だと、見た目に立派そうで、いかにも<貴族>っていうオーラがバシバシ出まくってるベントはそれこそうってつけなんだ。
だけど、ブルイファリドやティンクフルム、資料集めや整理及び管理等の事務仕事を担当してくれてるアルカセリスをはじめとした内勤の職員達もすごく頑張ってくれてるのはすごく分かった。
だから時々、
「今日はもう予定もないし明日は休みだし、今からみんなで飲みに行く?」
って形で労ったりもする。
本当は、私自身は<飲みにケーション>の類は苦手だし、大学時代に危うくお持ち帰りされそうになったことが軽いトラウマになってて、正直、積極的にそういうのを催したいわけじゃないけど、なんか、バンクレンチ達を見てるうちに少しだけ慣れた感じなのかな。
「やったあ!」
とアルカセリスが嬉しそうに声を上げてくれるのも、なんだか心地好くて。
今から思うと、バンクレンチ達にももうちょっと付き合ってあげればよかったかなって気がしないでもない。
ただ、彼らは、酒が入ると少々タガが外れてしまうところがあって、ノリが下品だったりするんだよね~。基本的に男ばかりで飲みに行ってたのもあるし、私、あんまり女扱いされてなかったし。
まあ、風呂場を覗かれそうになったりしたこともあったけどさ。
それも今じゃいい思い出か。
なんてことも思い出しつつ、みんなで酒場へと繰り出す。
先にティンクラウラを帰しておいたのはこの為もあるんだよね。ティンクフルムは、日本じゃまだお酒は飲めない年齢だけど、ここでは認められてるから。
感覚的に受け入れられないことについては反発もするけど、基本的には、
『郷に入っては郷に従え』
で行きたいとは思ってる。
ただし、深酒はさせないのと、その場のノリでやたらと酒を勧めるのはNGね。あと、ところかまわずゲロゲロしてる酔っぱらいも好きじゃない。
別に、
『そういう酔っぱらいはこの世からいなくなれ!』
とは言わないけど、自分から関りに行きたくはないんだ。そして、誘われるのも嫌。
という訳で、ティンクフルムに関しては私とベントの間に座らせて、守る。
「あ~! なんかズルい!」
それを見たアルカセリスがそう言って、
「じゃあ私はここに!」
って、私の隣に陣取った。
「はいはい」
私はそんな様子にあったかい気持ちになってたのだった。
と言うか、どうしても『権威とかには弱い』ってタイプの人とか、『権威とかが後ろについてないと侮って掛かる』タイプの人っているからね。そういう人が相手だと、見た目に立派そうで、いかにも<貴族>っていうオーラがバシバシ出まくってるベントはそれこそうってつけなんだ。
だけど、ブルイファリドやティンクフルム、資料集めや整理及び管理等の事務仕事を担当してくれてるアルカセリスをはじめとした内勤の職員達もすごく頑張ってくれてるのはすごく分かった。
だから時々、
「今日はもう予定もないし明日は休みだし、今からみんなで飲みに行く?」
って形で労ったりもする。
本当は、私自身は<飲みにケーション>の類は苦手だし、大学時代に危うくお持ち帰りされそうになったことが軽いトラウマになってて、正直、積極的にそういうのを催したいわけじゃないけど、なんか、バンクレンチ達を見てるうちに少しだけ慣れた感じなのかな。
「やったあ!」
とアルカセリスが嬉しそうに声を上げてくれるのも、なんだか心地好くて。
今から思うと、バンクレンチ達にももうちょっと付き合ってあげればよかったかなって気がしないでもない。
ただ、彼らは、酒が入ると少々タガが外れてしまうところがあって、ノリが下品だったりするんだよね~。基本的に男ばかりで飲みに行ってたのもあるし、私、あんまり女扱いされてなかったし。
まあ、風呂場を覗かれそうになったりしたこともあったけどさ。
それも今じゃいい思い出か。
なんてことも思い出しつつ、みんなで酒場へと繰り出す。
先にティンクラウラを帰しておいたのはこの為もあるんだよね。ティンクフルムは、日本じゃまだお酒は飲めない年齢だけど、ここでは認められてるから。
感覚的に受け入れられないことについては反発もするけど、基本的には、
『郷に入っては郷に従え』
で行きたいとは思ってる。
ただし、深酒はさせないのと、その場のノリでやたらと酒を勧めるのはNGね。あと、ところかまわずゲロゲロしてる酔っぱらいも好きじゃない。
別に、
『そういう酔っぱらいはこの世からいなくなれ!』
とは言わないけど、自分から関りに行きたくはないんだ。そして、誘われるのも嫌。
という訳で、ティンクフルムに関しては私とベントの間に座らせて、守る。
「あ~! なんかズルい!」
それを見たアルカセリスがそう言って、
「じゃあ私はここに!」
って、私の隣に陣取った。
「はいはい」
私はそんな様子にあったかい気持ちになってたのだった。
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
追放ですか?それは残念です。最後までワインを作りたかったのですが。 ~新たな地でやり直します~
アールグレイ
ファンタジー
ワイン作りの統括責任者として、城内で勤めていたイラリアだったが、突然のクビ宣告を受けた。この恵まれた大地があれば、誰にでも出来る簡単な仕事だと酷評を受けてしまう。城を追われることになった彼女は、寂寞の思いを胸に新たな旅立ちを決意した。そんな彼女の後任は、まさかのクーラ。美貌だけでこの地位まで上り詰めた、ワイン作りの素人だ。
誰にでも出来る簡単な作業だと高を括っていたが、実のところ、イラリアは自らの研究成果を駆使して、とんでもない作業を行っていたのだ。
彼女が居なくなったことで、国は多大なる損害を被ることになりそうだ。
これは、お酒の神様に愛された女性と、彼女を取り巻く人物の群像劇。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。
言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。
喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。
12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。
====
●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。
前作では、二人との出会い~同居を描いています。
順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。
※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる