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今日はもう予定もないし明日は休みだし、今からみんなで飲みに行く?

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ベントはずっと一緒に仕事をしてきてるから、要領とかはすっかり心得たものだ。前にも言ったとおり、相手によっては私なんかよりよっぽどうまくやってくれる。

と言うか、どうしても『権威とかには弱い』ってタイプの人とか、『権威とかが後ろについてないと侮って掛かる』タイプの人っているからね。そういう人が相手だと、見た目に立派そうで、いかにも<貴族>っていうオーラがバシバシ出まくってるベントはそれこそうってつけなんだ。

だけど、ブルイファリドやティンクフルム、資料集めや整理及び管理等の事務仕事を担当してくれてるアルカセリスをはじめとした内勤の職員達もすごく頑張ってくれてるのはすごく分かった。

だから時々、

「今日はもう予定もないし明日は休みだし、今からみんなで飲みに行く?」

って形で労ったりもする。

本当は、私自身は<飲みにケーション>の類は苦手だし、大学時代に危うくお持ち帰りされそうになったことが軽いトラウマになってて、正直、積極的にそういうのを催したいわけじゃないけど、なんか、バンクレンチ達を見てるうちに少しだけ慣れた感じなのかな。

「やったあ!」

とアルカセリスが嬉しそうに声を上げてくれるのも、なんだか心地好くて。

今から思うと、バンクレンチ達にももうちょっと付き合ってあげればよかったかなって気がしないでもない。

ただ、彼らは、酒が入ると少々タガが外れてしまうところがあって、ノリが下品だったりするんだよね~。基本的に男ばかりで飲みに行ってたのもあるし、私、あんまり女扱いされてなかったし。

まあ、風呂場を覗かれそうになったりしたこともあったけどさ。

それも今じゃいい思い出か。

なんてことも思い出しつつ、みんなで酒場へと繰り出す。

先にティンクラウラを帰しておいたのはこの為もあるんだよね。ティンクフルムは、日本じゃまだお酒は飲めない年齢だけど、ここでは認められてるから。

感覚的に受け入れられないことについては反発もするけど、基本的には、

『郷に入っては郷に従え』

で行きたいとは思ってる。

ただし、深酒はさせないのと、その場のノリでやたらと酒を勧めるのはNGね。あと、ところかまわずゲロゲロしてる酔っぱらいも好きじゃない。

別に、

『そういう酔っぱらいはこの世からいなくなれ!』

とは言わないけど、自分から関りに行きたくはないんだ。そして、誘われるのも嫌。

という訳で、ティンクフルムに関しては私とベントの間に座らせて、守る。

「あ~! なんかズルい!」

それを見たアルカセリスがそう言って、

「じゃあ私はここに!」

って、私の隣に陣取った。

「はいはい」

私はそんな様子にあったかい気持ちになってたのだった。

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