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子供っぽい思い付きかもしれないけど

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アルカセリスもそうだけど、どうして私なんかにそんな風に思ってくれるんだろう。

正直、不思議でしかない。

ただ、メロエリータは何度も言ってたな。

「お前は面白い奴だ。だから興味が湧く。美しい奴、能力の優れた奴、所作が研ぎ澄まされた奴ならいくらでもいる。だがお前のようなものの考え方をする奴は決して多くない。それが面白いのだ。見ていて飽きない。そして、次に何をするのか、何を見せてくれるのか、興味を惹かれる。私以外にも同じように感じる人間はいるだろう。そういう奴がお前の周りには集まってくるはずだ。

その一方で、お前の振る舞いに眉を顰める人間も決して少なくはない。だから賛否が分かれる。評価が分かれる。私がお前を高く買っているのと同時に、お前を胡散臭い山師だと見て毛嫌いしている奴もいる。だが、何か大きな事を成す人間というのは、えてしてそういうものだ。誰もが称賛する、誰もが喝采を送る、一点の曇りもない才人など存在せん。

カリン。お前はそのままで突き進め。お前の邪魔をする者は私が薙ぎ払ってやる」

なんてね。

『そんなこと言ってたのに、どこ行っちゃったんだよ。リータ……』

確かに、彼女の力を借りなきゃいけないほどの窮地なんてないから、大丈夫と言えば大丈夫なんだけど、それにしたってリータが傍にいないのはすごく不安だったんだよ。

今はベントが傍にいてくれるからマシになったけどさ。

ただ、それでもアルカセリスやティンクラウラのように私の傍にやってきてくれる人はいる。彼女達の為にも私は泣き言ばかり言っていられない。

「今日も堆肥の作り方とか使い方を教えに行くんですよね?」

目をキラキラさせながらティンクラウラがそんなことを訊いてくる。

「うん、そうだよ」

私が応えると、

「堆肥化の魔法、私もう完璧に使いこなせるようになったんだよ! だから私も役立ててほしくって」

だって。

子供っぽい思い付きかもしれないけど、彼女の熱意は決して嘘じゃないと感じる。

初めて会った頃には私を敵視さえしていた彼女がこう言ってくれることが嬉しい。

これが、リータの言ってたことなんだろうな。

ティンクラウラについては、アルカセリスと違って単純に私を先生のように慕ってくれてるんだろうっていうのが分かるから、まだ気が楽かな。

そしてせっかくこんな風に言ってくれるんだから、彼女には、私がいなくなった後のこの国の農業指導の担い手の一人になってもらおうかな。

たぶん、まだ数年はここにいることになるだろうし。

人材はいつだって求められる。特に、ちゃんと私のしようとしてることを理解してくれる人は絶対に必要だ。

という訳で、ティンクラウラにもしっかり学んでもらわなくちゃね。

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