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どうしてこんなに真面目な人が報われないんだろう……
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エマの仕事ぶりは、本当に淡々としていてただただ真面目だった。余計なこともしないしサボらないし、決められたことをただ決められた通りにするだけだ。
『どうしてこんなに真面目な人が報われないんだろう……』
真面目だからって報われるとは限らないのが世の中だなんて分かってる。いまさらそんなことを本気で嘆くつもりはない。だけどそれでも、真面目に仕事をしてそれで報われる人がいるのとそうじゃない人がいるというのがやっぱり納得いかないんだ。
ましてや、『真面目に働け!』なんて命令するんならね。
そう命令するなら、言われた通りに真面目に働いた人にはきちんと報いてやれって思うんだよ。それもせずに一方的に『真面目に働け!』なんて、
『真面目に働いてないのはお前の方じゃん!』
って思われるだけじゃないのかな。
だから私は、真面目に働いてくれたのならそれに報いたいと思う。エマが家のことを真面目にやってくれたんなら、それに対して正当な報酬を支払いたいんだ。
リレ達にもしてきたように。
それが私の矜持だ。世の中が『ズルいことした奴が勝ち』だと思っていたとしても、私はそれに迎合したいとは思わない。
『真っ当な労働には真っ当な対価を』
その当たり前のことが通用する社会を目指したいと思うんだ。現実にはそうならなくても、目指そうと努力することまで諦めたくないんだ。
エマの仕事を見届け、先に家に帰り、彼女が帰ってくるのを家の中から見届けさせてもらった。
彼女は本当にいい子だよ。いい拾い物をしたと思う。
『変に逆らったら酷い目に遭わされるから大人しくしてるだけだろう?』
とか思うのもいるかもしれないけど、それでもサボろうとしたり真面目に働かなかったり反抗的になるのはいるんだ。そういうのは早々に<処分>されてるだけだ。
体調が悪い時にいつもみたいにできなかったり、たまたま虫の居所が悪くて反抗的な態度を取ってしまっただけで殺されるような世の中で生きたいと思う? 自分がいつ、そういう理由で殺されるかもしれないような世の中でさ。
日本は、愚痴をこぼしたり文句を言っても殺されない世の中になってきたんだよ。
それがどうして『悪くなった』って言えるの?
気に入らない部分、都合の悪い部分、まだまだ改善が必要な部分なんていうのはいつの時代でもあったことじゃないの? それをちょっとずつでも良くしてきたんなら、先人達が良くしてきてくれたんなら、それはせめて認めたいと、私は思うんだよね。
そして私も、微力ながら協力したいと思うんだ。
この世界が、ほんのちょっとでも良くなるようにさ。
『どうしてこんなに真面目な人が報われないんだろう……』
真面目だからって報われるとは限らないのが世の中だなんて分かってる。いまさらそんなことを本気で嘆くつもりはない。だけどそれでも、真面目に仕事をしてそれで報われる人がいるのとそうじゃない人がいるというのがやっぱり納得いかないんだ。
ましてや、『真面目に働け!』なんて命令するんならね。
そう命令するなら、言われた通りに真面目に働いた人にはきちんと報いてやれって思うんだよ。それもせずに一方的に『真面目に働け!』なんて、
『真面目に働いてないのはお前の方じゃん!』
って思われるだけじゃないのかな。
だから私は、真面目に働いてくれたのならそれに報いたいと思う。エマが家のことを真面目にやってくれたんなら、それに対して正当な報酬を支払いたいんだ。
リレ達にもしてきたように。
それが私の矜持だ。世の中が『ズルいことした奴が勝ち』だと思っていたとしても、私はそれに迎合したいとは思わない。
『真っ当な労働には真っ当な対価を』
その当たり前のことが通用する社会を目指したいと思うんだ。現実にはそうならなくても、目指そうと努力することまで諦めたくないんだ。
エマの仕事を見届け、先に家に帰り、彼女が帰ってくるのを家の中から見届けさせてもらった。
彼女は本当にいい子だよ。いい拾い物をしたと思う。
『変に逆らったら酷い目に遭わされるから大人しくしてるだけだろう?』
とか思うのもいるかもしれないけど、それでもサボろうとしたり真面目に働かなかったり反抗的になるのはいるんだ。そういうのは早々に<処分>されてるだけだ。
体調が悪い時にいつもみたいにできなかったり、たまたま虫の居所が悪くて反抗的な態度を取ってしまっただけで殺されるような世の中で生きたいと思う? 自分がいつ、そういう理由で殺されるかもしれないような世の中でさ。
日本は、愚痴をこぼしたり文句を言っても殺されない世の中になってきたんだよ。
それがどうして『悪くなった』って言えるの?
気に入らない部分、都合の悪い部分、まだまだ改善が必要な部分なんていうのはいつの時代でもあったことじゃないの? それをちょっとずつでも良くしてきたんなら、先人達が良くしてきてくれたんなら、それはせめて認めたいと、私は思うんだよね。
そして私も、微力ながら協力したいと思うんだ。
この世界が、ほんのちょっとでも良くなるようにさ。
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