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彼女がしてた仕事を別の奴隷が引き継ぐだけだ
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って、原発なんて今さら私には何の関係もなかったんだった。てへ♡
『てへ♡』じゃないか。
でも、『あるものは便利に使えばいいじゃん』とは思ってても、正直、奴隷は見ているのが辛いし、そこまでは割り切れない。
近付きすぎないようにして様子を窺ってると、エマがリアカーを引いて出てきた。その彼女の隣に、足を引きずって歩く若そうな男性らしい人がいる。たぶん、彼女の後任なんだろう。
そうだ。エマ一人を救い出したところで、彼女がしてた仕事を別の奴隷が引き継ぐだけだ。これが現実だ。エマを救うのならその男性も救わなきゃいけないし、ここにいる奴隷達全員を救わなきゃおかしい。エマ一人を救い出して『良かった良かった』じゃダメなんだ。
それは分かってる。
でも、私の仕事が上手くいけば、少なくとも負担は確実に減ると思う。
……いや、実際にはそんなに甘くないかな。負担が減ればその分また何かやらされるのがオチか。
奴隷は便利な道具だからな。どんどん使わなきゃ損って感覚もあるんだろう。
はあ、本当に人間って……
なんて、ここで人間に絶望してても仕方ない。人間を馬鹿にしてるだけじゃ何も解決しない。問題の解決に必要なのは、相手に対する罵倒じゃなくて、具体的で合理的で実効性のある<対策>だ。どっかの野党みたいに何でもかんでも『反対反対!』で、審議をボイコットしたりすることじゃないと思う。そんなことしてるから信頼されないんだって何で気付かないんだろうね。
いつぞやの政権交代した時だって、それまで自分達が散々主張してきた政策が、実際にやってみたら穴だらけ瑕疵だらけで大コケしたじゃん。それで信用を失って再浮上の目を自分達で摘んだんじゃん。
どうしてそれを反省しないの? どうしてそれを他人の所為にするの? 上手くいかなかったのは自分が未熟だったからでしょ? それを反省して自分を成長させようとは思わないの?
それができない限りは、もう二度と信用してもらえることはない気がするけどね。
って、くっそう、また話が逸れてるな。目の前の現実に私の脳が無意識に拒絶反応を起こしてるんだろうな。
で、別なことを考えてバランスを取ろうとしてるんだ。
はあ、やれやれ。我ながら実にメンドクサイ。
だけどそれが私だ。自分がそういう、嫌なことから目を背けずにいられない弱い人間だというのを分かった上で、そんな私にできることをそんな私にでもできることを考えるんだ。
一足飛びにバラ色の未来に辿り着こうとするんじゃなくて、そこに至れる道をまず作るんだ。
と、自分に言い聞かせ、私はエマの仕事を見守ったのだった。
『てへ♡』じゃないか。
でも、『あるものは便利に使えばいいじゃん』とは思ってても、正直、奴隷は見ているのが辛いし、そこまでは割り切れない。
近付きすぎないようにして様子を窺ってると、エマがリアカーを引いて出てきた。その彼女の隣に、足を引きずって歩く若そうな男性らしい人がいる。たぶん、彼女の後任なんだろう。
そうだ。エマ一人を救い出したところで、彼女がしてた仕事を別の奴隷が引き継ぐだけだ。これが現実だ。エマを救うのならその男性も救わなきゃいけないし、ここにいる奴隷達全員を救わなきゃおかしい。エマ一人を救い出して『良かった良かった』じゃダメなんだ。
それは分かってる。
でも、私の仕事が上手くいけば、少なくとも負担は確実に減ると思う。
……いや、実際にはそんなに甘くないかな。負担が減ればその分また何かやらされるのがオチか。
奴隷は便利な道具だからな。どんどん使わなきゃ損って感覚もあるんだろう。
はあ、本当に人間って……
なんて、ここで人間に絶望してても仕方ない。人間を馬鹿にしてるだけじゃ何も解決しない。問題の解決に必要なのは、相手に対する罵倒じゃなくて、具体的で合理的で実効性のある<対策>だ。どっかの野党みたいに何でもかんでも『反対反対!』で、審議をボイコットしたりすることじゃないと思う。そんなことしてるから信頼されないんだって何で気付かないんだろうね。
いつぞやの政権交代した時だって、それまで自分達が散々主張してきた政策が、実際にやってみたら穴だらけ瑕疵だらけで大コケしたじゃん。それで信用を失って再浮上の目を自分達で摘んだんじゃん。
どうしてそれを反省しないの? どうしてそれを他人の所為にするの? 上手くいかなかったのは自分が未熟だったからでしょ? それを反省して自分を成長させようとは思わないの?
それができない限りは、もう二度と信用してもらえることはない気がするけどね。
って、くっそう、また話が逸れてるな。目の前の現実に私の脳が無意識に拒絶反応を起こしてるんだろうな。
で、別なことを考えてバランスを取ろうとしてるんだ。
はあ、やれやれ。我ながら実にメンドクサイ。
だけどそれが私だ。自分がそういう、嫌なことから目を背けずにいられない弱い人間だというのを分かった上で、そんな私にできることをそんな私にでもできることを考えるんだ。
一足飛びにバラ色の未来に辿り着こうとするんじゃなくて、そこに至れる道をまず作るんだ。
と、自分に言い聞かせ、私はエマの仕事を見守ったのだった。
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