277 / 535
なんて話じゃないのが一つや二つあったっていいんじゃないかな
しおりを挟む
普通に考えたら貸し切りの公衆浴場でのあの一時で決まりってのが一般的な展開なんだろうと思うよ。
でもさ、人間ってそんな簡単な生き物じゃないよね。自分がこうやって生身の人間として現実の中で生きてるとさ。物語の中で出てくるような<分かりやすい展開>とか、<一度決まった流れは覆らない>なんてことの方がむしろ少ないなって実感しかないよね。
あんなに上手くはいかないんだ。
当然か。<物語>っていうのは、読んでて気持ち良くなれるようにそんな風に<構成>されてるんだからさ。
だけど時々、そういう風に都合のいい<物語>を真に受けちゃって、現実の自分との違いに絶望しちゃう人もいるみたいだね。
私はそういうの、すごく損だなって思う。現実は元々そういうものなのに、変に都合よく解釈しちゃって、でも当然ながらその通りには行かなくて、それで嫌な気分になるってさ、やっぱり損だよ。もったいないよ。
上手くいかないのが<人生>なんだ。そして、結果として上手くいった部分を切り貼りして再構成したものが<物語>なんだ。
ハッピーエンドで終わった物語のその後がどうなるかなんて誰にも分からない。苦しんで苦しんで最後に大逆転で良かった良かったざまーみろ、で終わった物語が本当にそのままで行けるのかなんて誰にも分からない。
逆に、バッドエンドで終わったように見えた物語が、その、誰かにとってのバッドエンドがあったことで救われることになったり、命を落とさずにすんだり、不幸な事件が起こらずに済んだってこともあるかもしれない。
私がこれまで語ってきたことも、実は一部をかいつまんで説明してるだけっていうのはある。調子よくいってるように見えて実際にはすご~く嫌な思いをしたことだってあった。その中で特に思い出したくもないようなものについては敢えてスルーしてきた。
もっとも、そういうのの大半が、<個人的に嫌な人>にまつわることで、話の大筋には関係なかったりするから、詳しく語ると<ただの愚痴>とか<陰口>とか<一方的な悪者扱い>ってことにもなりかねないからさ。
私、そういうの好きじゃないんだ。
という訳で、たぶん今後も、私の視点からでは、
『こいつ死んだ方がよくね?』
的な印象を持たれそうな人のことについては敢えてスルーするか、必要があって触れるとしてもサラッと流す感じにしていくことにする。その所為で<物語>として見た時にはメリハリが少なくなって盛り上がりに欠けてもそれは別に構わない。
私を引き立てる為に誰かを悪者扱いするっていうの、嫌いだから。
<物語>なんて本当に無数にあるんだからさ。嫌な奴が出てきて、そいつに報いを受けさせてスカッとする、なんて話じゃないのが一つや二つあったっていいんじゃないかな。
『決まり切った形に収まってないと許せない』とみんなが言う。
そういうのを<同調圧力>って言うんじゃないの?
でもさ、人間ってそんな簡単な生き物じゃないよね。自分がこうやって生身の人間として現実の中で生きてるとさ。物語の中で出てくるような<分かりやすい展開>とか、<一度決まった流れは覆らない>なんてことの方がむしろ少ないなって実感しかないよね。
あんなに上手くはいかないんだ。
当然か。<物語>っていうのは、読んでて気持ち良くなれるようにそんな風に<構成>されてるんだからさ。
だけど時々、そういう風に都合のいい<物語>を真に受けちゃって、現実の自分との違いに絶望しちゃう人もいるみたいだね。
私はそういうの、すごく損だなって思う。現実は元々そういうものなのに、変に都合よく解釈しちゃって、でも当然ながらその通りには行かなくて、それで嫌な気分になるってさ、やっぱり損だよ。もったいないよ。
上手くいかないのが<人生>なんだ。そして、結果として上手くいった部分を切り貼りして再構成したものが<物語>なんだ。
ハッピーエンドで終わった物語のその後がどうなるかなんて誰にも分からない。苦しんで苦しんで最後に大逆転で良かった良かったざまーみろ、で終わった物語が本当にそのままで行けるのかなんて誰にも分からない。
逆に、バッドエンドで終わったように見えた物語が、その、誰かにとってのバッドエンドがあったことで救われることになったり、命を落とさずにすんだり、不幸な事件が起こらずに済んだってこともあるかもしれない。
私がこれまで語ってきたことも、実は一部をかいつまんで説明してるだけっていうのはある。調子よくいってるように見えて実際にはすご~く嫌な思いをしたことだってあった。その中で特に思い出したくもないようなものについては敢えてスルーしてきた。
もっとも、そういうのの大半が、<個人的に嫌な人>にまつわることで、話の大筋には関係なかったりするから、詳しく語ると<ただの愚痴>とか<陰口>とか<一方的な悪者扱い>ってことにもなりかねないからさ。
私、そういうの好きじゃないんだ。
という訳で、たぶん今後も、私の視点からでは、
『こいつ死んだ方がよくね?』
的な印象を持たれそうな人のことについては敢えてスルーするか、必要があって触れるとしてもサラッと流す感じにしていくことにする。その所為で<物語>として見た時にはメリハリが少なくなって盛り上がりに欠けてもそれは別に構わない。
私を引き立てる為に誰かを悪者扱いするっていうの、嫌いだから。
<物語>なんて本当に無数にあるんだからさ。嫌な奴が出てきて、そいつに報いを受けさせてスカッとする、なんて話じゃないのが一つや二つあったっていいんじゃないかな。
『決まり切った形に収まってないと許せない』とみんなが言う。
そういうのを<同調圧力>って言うんじゃないの?
0
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。
3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。
そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!!
こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!!
感想やご意見楽しみにしております!
尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる