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何度話を聞かされても『どうかなあ』という気持ちにはなる
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農家へと向かう馬車の上で、ブルイファリドは自分達に伝わってる<昔話>をとうとうと語ってくれたけど、以前にも言ったとおり、何百年の昔の話が果たしてどの程度正確に伝わってるかと言ったら、正直、懐疑的になるしかなかった。
特に私としては、奴隷達の祖先が、ブルイファリド達の祖先を裏切ったことで、壊滅寸前まで追い詰められるきっかけを作ったと言ってるのがこの国の貴族や王族という時点で裏を感じてしまうんだよね。
もちろんそれ自体が根も葉もない私の印象に過ぎないから口にはしないけど、何度話を聞かされても『どうかなあ』という気持ちにはなる。
『結局、勝った方の都合に合わせて歴史ってのは作られていくんだなあ』
それが実感だよ。
だけどそれを嘆いても過去は変えられない。私はただ、これから先を考えていこうと思う。
農家での講習と説明会を終えて、私とルイスベントとブルイファリドとティンクフルムは詰所へと帰ってきた。今日の仕事自体は問題なく終えられて、心地好い疲労感がある。
「おかえりなさい」
と迎えてくれたのは、アルカセリスとリルムメリサだった。
「お茶にしますか?」
アルカセリスが優しく問い掛けてきてくれる。
私がフッてしまったことで懸念してたサボタージュも殆ど見られず、一安心だった。
とは言え、数日の間は仕事が手につかない感じだったけどね。
ぼんやりしてしまったりとか、凡ミスを繰り返したりだとか。
だけど仕事そのものへの意欲は失われた訳じゃなかったみたい。なんとか気持ちを持ち直してからはちゃんとこなしてくれてる感じだ。
「仕事を頑張ればそれだけ近くにいられますから」
そう考えるようにしてくれたのはありがたいし、仕事をする人間としては立派な心掛けだと思う。
正直、色恋沙汰でそれまでの自分の立場とか仕事を投げ捨ててしまう人間の気持ちは理解できないかな。
それで言えばルイスベントの行動も、私にとっては理解の外だった。
でも、そっちを選ぶ人間がいることも、別に否定したい訳じゃないんだ。私には理解できないというだけで。
だからルイスベントのことも受け入れられたんだし。
他人の本音や本心や本性が何もかも分かるなんて、幻想もいいところだと思う。自分が勝手に想像してるのを押し付けてるだけにしか思えない。
で、自分が想像してたのと違ってたら、
『そんな人だとは思わなかった!』
とか言うんだよな。それはこっちのセリフだよって感じだ。
自分の思う通りになってくれないと許せないっていうタイプとは関わりたくないな。
仕事でも、プライベートでも。
特に私としては、奴隷達の祖先が、ブルイファリド達の祖先を裏切ったことで、壊滅寸前まで追い詰められるきっかけを作ったと言ってるのがこの国の貴族や王族という時点で裏を感じてしまうんだよね。
もちろんそれ自体が根も葉もない私の印象に過ぎないから口にはしないけど、何度話を聞かされても『どうかなあ』という気持ちにはなる。
『結局、勝った方の都合に合わせて歴史ってのは作られていくんだなあ』
それが実感だよ。
だけどそれを嘆いても過去は変えられない。私はただ、これから先を考えていこうと思う。
農家での講習と説明会を終えて、私とルイスベントとブルイファリドとティンクフルムは詰所へと帰ってきた。今日の仕事自体は問題なく終えられて、心地好い疲労感がある。
「おかえりなさい」
と迎えてくれたのは、アルカセリスとリルムメリサだった。
「お茶にしますか?」
アルカセリスが優しく問い掛けてきてくれる。
私がフッてしまったことで懸念してたサボタージュも殆ど見られず、一安心だった。
とは言え、数日の間は仕事が手につかない感じだったけどね。
ぼんやりしてしまったりとか、凡ミスを繰り返したりだとか。
だけど仕事そのものへの意欲は失われた訳じゃなかったみたい。なんとか気持ちを持ち直してからはちゃんとこなしてくれてる感じだ。
「仕事を頑張ればそれだけ近くにいられますから」
そう考えるようにしてくれたのはありがたいし、仕事をする人間としては立派な心掛けだと思う。
正直、色恋沙汰でそれまでの自分の立場とか仕事を投げ捨ててしまう人間の気持ちは理解できないかな。
それで言えばルイスベントの行動も、私にとっては理解の外だった。
でも、そっちを選ぶ人間がいることも、別に否定したい訳じゃないんだ。私には理解できないというだけで。
だからルイスベントのことも受け入れられたんだし。
他人の本音や本心や本性が何もかも分かるなんて、幻想もいいところだと思う。自分が勝手に想像してるのを押し付けてるだけにしか思えない。
で、自分が想像してたのと違ってたら、
『そんな人だとは思わなかった!』
とか言うんだよな。それはこっちのセリフだよって感じだ。
自分の思う通りになってくれないと許せないっていうタイプとは関わりたくないな。
仕事でも、プライベートでも。
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