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そんなだから、やたらと虐げられてる訳でもないんだよ
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ブルイファリド達の民族については、この近隣の国においては<東からの侵略者>といったイメージが強いらしい。
もっともそれは、あくまで対立する形になったそれぞれの国でのイメージであって、ブルイファリド達の祖先はそんなに無茶なことをしてきた訳じゃなかった。もちろん、少なからず武力による衝突もあったものの、どうやらそれは、逆に、その地域に元々住んでた人達を他民族の侵略から守ろうとしたという側面もあったらしい。
彼らは、元々は武芸に秀でた部族として、様々な国から依頼を受けてはそれに協力するという、ある意味では<傭兵>的な活動をしていたらしい。
ただ、<傭兵>と言うには規模がすごく大きくて、実働部隊とそれを支える人達合わせて、最大のものになると数万人の規模で移動しながら戦ってたらしいんだ。
それでいて、戦ってばかりっていうのでもなくて、高い土木技術と農業技術も持っていて、行った先々で町や畑を作りながら文化的にも交流し、互いに文化を取り入れつつ、国を作り上げていったんだって。
だから決して暴力的に<侵略>してた訳じゃないみたい。
とは言え、対立することになる相手からは侵略者のようにも見えただろうから、そういう風に喧伝されたものも当然伝わってて、その辺りの悪評を信じてる国や地域もあるってことだよね。
ま、こればっかりは立場の違い、『正義の敵は別の正義』ってやつだろうから、どうしてもそういうこともあると思うよ。
でも、この国での、王族や貴族を構成する人達が持ってる差別意識はそれともちょっと違うのかな。どちらかと言えば向こうの側が<選民思想>の持ち主で、
『自分達の民族こそが神によってこの世界に遣わされた至高の存在であり、それ以外の民族は自分達に仕える為にやはり神が作りたもうた従者である』
的な認識みたいだね。
つまるところ、ここの王族や貴族達は、自分達以外は下賤の民って思ってて、ことさらブルイファリド達の民族だけを見下してる訳じゃないってことか。
そんなだから、やたらと虐げられてる訳でもないんだよ。あくまで気分の問題って感じ。
しかも私は<魔法使い>だというのもあって、この世界では基本的に敬われる側でもある。以前にも言ったとおり、貴族に準ずる存在で、特に優秀と認められれば、爵位だって与えられるのが普通だったりするんだ。
で、これまでにも<差別>による目立った実害はなかったんだ。
そういう形ででも、私は運が良かったと思う。魔法に対する適性があったのは、決して私の努力の結果じゃない。たまたまだからね。
その意味でも、思い上がって変に波風立てるのはやめようと思ってるんだ。
もっともそれは、あくまで対立する形になったそれぞれの国でのイメージであって、ブルイファリド達の祖先はそんなに無茶なことをしてきた訳じゃなかった。もちろん、少なからず武力による衝突もあったものの、どうやらそれは、逆に、その地域に元々住んでた人達を他民族の侵略から守ろうとしたという側面もあったらしい。
彼らは、元々は武芸に秀でた部族として、様々な国から依頼を受けてはそれに協力するという、ある意味では<傭兵>的な活動をしていたらしい。
ただ、<傭兵>と言うには規模がすごく大きくて、実働部隊とそれを支える人達合わせて、最大のものになると数万人の規模で移動しながら戦ってたらしいんだ。
それでいて、戦ってばかりっていうのでもなくて、高い土木技術と農業技術も持っていて、行った先々で町や畑を作りながら文化的にも交流し、互いに文化を取り入れつつ、国を作り上げていったんだって。
だから決して暴力的に<侵略>してた訳じゃないみたい。
とは言え、対立することになる相手からは侵略者のようにも見えただろうから、そういう風に喧伝されたものも当然伝わってて、その辺りの悪評を信じてる国や地域もあるってことだよね。
ま、こればっかりは立場の違い、『正義の敵は別の正義』ってやつだろうから、どうしてもそういうこともあると思うよ。
でも、この国での、王族や貴族を構成する人達が持ってる差別意識はそれともちょっと違うのかな。どちらかと言えば向こうの側が<選民思想>の持ち主で、
『自分達の民族こそが神によってこの世界に遣わされた至高の存在であり、それ以外の民族は自分達に仕える為にやはり神が作りたもうた従者である』
的な認識みたいだね。
つまるところ、ここの王族や貴族達は、自分達以外は下賤の民って思ってて、ことさらブルイファリド達の民族だけを見下してる訳じゃないってことか。
そんなだから、やたらと虐げられてる訳でもないんだよ。あくまで気分の問題って感じ。
しかも私は<魔法使い>だというのもあって、この世界では基本的に敬われる側でもある。以前にも言ったとおり、貴族に準ずる存在で、特に優秀と認められれば、爵位だって与えられるのが普通だったりするんだ。
で、これまでにも<差別>による目立った実害はなかったんだ。
そういう形ででも、私は運が良かったと思う。魔法に対する適性があったのは、決して私の努力の結果じゃない。たまたまだからね。
その意味でも、思い上がって変に波風立てるのはやめようと思ってるんだ。
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