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個人的な感情で自分の役目を疎かにする人は
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人は、一人一人が代わりのない、かけがえのない存在だ。だから大切だし、喪えば悲しくもなる。
だけど、こと<仕事>という点においては、本当に唯一無二の存在なんて滅多にいない。
確かに、メロエリータの代わりができる人はまずいないと思う。それについては否定しない。でも、ルイスベントやバンクレンチ達の代わりができる人ならいると思う。
だから、個人的な感情で自分の役目を疎かにする人は、<仕事の仲間>という形では要らない。ただの友人や知人としてなら付き合えても、それはそれ、これはこれ、だ。
もしこれでアルカセリスが私を避けるようになったりして私の仕事に差し障るようなことがあったら、容赦なく替わってもらう。そもそも彼女の仕事は、資料の整理やスケジュールの調整だから、彼女でなくても問題ないんだ。
<人間>としては代わりがいなくても、<職員>としては代わりはいるんだよ。その辺りを混同しちゃいけないと思う。
『自分でなくちゃ』というのは、少なくない割合でただの思い上がりなんだ。
誰か一人におんぶにだっこでその人がいないと機能しない職場なんてのは、管理者に管理能力がないってことを露呈してるとしか思わない。
正直、私だって、私がやってることをきちんと理解してもらえれば代わってもらうことはできる。実際、ファルトバウゼン王国のカリン商会は今、レンガトレント支社が本社として機能してる。アウラクレアからの手紙でも、滞りなく業務は行われてるそうだ。
それどころか、レンガトレント支社のウォレンタルマが、私の残した資料を基に研究を進め、次々と新しい作物の育成に成功してるんだって。
こういうことだよ。私はただ、ちょっとばかり進んだ知識を持ってただけで、私自身が唯一無二の存在だった訳じゃないんだ。
こうして知識や技術が定着していけば私はもう不要になる。そりゃ、元々は余所者で好き勝手してた私が疎まれるのも当然って話だよね。
恩知らずとか何とかそんなことも考えない。気にしない。そもそもこの世界に寄る辺ない私を今まで生かしておいてくれただけでも、こっちが感謝しないといけないよ。いい気がしないのは事実でも、陛下が労ってくれただけでもう十分だ。
それどころか、私という一人の人間を唯一無二と考えてくれて爵位を捨ててまで追いかけてきてくれた男性までいたんだ。私は十分に幸せ者だよ。
だから私はきっぱり言った。
「アルカセリス。私は彼と結婚する。だからあなたの気持ちには応えられない。それでもし、あなたが私の仕事を手伝えないと言っても私はそれを責めたりしない」
だけど、こと<仕事>という点においては、本当に唯一無二の存在なんて滅多にいない。
確かに、メロエリータの代わりができる人はまずいないと思う。それについては否定しない。でも、ルイスベントやバンクレンチ達の代わりができる人ならいると思う。
だから、個人的な感情で自分の役目を疎かにする人は、<仕事の仲間>という形では要らない。ただの友人や知人としてなら付き合えても、それはそれ、これはこれ、だ。
もしこれでアルカセリスが私を避けるようになったりして私の仕事に差し障るようなことがあったら、容赦なく替わってもらう。そもそも彼女の仕事は、資料の整理やスケジュールの調整だから、彼女でなくても問題ないんだ。
<人間>としては代わりがいなくても、<職員>としては代わりはいるんだよ。その辺りを混同しちゃいけないと思う。
『自分でなくちゃ』というのは、少なくない割合でただの思い上がりなんだ。
誰か一人におんぶにだっこでその人がいないと機能しない職場なんてのは、管理者に管理能力がないってことを露呈してるとしか思わない。
正直、私だって、私がやってることをきちんと理解してもらえれば代わってもらうことはできる。実際、ファルトバウゼン王国のカリン商会は今、レンガトレント支社が本社として機能してる。アウラクレアからの手紙でも、滞りなく業務は行われてるそうだ。
それどころか、レンガトレント支社のウォレンタルマが、私の残した資料を基に研究を進め、次々と新しい作物の育成に成功してるんだって。
こういうことだよ。私はただ、ちょっとばかり進んだ知識を持ってただけで、私自身が唯一無二の存在だった訳じゃないんだ。
こうして知識や技術が定着していけば私はもう不要になる。そりゃ、元々は余所者で好き勝手してた私が疎まれるのも当然って話だよね。
恩知らずとか何とかそんなことも考えない。気にしない。そもそもこの世界に寄る辺ない私を今まで生かしておいてくれただけでも、こっちが感謝しないといけないよ。いい気がしないのは事実でも、陛下が労ってくれただけでもう十分だ。
それどころか、私という一人の人間を唯一無二と考えてくれて爵位を捨ててまで追いかけてきてくれた男性までいたんだ。私は十分に幸せ者だよ。
だから私はきっぱり言った。
「アルカセリス。私は彼と結婚する。だからあなたの気持ちには応えられない。それでもし、あなたが私の仕事を手伝えないと言っても私はそれを責めたりしない」
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