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って、いかんいかん。つまらないこと思い出しちゃったな

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私がここまでやってこれたのは、ご都合主義の展開があったからじゃないよ。他人の目にはそう見えるかもだけど、それは一部分だけしか見えてないからだ。

もちろん、私がネローシェシカに出逢えたり、メロエリータをはじめとした素晴らしい仲間と出逢えたのは運が良かったからっていうのもあると思う。でも、その出逢いを活かすことができたのは、私自身が現実に即した対応をしたからっていうのもあると思うんだ。

ネローシェシカの前で『元の世界に帰りたい!』と子供みたいに泣き喚いて彼女を困らせたりだとか、『奴隷なんて認められない!』とシュプレヒコールを上げて体制に歯向かったりだとか、ドラマを盛り上げる上で必要なイザコザを起こさないようにしてきたから、無理なくやってこれたっていうのはあると思うんだよ。

それこそ、運を天に任せるような行き当たりばったりなことをしなかったっていうのがね。

なるほどそんなことをしてたらドラマとしては盛り上がらないだろう。見せ場もない平板な展開になるだろう。でも私は他人の慰み物になるつもりなんてないんだよ。私は私の人生を歩んでるの。

<面白いドラマ>なんてクソ食らえ!だ。私は自分のやりたいようにやる。文句なら勝手に言ってくれてて構わないけど、それが私の耳に届くことはないと思った方がいいね。

私の人生は私のものだ。そして私は、本来、平凡で平穏で単調で淡々とした日常を送るのが好きなんだ。

私の両親や兄は刺激的な毎日を求めてたみたいだけど、そんな連中の起こすトラブルに巻き込まれて私がどれだけ神経をすり減らしてきたか。

思い出すのも忌々しい。

まあ、私が、元の世界にあまり未練を感じない原因がそこにあると言えばそうなんだけどさ。

まったく……子供は親を選んで生まれてこれないって現実もつくづく思い知らされてきた。今でこそそれなりに受け止められるようにはなったけど、昔はそれを呪ったよ。心底ね。

でも、どれだけ呪っても恨んでも自分の生まれを変えることはできない。それを無かったことにしようとしても、見て見ぬふりをしようとしても、そんなことをすればするほど、逆に現実を思い知らされるだけだった。

私が今の状況を受け入れられるのは、『あの頃に比べればまだマシ』っていうのもあったと思う。それに比べたら天国だよ。今は。

たとえ、死が隣り合わせであったとしてもね。

少なくとも、自分と血の繋がった親や兄に殺されそうになる訳じゃないから。



って、いかんいかん。つまらないこと思い出しちゃったな。

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