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そのまま彼女の真似をしても上手くいくとは思わない
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この辺りについてはもう、何度も何度も表現してきたことだし改めて触れる必要もないかな。手順さえきっちりしてればここは躓くことはないんだ。問題はあくまで、関係各所の担当者の説得。その為の材料となる実績集めをしなきゃいけない。
牛糞を用いた堆肥の次は、当然、人間のそれを堆肥化したものの確保だ。いつもの回収が来る前で三日分のが溜まったティンクラウラ達の家のトイレのを桶に汲み出して、私は堆肥化の魔法を掛けた。
「土だ……」
桶の中には本当にただの土のようになった堆肥があっただけだった。それを覗き込んだティンクラウラの父親が呟く。
でも、母親の方は、
「確かに土になったけど、元があれだと思うと、普通の人らはどう思うのかしら……嫌がったりしない…?」
と心配顔だ。
その懸念も分かる。実際、これまでにも障壁となってきた。詳しくない人ほど、『ウンチを撒いた畑で採れた』と捉えられてしまうと、露骨に嫌な顔をされた。
だけどその辺りも、メロエリータが、
「魔法によって処理したそれを捨てた川で採れた魚をこれまで食べてきたではありませんか。それと大きな違いはありませんよ」
と、しっかり堆肥化して臭いもなくなったものを実際に示しながら説明し、自ら畑で採れたものを食べてみせることで説得してきたらしい。
もっとも、私はそれだけじゃなくて、そこに至るまでの彼女の口八丁手八丁によって、自分の言葉を信じさせるように仕向けていったんだろうなって分析してるけどね。だから私がそのまま彼女の真似をしても上手くいくとは思わない。
私の場合はもっと、時間を掛けてじっくりとやらなきゃいけないだろうな。
だからそれと並行して、まずは作物の出来という実績を積み重ねていく。
ティンクラウラの家の畑で、二十日大根やレタスに続き、本命の大豆(に似た野菜)を植えていく。
そしてそれらがぐんぐんと生育していく様子を、近所の農家の人達にも見てもらう。
すると、
「うちでも試してみようかな」
という人も出始めた。
その人の畑も見せてもらうと、そこもやっぱり元水田で、土の入れ替えが必要だった。だからブルイファリドに頼んでまた、軍の部隊を派遣してもらって土の入れ替えを行った。
この時、
「本当にここまでやらなくちゃいけないのかい?」
とも言われたから、敢えて土を入れ替えずに堆肥だけを混ぜ込んで耕した黒い土の畑にも同じように植えてみて、発育の違いを見てもらうことにした。
「別にそんなに違わないように見えるがなあ…」
芽が出てしばらくの間はそんな風に言ってた人も、日が過ぎるほどに発育に差が出てくるのを確かめると、
「こんなに違うものなのか……?」
なんて、言葉を失ってたのだった。
牛糞を用いた堆肥の次は、当然、人間のそれを堆肥化したものの確保だ。いつもの回収が来る前で三日分のが溜まったティンクラウラ達の家のトイレのを桶に汲み出して、私は堆肥化の魔法を掛けた。
「土だ……」
桶の中には本当にただの土のようになった堆肥があっただけだった。それを覗き込んだティンクラウラの父親が呟く。
でも、母親の方は、
「確かに土になったけど、元があれだと思うと、普通の人らはどう思うのかしら……嫌がったりしない…?」
と心配顔だ。
その懸念も分かる。実際、これまでにも障壁となってきた。詳しくない人ほど、『ウンチを撒いた畑で採れた』と捉えられてしまうと、露骨に嫌な顔をされた。
だけどその辺りも、メロエリータが、
「魔法によって処理したそれを捨てた川で採れた魚をこれまで食べてきたではありませんか。それと大きな違いはありませんよ」
と、しっかり堆肥化して臭いもなくなったものを実際に示しながら説明し、自ら畑で採れたものを食べてみせることで説得してきたらしい。
もっとも、私はそれだけじゃなくて、そこに至るまでの彼女の口八丁手八丁によって、自分の言葉を信じさせるように仕向けていったんだろうなって分析してるけどね。だから私がそのまま彼女の真似をしても上手くいくとは思わない。
私の場合はもっと、時間を掛けてじっくりとやらなきゃいけないだろうな。
だからそれと並行して、まずは作物の出来という実績を積み重ねていく。
ティンクラウラの家の畑で、二十日大根やレタスに続き、本命の大豆(に似た野菜)を植えていく。
そしてそれらがぐんぐんと生育していく様子を、近所の農家の人達にも見てもらう。
すると、
「うちでも試してみようかな」
という人も出始めた。
その人の畑も見せてもらうと、そこもやっぱり元水田で、土の入れ替えが必要だった。だからブルイファリドに頼んでまた、軍の部隊を派遣してもらって土の入れ替えを行った。
この時、
「本当にここまでやらなくちゃいけないのかい?」
とも言われたから、敢えて土を入れ替えずに堆肥だけを混ぜ込んで耕した黒い土の畑にも同じように植えてみて、発育の違いを見てもらうことにした。
「別にそんなに違わないように見えるがなあ…」
芽が出てしばらくの間はそんな風に言ってた人も、日が過ぎるほどに発育に差が出てくるのを確かめると、
「こんなに違うものなのか……?」
なんて、言葉を失ってたのだった。
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