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昔の日本によく見られた、<ぼっとん便所>と呼ばれるタイプのトイレが
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独身の役人用宿舎の一部屋を借りてそこに腰を落ち着けた私は、さっそく、ティンクフルムの実家の畑の土を、<顕微魔法>を使って詳しく調べ始めた。
するとやはり、黒い土は粘土質の、水田向きの土で、今、栽培されている大豆によく似た豆には、その下にあった赤い土の方がまだマシだろうというのが確認された。
ただそちらは養分が乏しく、今のままではやっぱり万全とは言えない。堆肥を加えて調節しないといけないだろうな。
次に私は、宿舎の共同トイレへと向かった。そう。ここには<トイレ>があるのだ。昔の日本によく見られた、<ぼっとん便所>と呼ばれるタイプのトイレが。
でも、畑の方には、人肥を発酵させる為の<肥溜め>が見当たらなかった。独特の匂いも、ほんの僅かにはあったものの、近くにいくつもあるような形では見当たらなかった。
昨日、ブルイファリドに尋ねたところ、
「<肥溜め>? 何ですかそれは?」
って、どうやら本当に<肥溜め>は存在しないらしいというのが分かった。
じゃあ、<ぼっとん便所>に溜められた排泄物がどうなるかと言うと、それ専門の奴隷が汲み出して運び、専用の処分場で一括して魔法で処理してしまうそうだ。
そこで明日は、その処分場に行こうと思う。この国に適した堆肥の収集方法を考えないといけないからね。
ところで、後で分かったことなんだけど、この国に<肥溜め>がなかったのは、今の国になった時、当時の国王が<肥溜め>の臭いに激怒して禁止したかららしい。
そう。昔はこの国でも人肥を利用してたんだ。
でも当時は、<肥溜め>で自然発酵させてから使うという形だったから、当然、臭いもしただろう。今では日本でも人肥の使用には厳しい規定が加えられてるくらいだから、臭いとかを嫌う人は当然いると思う。私だってさすがに傍にはいたくない。
それに、幸いなことに昔は肥沃な土がすぐに手に入る状態だったらしくて、そちらを馬車で運んで畑の土として使ってたそうだ。
だけどそれも、取り付くしてしまって手に入りにくいらしい。現状ですぐに手に入る土の量だと、ほんの表面を覆う程度になってしまうみたいだ。
だから急いで、十分な量の堆肥を確保できるようにしないといけない。
その為にも、排泄物の処分場にはいかないとね。
と、その前に再度確認を。
「ごめん、ちょっといいかな」
宿舎は、一応、男性用と女性用に分かれてはいるんだけど、建物はすぐ隣り合ってて、当然、オートロックみたいなものもなくて、行き来自由だった。
そんな訳で私も男性用の宿舎の、ティンクフルムの部屋をノックしたのだった。
するとやはり、黒い土は粘土質の、水田向きの土で、今、栽培されている大豆によく似た豆には、その下にあった赤い土の方がまだマシだろうというのが確認された。
ただそちらは養分が乏しく、今のままではやっぱり万全とは言えない。堆肥を加えて調節しないといけないだろうな。
次に私は、宿舎の共同トイレへと向かった。そう。ここには<トイレ>があるのだ。昔の日本によく見られた、<ぼっとん便所>と呼ばれるタイプのトイレが。
でも、畑の方には、人肥を発酵させる為の<肥溜め>が見当たらなかった。独特の匂いも、ほんの僅かにはあったものの、近くにいくつもあるような形では見当たらなかった。
昨日、ブルイファリドに尋ねたところ、
「<肥溜め>? 何ですかそれは?」
って、どうやら本当に<肥溜め>は存在しないらしいというのが分かった。
じゃあ、<ぼっとん便所>に溜められた排泄物がどうなるかと言うと、それ専門の奴隷が汲み出して運び、専用の処分場で一括して魔法で処理してしまうそうだ。
そこで明日は、その処分場に行こうと思う。この国に適した堆肥の収集方法を考えないといけないからね。
ところで、後で分かったことなんだけど、この国に<肥溜め>がなかったのは、今の国になった時、当時の国王が<肥溜め>の臭いに激怒して禁止したかららしい。
そう。昔はこの国でも人肥を利用してたんだ。
でも当時は、<肥溜め>で自然発酵させてから使うという形だったから、当然、臭いもしただろう。今では日本でも人肥の使用には厳しい規定が加えられてるくらいだから、臭いとかを嫌う人は当然いると思う。私だってさすがに傍にはいたくない。
それに、幸いなことに昔は肥沃な土がすぐに手に入る状態だったらしくて、そちらを馬車で運んで畑の土として使ってたそうだ。
だけどそれも、取り付くしてしまって手に入りにくいらしい。現状ですぐに手に入る土の量だと、ほんの表面を覆う程度になってしまうみたいだ。
だから急いで、十分な量の堆肥を確保できるようにしないといけない。
その為にも、排泄物の処分場にはいかないとね。
と、その前に再度確認を。
「ごめん、ちょっといいかな」
宿舎は、一応、男性用と女性用に分かれてはいるんだけど、建物はすぐ隣り合ってて、当然、オートロックみたいなものもなくて、行き来自由だった。
そんな訳で私も男性用の宿舎の、ティンクフルムの部屋をノックしたのだった。
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