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新しい考え方をすんなりと受け入れられないっていうのは

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クレフリータがそうやってご機嫌なのは私にとっても嬉しいことだった。それは根回しとかが上手くいってるっていうことでもあるし。

この手の<新しい手法>を取り入れる時の一番の障壁は、既得権益を得てる層や、新しい考え方とかにどうしても先入観を持ってしまう層からの横槍に煩わされるってことだというのもあると思うんだ。クレフリータは、そういう部分を本当に上手く対処してくれる。

ただ、既得権益を得ててそれを大事にしたいと思ってる層については、<新しい手法>がもたらすであろう利益について具体的に想像できるような形で説明すると、割と乗ってきてくれることも多いらしい。当然か。自分達の利益とかが損なわれるのが嫌な訳だから、それを上回る<益>があるならって思うだろうし。

それよりは、自分達の価値観や常識が大事で、変化を好まないタイプの人達の方が扱いは難しいんだって。

これについては私も実感がある。

農民達にもやっぱり一定の割合でそういう人達がいて、<その人達に納得してもらうのが一番の労力>だったりすることもある。

特に、かつて堆肥を使おうとして失敗したっていう経験を持つ人達の堆肥に対する不信感は根強く、基本的にはそういう人達にはまず実際の結果を見てもらうしか説得する方法はないって感じかな。

ここでも、一部の地方では未成熟な堆肥を試そうとして逆に病気が蔓延したことがあったそうで、陛下の意向だって言っても難色を示してたっていうのがあった。

この辺りのことをあまり詳しく描写すると、その農民達がただの頑迷な愚者に見えてしまう可能性があるから敢えて簡単にしか触れないようにしようと思った。彼らがそう感じてしまうのもちゃんと理由があってのことだから、単純に悪者扱いしたくないんだ。

真面目なんだよ。真面目だからこそ軽々しく考えを変えてしまえない。

そういうところについては、とにかく、私のやってることが変に凝ったトリッキーなものじゃなくて、あくまで自然に養分が畑にもたらされる仕組みの一部を合理化してるだけってことを理解してもらえるまで実例を見てもらいながら丁寧に説明した。

そりゃね。こっちが指示するやり方を素直にはいはいと聞いてくれる方が楽なのは楽だよ?。いつもそうであってくれたらいいのになというのも正直な気持ち。だけどさ、そういうのって悪意で騙そうとしてたり間違って伝わったことでもそのまま鵜呑みにしてしまって結果的に大損害なんてこともあると思うんだ。

だから新しい考え方をすんなりと受け入れられないっていうのは、ある意味では慎重さの裏返しでもある訳で、そういう人達を蔑ろにするのもなんか違うかなって思うんだよね。

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