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ああ~、自分が日本人だってことを思い知らされるぅ~…!

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「あ~、やっぱり家はいいわ~……」

アウラクレアが待つクレガマトレンのカリン商会本社兼家に帰って、私はソファーに沈み込んでた。

マジで家の良さを実感する。

しかもそれだけじゃなかった。

「これ、<コメ>って言うらしいね? カリンの言ってた通りに炊いてみたんだけど、どうかな。上手く作れたかな」

「うお~っ! これだよこれ! 白いご飯~っ!!」

アウラクレアが私の前に出してくれたのは、ホッカホカで湯気を上げる真っ白(って現代日本の精米技術に比べるとちょっと玄米ご飯っぽい色味はあったけど)な<白ご飯>だった。

試験用に畑を買って作ってもらってたのがようやく収穫できたってことだ。

他には何もない、完全にご飯だけだったけど、今はそれで十分だった。ご飯そのものを味わいたかったから。

何度も何度も噛み締めて口の中に広がるご飯の<味>を、私はとにかく堪能した。

美味しい! たまらない! 泣ける……!

ホントに涙が溢れてきて止まらない。

ああ~、自分が日本人だってことを思い知らされるぅ~…!

たぶん、今の日本産のお米に比べればまだまだな品質だと思う。精々が三等米か、ギリギリ二等米にかすってるかなくらいだろう。だけどそれで当たり前なんだ。日本のお米の美味しさは、米農家の人達の並々ならない努力の積み重ねの結果なんだから、ようやく手に入れた種籾をそのままロクに選別もせずに蒔いて何とか育てただけのものと一緒にするのが間違ってる。むしろ規格外相当で当然だ。

それを、ここまでまともな米に育て上げた人には感謝しかない。そしてその<人>とは、バンクハンマだった。

自分の畑も見ながら、カリン商会の試験用畑も担当してくれた。もちろんバンクハンマだけじゃなくて、王国の農業技術者達がその畑で作物の研究をしてる。その成果がこの<米>だ。

「なんかただ真っ白くてねとねとしてるだけで、あんまり美味しそうに見えないんだけど、カリンにとっては泣くほど美味しいんだね」

アウラクレアが苦笑いしながらそう言った。まあでもこれは食文化の違いだから彼女がそう思うのも無理ないことだ。

「故郷の味ってやつだからね~…」

彼女もそれで納得してくれる。

あの畑では大豆も試してるところだ。ただし、味噌や醤油を作るには麹菌やら乳酸菌やら酵母やらといった様々な細菌を確保しなきゃいけないからそれはこれからだけど、米だけでも用意できるようになったのは、本当に励みになる。

これから米そのものの品質も上げていって、売り物にしていくことを目指したい。

と言っても、この辺りじゃやっぱり小麦のシェアが盤石だと思うけどね。

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