ショタパパ ミハエルくん(耳の痛い話バージョン)あるいは、(とっ散らかったバージョン)

京衛武百十

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第三幕

ああでも、一口に<謝る姿>って言っても、気を付けないといけないよね。実際には反省なんてしてないけど口先だけで謝ってる姿なんて

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『私は失敗の多い人間だよ。だからこそ、悠里ユーリ安和アンナ椿つばきが何か失敗しただけで怒鳴ったりしないことを心掛けてる。

と言っても、咄嗟の場合にはついってことがあるのも事実。

でも、だからこそ私は自分が失敗した時にはちゃんと謝るようにしてるんだ。

子供相手でも。

ううん、相手が子供だからこそ、自分が失敗した時にはちゃんと謝らなくちゃって思ってる。親自身が、失敗した時にはちゃんと謝る姿を子供の前で見せるからこそ、子供も、自分が失敗した時にちゃんと謝れる人になってくれるんじゃないの?って考えるんだ。

親がそういう姿も見せないで、それどころか、自分が失敗しても謝ることもしない姿を親が見せててどうして子供が謝れる人になれるとか思えるのかが分からない。

思い当たる節は、本当にないの?

ああでも、一口に<謝る姿>って言っても、気を付けないといけないよね。

実際には反省なんてしてないけど口先だけで謝ってる姿なんて、<謝ってる>なんて言えないはずだし。

そんな姿を見せてても、やっぱり、ちゃんと謝れる人間には育たないだろうなあ。

だって自分でも、そんな口先だけの謝罪とか、認められる? 『謝ってる』なんて思う?

思わないのならそれが答だよ。

子供だって親がちゃんと反省して謝ってるのかそれとも口先だけで<謝ってるフリ>をしてるのかぐらい、何度も見てれば察するようになるよ。

他人にあれこれ言われてペコペコしてるだけの謝罪ってのも、たぶん、<実は反省なんかしてない謝罪してるフリ>だよね。

取り敢えずその場をやり過ごせばいいっていうだけの。

そんな姿を見てて子供が、『謝罪するというのはどういうことか?』っていうのを学べると思う?

私にはとても思えないよ。

だから子供の前で『謝る姿を見せない』のも『実は反省なんかしてない謝罪してるフリで謝ってみせる』のも、どっちも親の甘えだと思う。

親だって人間だから失敗もするし甘えたくなる時だってある。私だってそうだ。

でもね、自分が失敗を許してもらいたいなら、甘えることも許してもらいたいなら、子供に対しても完璧を求めちゃおかしいでしょうが?

それだけの話なんだよ。

それだけの話なのに、親の失敗や甘えは許されるべきで、子供の失敗や甘えは許さないってやるからおかしくなるんじゃないの?

ましてや子供は大人ほど経験を積んでないから上手くできないのが当たり前なんだよ。失敗しても何度も挑戦することでできるようになっていく。

だからさ、『失敗するな!』じゃなくて、『失敗から何を学ぶか?』が大事なんだって、私は自分の経験から学んだよ。

だから私は、みんなを怒鳴らない叩かない。

怒鳴る叩くじゃなくて、『何が問題だったのか? 同じ失敗をしないためにはどうすればいいのか?』みんなと一緒に考えることを心掛けてる。

私の作品のキャラクターも、多くがそれを心掛けてるよ。

だからあまり他人を責めないんだ』



そうだね。<責める>ことが目的になってしまっては、問題の本質を見失う。責めて罰を与えて溜飲を下げてそれで問題が解決した気になってしまっては、次に活きない。

『責めて罰を与えること』と『問題の解決を図ること』は、まったく別の話なんだ。

悠里達にもそれを分かってもらわないといけないからね。

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