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第三幕
一部のわきまえてない人の所為で規制が強化されるのとかも、これまでにも何度もあったことじゃん。どうしてそういう過去から学ばないの?
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『SNSをはじめとしたインターネットは、サバンナじゃないし紛争地帯でもない。
<法の支配>が及ぶ、れっきとした人間社会の<公共の場>なんだよ。そこで人間として振る舞えないのなら、何らかの罰(あくまで法に基づいた)があっても当然じゃん。
一部のわきまえてない人の所為で規制が強化されるのとかも、これまでにも何度もあったことじゃん。『どうしてそういう過去から学ばないの?』って思う。『どうして<わきまえてない人>の方を正当化すんの? それで規制が強化されるとなったら文句言うとか、甘えるのも程々にしたらどうなの?』って思うんだ。
ってか、とにかく、『理由さえあったら他人を死ぬまで追い詰めても構わない』みたいに考えてるのを野放しにしてて何が<人間社会>よ。おかしいでしょ。
昔の私自身がそういう思考のヤバい奴だったから余計にそう思う。
そして、私の場合は、<ヤバい私を野放しにしなかった人>がいてくれたから助かったんだよね。今の幸せが掴めたんだ。
じゃなきゃ私は、両親や兄をなんとか自殺に追い込んでやろうとか本気で考えてたと思う。
てか、そこまで本気ではなかったけど、実際に、『あ~、あいつら死んでくんね~かな~……』くらいには考えてたんだよね。
それに比べたら、今は、嫌いだし憎んでるのは事実でも、『死んでくれ』とまでは考えてない。
まあそれでも、死んでも悲しまないだろうなというのは今でもあるけどさ。
だけど私は、そんな自分を正当化しようとは思わないんだ。実の親や兄が死んでも、『スカッとした』とか思ってしまいそうな自分を、人間として恥ずかしいとは思ってる。だから悠里や安和や椿には、昔の私と同じにはなってほしくないんだ。
他人の死を願う必要がないようにしようと思ってる。
これは<綺麗事>じゃないんだよ。自分が幸せになるために具体的に必要なものなんだ。<実利>そのものなんだよ。
他人に対して『死んでも構わない』とか考えてるようなのは、たとえ物質的に豊かになっても精神面で幸せにはなれない。
だって、<自分にとって都合の悪い相手>ってのは、永遠にいなくならないから。
日常的に現れる<自分にとって都合の悪い相手>に対して毎度毎度ムカつくことになるからね。
コンビニ店員に対していちいちムカついてる人とかって、幸せそうに見える?
ホントに幸せそうな人とかって、そんな些細なことにいちいち苛々してないって思わない?
ましてや、SNSで相手が死ぬまで罵詈雑言ぶつけてるような人とか、幸せそうに見えないどころか<まとも>にも見えないと思うんだけど?
何度も言うけど、自分の子供や家族や身近な人が誰かを死ぬまで追い詰めてるのを放っておけるのが分からない。
分かるけど、分からない。分かりたくない』
アオはそう言って、悠里達を真っ直ぐに見詰めて、
『だってそんなことしてたら、今のこの幸せが壊れるじゃん。ママが誰かを死ぬまで追い詰めてて、悠里や安和や椿は幸せ?』
と訊いたんだ。すると悠里達は、思い切り首を横に振ってたんだよ。
<法の支配>が及ぶ、れっきとした人間社会の<公共の場>なんだよ。そこで人間として振る舞えないのなら、何らかの罰(あくまで法に基づいた)があっても当然じゃん。
一部のわきまえてない人の所為で規制が強化されるのとかも、これまでにも何度もあったことじゃん。『どうしてそういう過去から学ばないの?』って思う。『どうして<わきまえてない人>の方を正当化すんの? それで規制が強化されるとなったら文句言うとか、甘えるのも程々にしたらどうなの?』って思うんだ。
ってか、とにかく、『理由さえあったら他人を死ぬまで追い詰めても構わない』みたいに考えてるのを野放しにしてて何が<人間社会>よ。おかしいでしょ。
昔の私自身がそういう思考のヤバい奴だったから余計にそう思う。
そして、私の場合は、<ヤバい私を野放しにしなかった人>がいてくれたから助かったんだよね。今の幸せが掴めたんだ。
じゃなきゃ私は、両親や兄をなんとか自殺に追い込んでやろうとか本気で考えてたと思う。
てか、そこまで本気ではなかったけど、実際に、『あ~、あいつら死んでくんね~かな~……』くらいには考えてたんだよね。
それに比べたら、今は、嫌いだし憎んでるのは事実でも、『死んでくれ』とまでは考えてない。
まあそれでも、死んでも悲しまないだろうなというのは今でもあるけどさ。
だけど私は、そんな自分を正当化しようとは思わないんだ。実の親や兄が死んでも、『スカッとした』とか思ってしまいそうな自分を、人間として恥ずかしいとは思ってる。だから悠里や安和や椿には、昔の私と同じにはなってほしくないんだ。
他人の死を願う必要がないようにしようと思ってる。
これは<綺麗事>じゃないんだよ。自分が幸せになるために具体的に必要なものなんだ。<実利>そのものなんだよ。
他人に対して『死んでも構わない』とか考えてるようなのは、たとえ物質的に豊かになっても精神面で幸せにはなれない。
だって、<自分にとって都合の悪い相手>ってのは、永遠にいなくならないから。
日常的に現れる<自分にとって都合の悪い相手>に対して毎度毎度ムカつくことになるからね。
コンビニ店員に対していちいちムカついてる人とかって、幸せそうに見える?
ホントに幸せそうな人とかって、そんな些細なことにいちいち苛々してないって思わない?
ましてや、SNSで相手が死ぬまで罵詈雑言ぶつけてるような人とか、幸せそうに見えないどころか<まとも>にも見えないと思うんだけど?
何度も言うけど、自分の子供や家族や身近な人が誰かを死ぬまで追い詰めてるのを放っておけるのが分からない。
分かるけど、分からない。分かりたくない』
アオはそう言って、悠里達を真っ直ぐに見詰めて、
『だってそんなことしてたら、今のこの幸せが壊れるじゃん。ママが誰かを死ぬまで追い詰めてて、悠里や安和や椿は幸せ?』
と訊いたんだ。すると悠里達は、思い切り首を横に振ってたんだよ。
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