ショタパパ ミハエルくん(耳の痛い話バージョン)あるいは、(とっ散らかったバージョン)

京衛武百十

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第三幕

私は、自分の子供達がネットで他人を罵ってたりしてたら悲しいんだよ。何度も言うけど、そんなことをするくらいなら私に当ってほしい

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『私は、自分の子供達がネットで他人を罵ってたりしてたら悲しいんだよ。何度も言うけど、そんなことをするくらいなら私に当ってほしい。

そんなことしてたら自立できないとか言うのもいるかもだけど、なに? あんたが、私の子供達が辛い時や苦しい時や憤ってる時の八つ当たりのサンドバッグ役になってくれるっての? 

それともあんたは、自分は縁もゆかりもない赤の他人を罵ったりしてないっての? ウザ絡みしたりしてないっての? そういうのを一切せずに他人に迷惑掛けずに立派に独り立ちできてるっての? そんなご立派な方が、他人の家庭の方針に口出しするのはおかしくない?

他人に八つ当たりされるのとかって嫌でしょ? そういう他人が嫌がる形でなくて不平不満やストレスを吐き出す先に、子供達をこの世に送り出した私がなりたいってだけだよ。私がこの世に送り出したんだから。

それにさ。いちいち自立だ独立だ言わなくたって、子供は親とは別の人間なんだよ。成長と共に自分の在り方くらい考えるようになるって。

親からやいやい言われてもそういうのに失敗して引きこもりのニートになったりするのもいるんでしょ? だったら、親がやいやい言えば子供に自立心やらが芽生える、とは限らないっていう何よりの証拠じゃん。

さっき見たアニメでも、子供が自分のやりたいこと見つけて頑張ろうとしてるのに、『そんなもの上手くいくわけないだろうが!』って父親が怒鳴って殴ってってしてたじゃん。で、子供が反発して家を出て行って、それで周囲が何とか取り成そうとするんだけど、そこからの流れが、『実は父親も反対してるように見えて本当は応援してました』ってのが子供に伝わって良かった良かった的な結末になったけど……

これって、昔っからさんざ使われてきた、<親子の確執と感動的な和解。のテンプレ>なんだよ。

あれ、私、自分が親になったからこそ、『そんなんで子供が納得するかボケ~っ!!』『なんじゃこの親にばっかり都合のいい茶番劇は~っ!!』『これで万事上手くいくんなら、崩壊する家庭とかあるか~っ!!』としか思わないんだよね。

親の立場としてもそう思うし、子供の立場で考えても、『あの流れであんな素直に感動して親を見直すとか、ご都合主義以外のなにものでもないわ~い!!』って思うから、ツッコんじゃったしさ。

まあ、そうやってツッコめたってことはそういう形でも楽しめたってことだけどさ。

だけど、子供の方ばかり『甘ったれてた』って話になってた点については、私は、親目線で見たからこそ、『ちゃんと子供に分かるように説明できない自分の未熟さを棚に上げてる甘ったれた親の姿が鼻についちゃって、ほんっとキッツイわ~……』ってのが正直な感想なんだ。

だからってその作品を叩いたりはしないけどさ。だって、所詮、フィクションだから』

そうやって悠里達と一緒に見たアニメとかをきっかけにして、アオは大切な話をしてくれる。

でも同時に、それを、作品を貶す目的にはしないんだ。

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