ショタパパ ミハエルくん(耳の痛い話バージョン)あるいは、(とっ散らかったバージョン)

京衛武百十

文字の大きさ
上 下
481 / 571
第三幕

基本的に私、『他人なんざ知ったこっちゃね~っ!!』ってタイプの人間だからね? 本質的には、『他人が生きようが死のうが興味もねえし』って

しおりを挟む
『世の中にはいろんな意見があって当然なので、私は気にしません。なので皆さんも、自分と違う意見を持ってる人だからといって無闇にぶつからないように心掛けてください』

<ラノベ作家・蒼井霧雨あおいきりさめ>としての彼女は、公にはそういうアナウンスもしてたりするけど、それはあくまで彼女の<仕事上の顔>でしかない。<個人・蒼井霧雨>としては、

『基本的に私、『他人なんざ知ったこっちゃね~っ!!』ってタイプの人間だからね? 本質的には、『他人が生きようが死のうが興味もねえし』って思ってるから』

ともちゃんと言ってくれてる。だからこそ僕は、彼女を信頼できるんだ。

だって、<表の顔>をさも自身の本質であるかのように振る舞う人間は、完全に自らを<粉飾>しているから。

『自身を<善良で正しい人間>であると他人に錯誤させようとしてる』

ことのどこが<誠実>なの?

自分を粉飾して他人に錯誤させることで『不快に思われないようにする』ことが本当に好ましいの? 

僕にはそうは思えない。何しろ、そういう人間の多くは、自分を粉飾して他人に錯誤させると同時に、<ガス抜き>と称して、

<自分に対して抵抗できない相手>

などにストレスを転嫁したりしてるからね。他人からは見えないようにしつつ。

自分の子供、家族、部下、そういう人間達を虐げている者の何が<誠実>なの? 僕にはただ卑劣なだけにしか思えないよ。

また、ネット上で匿名の陰に隠れて他人を罵ったり蔑んだり貶したりしているのも、これだよね。

ネットの外では自身を粉飾しつつ。

そんな人間のどこが<誠実>で、どこを<信頼>すればいいと言うの?

だけどアオは、自分のことを<ドクズ>と称しながらも、自身の好ましくない面も自覚しながらも、

『<自分にとって大切な人>が苦しんだり悲しんだりっていうのは絶対にイヤなんだ。

ミハエルや子供達はもちろん、さくらとその家族が苦しんだり悲しんだりっていうのはイヤなんだよ。

次いで、ファンの人達が苦しんだり悲しんだりっていうのもイヤだよ。

だから、何を言ったって聞く耳なんか持つつもりのない<アンチ>を相手にレスバとかして嫌な思いをして欲しくないんだ』

と考えることもできるから、信頼できるんだ。

『自らの好ましくない部分を正当化せず、その上で自分の周りの人間の幸せを願える』

からね。それが<本心>だというのが分かるから。

だけど、好ましくない部分を隠して<綺麗事>を並べて粉飾しているのは、<本心>じゃないよね?

好ましくない部分を隠して<綺麗事>を並べている部分こそを他人に信じさせようという姿勢そのものが、<不誠実>というものじゃないの?

もちろん、だからと言って<露悪趣味>に走るのも違うとしても、ね。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】花街の剣の舞姫

白霧雪。
キャラ文芸
 花街一の剣舞姫・桃花は、七日に一度、妓楼の舞台で剣舞を披露する。  その日もいつも通り舞い踊り、出番も終わりと思っていたところ、座敷に呼ばれる急展開。若く麗しい男・桃真に王宮で行われる武闘会の前座として舞を披露してほしいと依頼される。 ❀恋愛異世界中華風ファンタジー カクヨム、小説家になろうにも掲載中! 感想、コメントいただけると嬉しいです。 本編完結済み。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

硝子の瞳に映る蜃気楼

鳴沢ゆき
キャラ文芸
人形と話せる少女は、人形に謎の答えを教えてもらう。 しかし、答えを知るだけでは問題の解決にはならない。 だから少女は答えを知ってから証拠を探し作り出す。

男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜

春日あざみ
キャラ文芸
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。 しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——? 「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!

【完結】偽物と呼ばれた公爵令嬢は正真正銘の本物でした~私は不要とのことなのでこの国から出ていきます~

Na20
恋愛
私は孤児院からノスタルク公爵家に引き取られ養子となったが家族と認められることはなかった。 婚約者である王太子殿下からも蔑ろにされておりただただ良いように使われるだけの毎日。 そんな日々でも唯一の希望があった。 「必ず迎えに行く!」 大好きだった友達との約束だけが私の心の支えだった。だけどそれも八年も前の約束。 私はこれからも変わらない日々を送っていくのだろうと諦め始めていた。 そんな時にやってきた留学生が大好きだった友達に似ていて… ※設定はゆるいです ※小説家になろう様にも掲載しています

処理中です...