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第三幕
『人間の本質は変わらない』のなら、大人になってからそういう人間になったんじゃないはずだ。子供のうちからそういう本質だったわけで、だとすれば
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セルゲイとの楽しい時間を過ごして、安和はとても上機嫌だった。
けれど、再び自分のレビューサイトの管理を始めた彼女の表情が曇る。
「またか……」
その様子に、僕も察してしまった。彼女のレビューサイトに頻繁に現れては罵詈雑言をぶつけていく人間がいるんだ。
『親の金で買った玩具でアフィ乞食とか、将来金で男に股を開くクサレマ〇コ決定だなwwwww』
『いくら出しゃヤラせてくれんだwwwww』
『どうせもう中古マ〇コだろwww一円の価値もなしwwwww』
等々。
この人間は、本当になぜこんなことができるんだろう?
このレビューサイトにおいて安和は中学生ということになっている。実年齢に合わせてそういうことにしてるんだけど、中学生の女の子相手にそんな振る舞いをする自分自身をなぜ恥じないんだろう?
もちろん、相手が成人であるとは限らない。安和と同年代。もしくは年下の可能性もないとは言えない。
でも、そうだとすれば、今度はその子の親はなぜ自分の子供がこんなことをしているのを放置しているんだろう?
安和は、そういう<好ましくない状況>を目の当たりにすれば表情が険しくなるから僕にはすぐに分かる。
自分の子供がネットをしていて険しい表情をしていて心配にならないんだろうか?
それとも、普段と全く変わらない表情で、さっきのようなコメントを書き込んでいるの? だとしたらむしろその方が僕は怖いと思う。
どうしてそんなことができるようになったの?
そんなことができるようになるまでの間、親は何を見ていたの?
そして、この人物が成人していた場合には、それこそ、
『親の躾が失敗した』
ことを表しているよね。
この人間の親は、自分の子供さえ躾けられない程度の人物だという何よりの証拠になる。
もし、この人間が自分の親を敬っているのなら、なぜ、それを貶めるようなことをするの?
自分の親が子供すら躾けられない程度の親だと他人から思われることが気にならないの?
『人間の本質は変わらない』のなら、大人になってからそういう人間になったんじゃないはずだ。子供のうちからそういう本質だったわけで、だとすれば、当然、親がそういう人間に育てたということだよね。
だけど、僕は、この人間のこともこの人間の親のことも、面と向かって責めることはしない。もうすでにこれ以上ないくらいに自らを貶めているから、僕がいまさら何かをする必要もないんだ。
僕がしなくちゃならないのは、こんな人間を目の当たりにしてしまった安和のケア。
それを怠ると、彼女は、
『先に攻撃されたから、自分も攻撃する!』
と考えてしまう可能性がある。
そうして始まるのは、
『どちらが先に攻撃を仕掛けた!』
という、終わることのない水掛け論なんだ。
けれど、再び自分のレビューサイトの管理を始めた彼女の表情が曇る。
「またか……」
その様子に、僕も察してしまった。彼女のレビューサイトに頻繁に現れては罵詈雑言をぶつけていく人間がいるんだ。
『親の金で買った玩具でアフィ乞食とか、将来金で男に股を開くクサレマ〇コ決定だなwwwww』
『いくら出しゃヤラせてくれんだwwwww』
『どうせもう中古マ〇コだろwww一円の価値もなしwwwww』
等々。
この人間は、本当になぜこんなことができるんだろう?
このレビューサイトにおいて安和は中学生ということになっている。実年齢に合わせてそういうことにしてるんだけど、中学生の女の子相手にそんな振る舞いをする自分自身をなぜ恥じないんだろう?
もちろん、相手が成人であるとは限らない。安和と同年代。もしくは年下の可能性もないとは言えない。
でも、そうだとすれば、今度はその子の親はなぜ自分の子供がこんなことをしているのを放置しているんだろう?
安和は、そういう<好ましくない状況>を目の当たりにすれば表情が険しくなるから僕にはすぐに分かる。
自分の子供がネットをしていて険しい表情をしていて心配にならないんだろうか?
それとも、普段と全く変わらない表情で、さっきのようなコメントを書き込んでいるの? だとしたらむしろその方が僕は怖いと思う。
どうしてそんなことができるようになったの?
そんなことができるようになるまでの間、親は何を見ていたの?
そして、この人物が成人していた場合には、それこそ、
『親の躾が失敗した』
ことを表しているよね。
この人間の親は、自分の子供さえ躾けられない程度の人物だという何よりの証拠になる。
もし、この人間が自分の親を敬っているのなら、なぜ、それを貶めるようなことをするの?
自分の親が子供すら躾けられない程度の親だと他人から思われることが気にならないの?
『人間の本質は変わらない』のなら、大人になってからそういう人間になったんじゃないはずだ。子供のうちからそういう本質だったわけで、だとすれば、当然、親がそういう人間に育てたということだよね。
だけど、僕は、この人間のこともこの人間の親のことも、面と向かって責めることはしない。もうすでにこれ以上ないくらいに自らを貶めているから、僕がいまさら何かをする必要もないんだ。
僕がしなくちゃならないのは、こんな人間を目の当たりにしてしまった安和のケア。
それを怠ると、彼女は、
『先に攻撃されたから、自分も攻撃する!』
と考えてしまう可能性がある。
そうして始まるのは、
『どちらが先に攻撃を仕掛けた!』
という、終わることのない水掛け論なんだ。
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