ショタパパ ミハエルくん(耳の痛い話バージョン)あるいは、(とっ散らかったバージョン)

京衛武百十

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第三幕

親の力だけじゃできないことについて他人を頼ることも必要だし、それ自体は責められることじゃないはずなんだ

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だけど、何度も言うように人間は完璧になれないし、できないことを無理にやらせようとするのも合理的じゃないのも事実だと思う。

だから、親の力だけじゃできないことについて他人を頼ることも必要だし、それ自体は責められることじゃないはずなんだ。

ただ、他人の力を借りる上においても、自分に責任があることをちゃんと承知してないとダメだよね。という話であってさ。

そう。自分の不始末を学校や教師に押し付けるんじゃなく、尻拭いさせるんじゃなく、自分が上手くできないことで迷惑を掛けていると自覚するのが必要だと思う。

なのに、親が露骨に教師を侮っていたり見下していたり蔑んでいれば、子供も当然、教師をそういう目で見るようになる。もし、そうじゃない場合があるとすれば、それが好ましいことじゃないと、親以外の誰かが教えてくれたからだろうな。

『親以外の誰かが教えてくれた』

これをもって、

『親だけが子供の人格や性格を決めるわけじゃない』

と考える人間もいるのかもしれないけど、それは自慢できることなの? 

『教師を侮り見下し蔑むその姿勢を、親以外の誰かが『好ましいことじゃない』と教えてくれた』

のは、望ましい状況なの?

僕にはとてもそうは見えないんだけどな。

<他人が尻拭いをしてくれることを期待しなければいけない状況>

というのは、<親として誇れること>なの? むしろ恥じるべきことじゃないの?

『親の所為にするな!』

と子供を罵倒して解決することなの? 

確かに好ましくない教師が存在することも事実だと思う。些細なことで暴力を振るい生徒に怪我をさせるような教師は尊敬に値しないのは事実だろうな。

でも、だからといって<教師>という形で一括りにして侮り見下し蔑むことが好ましいのかどうかさえ、考えることができないの?

<事件を起こす教師>というのは、あくまでその教師個人の問題だよね? そしてもし、

『<教師という職業がはらむ潜在的な問題>がそういう問題教師を生む』

のだと考えているなら、

『環境が子供の人格や性格に大きな影響を与える』

のも当然のことだと認めないとおかしいんじゃないのかな?

『<教師という職業がはらむ潜在的な問題>がそういう問題教師を生む』のなら、『<親が作る好ましくない環境>が子供の人格や性格を歪める』という考え方を認めないのはおかしいよね?

これは、警察官や官僚にも言えるよね?

警察組織が腐っているから警察官が事件を起こすなら、

中央省庁が腐っているから官僚が事件を起こすなら、

『環境こそが人を狂わせる』

という何よりの証拠じゃないの?

なのに、

『<親が作る環境>が子供の人格や性格を決めるわけじゃない』

と考えるのはなぜ?

子供がどういう人間に育つかに親が影響を与えないというのなら、

『組織がどれほど腐っていても、そこに所属する個人には影響は与えない』

ということにならないとおかしくないかな?

ましてや、警察組織や中央省庁に属しているのは、<大人>だよね? 子供が親が作る環境の影響を受けないのなら、大人はそれこそ環境の影響なんて受けないはずじゃないの?

他人の力を当てにしたいなら、まず、

『自分が上手くできなかったという事実があるという前提に立たないと駄目』

なんじゃないかな。

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